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がん細胞はもともと正常細胞

がん細胞とはどのようにして発生するのでしょうか。これまでの研究によると、がん細胞はもともと正常細胞ですが、何らかの要因によって正常細胞内のDNAが損傷し、修復しないまま残り、さらにがんを誘発する何らかの環境下で細胞分裂を繰り返してがん化するとされています。

私たちの身体は、1つの受精卵が約60兆個の細胞になるまで分裂を繰り返して作られます。1つの受精卵だった細胞が、1種類の細胞として増えるのではなく、様々な形態や機能を持った細胞へ分裂、増殖を繰り返していきます。このように機能を持った細胞へ変化する過程を「分化」といいます。

図 細胞の分化(細胞から各器官へ)

図 造血幹細胞の分化

図 分化と自己複製

なお、最終形に分化した高分化細胞でも、何らかの要因で細胞に損傷が生じた場合は、傷の修復などが行なわれるため細胞分裂が活発になります。

がん細胞にも、高分化、低分化、未分化があります

がん細胞は分化の程度により、高分化がん、低分化がん、未分化がんの3種類があります。

  1. 高分化がん:分化の高い状態でがん化しているため細胞分裂のスピードはゆっくりと増殖。転移が少ないため、悪性度の低いがんと言われます。
  2. 低分化がん:さかんに分裂をしている未成熟の細胞ががん化したもの。細胞分裂のスピードが速く、増殖、転移が多く見られる。悪性度の高いがんと言われます。
  3. 未分化がん:分化の性質を持たずその細胞から発生したか確認できないがん。低分化がんよりも分化の度合いが低いため、悪性度の最も高いがんと言われます。

図 分化と悪性度の関係

監修 東京女子医科大学 核医学・PET検査室