NHKニュース おはよう日本 2014.11.29


おはようございます。
7時になりました。
長野県北部で震度6弱の激しい揺れを観測した地震から、きょうで1週間になります。
厳しい冬が迫る中、復旧作業や避難の解消に向けた対応は、時間との闘いとなっています。
それでは、長野県白馬村から中継でお伝えします。
住宅に大きな被害が集中しました、長野県白馬村の堀之内地区です。
地震の発生から1週間ほどが、まもなくたつわけですけれども、私の後ろ、いまだ大きく壊れた住宅、手付かずのまま残されています。
この被災地、1週間、相次ぐ余震に加えまして、きょうも大粒の雨が降っていますが、こういった雨の影響で、二次災害が発生する危険性があるということで、この壊れた住宅、解体作業、撤去作業、進めることができませんでした。
ただ白馬村では、このあと本格的な雪のシーズン、雪の重みでさらに住宅に被害が及ぶおそれがあるということで、きょうからその撤去作業に着手することになりました。
このあと午前9時から、私の後ろにあります公民館の周辺で、その撤去作業が始まる予定です。
白馬村ではきのう、住宅の解体を前に、被災した人たちが、使える家具や家電製品などを運び出していました。
地震のあと、土砂災害への備えも急がれています。
県と国のこれまでの点検で、今後、余震が起きたり雨が降ったりした場合に、土砂災害の危険性があり、緊急の安全対策が必要とされる場所が、少なくとも9か所あることが分かりました。
では改めて、現場の打越アナウンサーに聞きます。
1週間がたちました。
寒さもあると思います。
避難している住民の皆さん、疲れもたまってきていらっしゃるのではないでしょうか。
そうですね。
今回の地震で亡くなった方がいなかったことについては、皆さん、よかったというふうにお話していまして、さらには、自分たちが頑張っていかなくちゃいけないというようなことを、口々にそろえておっしゃるんですけれども、長引く避難生活ですとか、寒さ、こういったことでストレスもピークに達していると感じます。
今、避難生活をされている方はおよそ260人に上ります。
この白馬村では、年内に仮設住宅を建設する方針、決めているんですけれども、完成までには1か月以上かかる見通しです。
村では、近くにありますホテルですとか民宿に移ってもらって、そちらで避難生活をしてもらうという方針です。
長野県の白馬村でした。
今回の地震は、神城断層の一部が、長さ10キロ余りにわたってずれ動いて起きたと見られることなどから、きのう開かれた、地震の専門家などで作る地震予知連絡会で報告されました。
この中で、名古屋大学大学院の山岡耕春教授は、大学内の研究チームによる地殻変動の分析結果を報告しました。
今回の地震は、近くを通る長さが30キロ近くの神城断層のうち、北側の長さ11キロ余り、幅4キロほどがずれ動いて起きた可能性があり、断層の南側は動かなかった可能性が高いということです。
また、産業技術総合研究所が、地震前の先月から今月にかけて、神城断層と、その南にある松本盆地東縁断層の間で、掘削調査を行った結果も報告され、3300年から3400年ほど前の地層に、地震で出来たと見られる2メートル近いずれが見つかり、過去には2つの断層が連動してずれ動き、マグニチュード7クラスの地震が起きていた可能性があることを報告しました。
地震予知連絡会の平原和朗会長は、はっきりしたことはまだ分からないが、今回の地震が神城断層の動いていない部分や、松本盆地東縁断層などに影響を及ぼす可能性もあり、さらに詳しい調査が必要だと話しています。
衆議院選挙は、公示を3日後に控えて、各党の公約が出そろいました。
最大の争点である、安倍政権の経済政策、アベノミクスの是非などを巡って、主張の違いが鮮明になっています。
衆議院選挙は来月2日の公示を3日後に控える中、各党の党首らが街頭演説や集会で支持を訴えるなど、事実上の選挙戦が本格化しており、各党の公約もきのう出そろいました。
このうち自民党は、安倍政権の2年近くで、雇用や賃金などが改善したと経済指標を示して紹介したうえで、アベノミクスを推進するとともに、財政健全化目標も堅持して、経済再生と財政再建を両立させながら、経済の好循環のさらなる拡大を目指すとしています。
また安倍内閣の重要課題である、地方創生を、規制改革で実現しようという自治体を、地方創生特区に指定することや、安全が確認された原子力発電所の再稼働を進め、責任あるエネルギー政策を構築することなども盛り込んでいます。
公明党は、軽減税率の実現を重点政策の最初の項目に掲げ、平成29年4月の消費税率の10%への引き上げと同時に導入することを目指して、対象品目などについて早急に具体的な検討を進めるとしています。
一方、野党側は民主党が、アベノミクスを転換して、厚く豊かな中間層を復活させるとして、子育て支援の拡充など、人への投資や、農林水産業や中小企業などへの支援策を柱にした成長戦略を打ち出しています。
維新の党は、身を切る改革を徹底するとして、国会議員の定数と歳費の3割削減などを打ち出しているほか、医療分野などへの企業の参入促進や、JA全中・全国農業協同組合中央会の抜本的な改革などを主張しています。
次世代の党は、追加の金融緩和の撤回など、アベノミクスの軌道修正を求めることや、国民の手による自主憲法の制定、それに防衛力の強化などを掲げています。
共産党は、今回の選挙で問われるのは、民意を無視して暴走する安倍政治の全体だとして、消費税率の引き上げの中止や、集団的自衛権の行使を容認した閣議決定の撤回、原発の即時廃止などを掲げています。
生活の党は、失われた中間層を取り戻すとして、非正規労働者が同じ仕事であれば正社員と同じ賃金を得られる、同一労働・同一賃金を推進することや、農業者の戸別所得補償制度の法制化などを打ち出しています。
社民党は、アベノミクスによる生活破壊を許さないとして、消費税率を5%に引き下げるとしているほか、集団的自衛権の行使を容認した閣議決定の撤回などを主張しています。
新党改革は、消費税率の引き上げを延期して、アベノミクスを推進するという、安倍総理大臣の判断を支持するとしたうえで、家庭を重視した経済政策で、成長戦略を補強するとしています。
スポーツは筒井アナウンサーとお伝えします。
おはようございます。
フィギュアスケートのNHK杯、きのう開幕しましたね。
男子シングルにはこちら、羽生結弦選手が出場しました。
3週間前の大会では、ほかの選手と衝突してけががありましたけれど、それを押して、出場しているんですよね。
そうなんですね。
大きな注目を集める中、きのう、前半のショートプログラムに出場しました。
羽生、日本男子初のファイナル連覇へ、けがを押しての出場です。
冒頭の4回転ジャンプは。
回転が遅く、着氷に失敗。
3回転ジャンプでも。
羽生は表現力で挽回を目指します。
しかしジャンプの失敗が響き5位。
前を向いてきょうのフリーに挑みます。
無良崇人は、カナダ大会を制し、プレッシャーを感じていました。
リラックスすることを意識したと無良。
全身を使ったステップで、観客を沸かせます。
自己ベストを更新する演技でトップに立ちました。
無良選手、堂々とした演技でしたね。
そして羽生選手にも、けがを押しての出場、温かい拍手が送られていましたよね。
そうでしたね。
その羽生選手ですけれども、今大会3位以内に入れば、グランプリファイナル進出が決まるんですね。
たとえ4位以下でも、ほかの選手の成績によっては、進出の可能性があります。
一方、前半首位の無良選手ですが、4位以内に入ると、初めてのグランプリファイナル進出が決まるということになります。
さあ一方、女子シングルも、前半のショートプログラムが行われました。
日本勢は期待の村上佳菜子選手が、今シーズンのベストのスコアを出して3位、宮原知子選手は4位に続きました。
首位は、アメリカのグレイシー・ゴールド選手です。
NHK杯はきょう、後半のフリーが行われます。
スポーツでした。
では次です。
ことし、日本を訪れた外国人旅行者は、円安やビザの規制緩和などを背景に、去年より2か月早く1000万人の大台を超えました。
最近では、日本の生活や文化を味わえるツアーが人気を集めているほか、低迷している消費を押し上げる効果も期待されています。
岐阜県高山市、ここでも外国人観光客の数は、年々増えています。
人気を集めているのが、自転車で地域を散策するツアー。
この日参加したのは、アメリカやスイスの観光客です。
地元の人と触れ合えるとして口コミで広まり、去年はおよそ800人の外国人が利用しました。
こちらは、日本一のお茶の産地、静岡県。
台湾から来た30人余りのグループが、藤枝市の観光施設を訪れました。
本格的な茶室で、地元特産の玉露で入れた煎茶を楽しみます。
日本の文化を満喫しました。
この施設では、去年、予約の7割以上を外国人が占めました。
外国人が日本で使うお金も増えています。
観光庁の推計によりますと、ことし7月から9月までの間に、外国人旅行者が宿泊や買い物などに使った額は、5500億円を超えました。
去年の同じ時期のおよそ1.4倍です。
この店で人気なのは腕時計。
セイコーウオッチが、ことし9月に中国で始めたテレビコマーシャルです。
このメーカーでは、先月、国内向けの腕時計の出荷本数が、去年の同じ時期を10%以上上回りました。
日本を訪れる前の外国人にさらに知名度を高めようと、海外でのPRの強化に乗り出しています。
次は、こちらをご覧ください。
介護保険制度の中で、介護が必要だと認定された人の推移です。
左側ですね、2000年は218万人だったんですが、去年は564万人と、急増しています。
高齢化が進む中、介護が必要な人の自立を促す、ある介護方法が注目されています。
有料老人ホームに入所している80歳のこの女性。
足を骨折した影響で、入所したときは足元がふらつき、転倒することもありました。
それが2か月足らずで、スピードが格段にアップ。
足取りも安定しました。
どうぞ。
89歳のこの男性は、がんやヘルニアで入院が続き、1年前まで寝たきり状態でした。
ところが、特別養護老人ホームに入所すると、3か月で変化が表れました。
再び自宅で暮らせるようになり、階段も上れるようになりました。
こうした改善につながったのが、自立支援介護と呼ばれる介護方法です。
どんな介護方法なのか。
30人が入所している有料老人ホームです。
自立支援介護は、できないことを手助けするのではなく、自分でできることを増やして、自立を目指す介護です。
ポイントは、水分の摂取。
栄養のある食事。
適度な運動。
トイレでの排せつの4つです。
よいしょ。
去年、この老人ホームに入所した石井静枝さん89歳です。
石井さんは2年前に骨折し、車いすが欠かせなくなりました。
入所した当初はおむつが外せず、会話もうまくできませんでした。
施設では、石井さんにこまめに水分をとってもらうようにしてきました。
水分は不足すると意識障害や運動機能の低下などを引き起こすからです。
尿や汗などで出ていく水分を補うために必要とされる水分量は、平均で1日1500cc。
ところが、石井さんをはじめ、高齢者の多くは、入所前、700cc程度しか水分をとっていませんでした。
そのため、それぞれの人の持病などにも配慮しながら、適切な量をとってもらうようにしています。
必要な水分をとると、細胞が活性化し、唾液も増えるため、食事をしっかりとって、体力を回復させます。
次に大切なのが運動訓練です。
伸びにくくなった足の関節を伸ばす運動などを、高齢者にもできる軽い負荷で繰り返します。
筋肉や神経は、使う機会が少なくなると、動かし方を忘れてしまうため、筋力アップよりも動きを思い出させることを重視しています。
石井さんは、つかまり立ちから始め、歩行器に寄りかかった歩行を、スタッフの付き添いのもと繰り返しました。
石井さん、ここどうぞ。
今は小さな手押し車があれば、施設内を1人で移動できるようになりました。
水分と食事をしっかりとり、歩けるようになると、大腸も刺激されて、便意を自覚しやすくなります。
おむつを外して自立でトイレに行けるようになりました。
じゃあ、自分でお願いします。
この施設では、この2年間でおむつをしていた12人全員のおむつが外れ、入所者のおよそ3分の1の要介護度が改善しました。
自立支援介護のノウハウを作ってきた、国際医療福祉大学大学院の竹内孝仁教授です。
整形外科やリハビリ専門の医師として、高齢者の水分不足など、介護の盲点を指摘してきました。
今、全国を回って、介護職に対する講習会を年に100回ほど行っています。
自立を支援する介護を後押しするため、独自の助成金制度を始めた自治体もあります。
東京の品川区です。
現行の介護保険制度では、施設が入所者を自立に近づけて必要な介護のレベルが下がると、施設に支払われる介護報酬は減額されます。
そのため施設側のモチベーションが上がらない懸念がありました。
そこで品川区は、報酬の減額分のほぼすべてを、1年間助成する制度を、昨年度から始めました。
区の支出は短期的には増えますが、高齢者が自立に近づけば、財政の面からもメリットがあると見ています。
自立支援介護を受けている、石井静枝さんです。
この日、老人ホームに入所して初めて、近くのスーパーまで歩いて買い物に行くことになりました。
どっこいしょ、こらしょ。
距離は片道およそ300メートル。
休憩を取りながら進みました。
ゆっくりとですが、大好きなせんべいを買うことができました。
こっち行きましょう。
石井さんの笑顔が、すごく印象的でしたけれど、自分でできることが増えると、気持ちの面でもすごく大きな効果がありそうですね。
そうですね。
笑顔の表情が増えているということばもありましたもんね。
この自立支援介護に取り組む施設、この10年で700施設以上にまで広がっているということです。
さて、きょうは朝から雨となっている所が多いですね。
気象情報、南さん、お願いします。
雷を伴って激しく降る所もありますので、ご注意ください。
午前3時の天気図です。
低気圧が日本海にあって、寒冷前線が西日本を通過中です。
この寒冷前線が通過する際や、低気圧が通過する際には、雷を伴った激しい雨の降る所もあるでしょう。
現在の雨雲の様子です。
雨雲が北海道の太平洋側から、そして西日本、また南西諸島にかけて広がっています。
発達した雨雲も多く、雷を伴っている所が現在のところは、近畿の北部や紀伊半島、また北陸の沿岸などで見られます。
1時間に20ミリ前後の強い雨も降っていますので、一時的に降る強い雨や落雷などにご注意ください。
きょうの雨の移り変わりです。
近畿や東海、北陸は、お昼ごろまで雨が続く見込みです。
関東は夕方前後まで雨が降るでしょう。
また、東北や新潟付近では夜の初めごろまで雨が続きそうです。
そして西日本は午後になると、天気は回復に向かって、晴れ間の出る所が多くなる見込みです。
きょうの各地の予報です。
2014/11/29(土) 07:00〜07:30
NHK総合1・神戸
NHKニュース おはよう日本[字]

長野県北部で震度6弱を観測した地震から1週間。被災地の生活再建に向けた動きなどを伝える▽フィギュアスケートのNHK杯。羽生選手のSPの演技を中心に伝える。

詳細情報
番組内容
長野県北部で震度6弱を観測した地震から1週間。被災地では約300人が避難生活を続けている。本格的な冬を前に、生活再建に向けた動きなどを、中継を交えて伝える▽フィギュアスケートのNHK杯が開幕。注目の羽生選手のショートプログラムの演技を中心に詳しく伝える▽高齢化が進むなか、介護が必要だと認定された人の数が急増している。介護が必要な人の自立を促す“自立支援介護”と呼ばれる介護方法を紹介する。
出演者
【キャスター】近田雄一,和久田麻由子,【スポーツキャスター】筒井亮太郎,【気象キャスター】南利幸

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ニュース/報道 – 定時・総合
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
スポーツ – スポーツニュース

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