きょうの健康 目を守りたい「コンタクトレンズに注意」 2014.11.17


(テーマ音楽)正しい健康情報を分かりやすくお伝えする「きょうの健康」です。
今週はこちら。
4日間さまざまな目のトラブル病気について予防や治療をお伝えしていきます。
1日目今日のテーマはこちらです。
では早速お話を伺う専門家をご紹介しましょう。
眼科医で特に角膜の病気に詳しくコンタクトレンズによる障害の治療にも長く携わっておられます。
澤さんどうぞよろしくお願いします。
まずこのコンタクトレンズ使う人は今どれぐらいいらっしゃるんでしょうか?現在はおよそ1,900万人と推定されています。
随分たくさんいらっしゃるという事はトラブルももちろんある訳ですね。
そうですね。
コンタクトレンズを使う人の10人から20人に1人が目の障害を起こしているといわれています。
しかもトラブルは年々増加していると見られておりなお最近はカラーコンタクトレンズを使う人も増えました。
中には視力矯正ではなくファッション目的に簡単に手に入れて使用していますが一般のコンタクトレンズと同じで医療機器なので十分に注意しなければトラブルにつながります。
ではそのコンタクトレンズによって起こるトラブルの例を久田さんから伝えてもらいます。
はい。
ではこちらで見ていきましょう。
20代の会社員Aさんです。
学生時代からソフトコンタクトレンズを使っています。
就職して以来帰宅が遅くなる事が多くレンズのケアがおろそかになりがちでした。
またコンタクトをつけている時間が非常に長くレンズを外さずに眠ってしまう日もあります。
ある日Aさんは目の痛みと充血に気が付き眼科を受診したところ角膜つまり黒目の部分に細かい傷がついて細菌などの感染も考えられる危険な状態でした。
このAさん危険な状態という事で深刻な例だという事なんですが何が問題だったんでしょうか?Aさんはレンズを洗浄するなど毎日のケアを怠りまたレンズをつけている時間が過度に長く特にレンズを外さずに寝る事があったのが問題でしょう。
ほかにレンズのサイズが目に合わない場合は問題になります。
その結果レンズの汚れや刺激が目に影響したり目が酸素不足になるなどしてトラブルにつながります。
レンズを外さずに寝ると具体的に目にどういう悪い事が起きるんでしょうか?黒目といわれる角膜は酸素が必要で実は涙に含まれる酸素や大気中の酸素を利用しています。
レンズ自体はハードもソフトも大気中の酸素を十分に通す素材が主流ですが大切なのは絶えず涙の交換ができる状態です。
ではレンズをつけた状態で涙がどう交換されているのか見てみましょう。
こちらです。
コンタクトレンズハードレンズをつけてまばたきをしている様子なんですがレンズ分かりますか?目を開けた時にレンズが…。
動いてますよね。
ピュッと…。
動いてるのが分かると思います。
このレンズが動いた時この時に角膜との間の涙が交換されているという事なんです。
その涙の交換にはまばたきが大切だという事ですね。
はい。
ソフトレンズもハードほどではないですがまばたきで涙がある程度交換されます。
しかしレンズをつけたまま寝るとまばたきをしないためレンズがあまり動かず涙が交換されにくい。
角膜がダメージを受ける可能性があります。
…という事は寝る時には必ずレンズを外すという事が大切な訳ですね。
そうですね。
ソフトレンズとハードレンズあるんですがトラブルはどちらに起こりやすいというのはあるんでしょうか?ソフトレンズはハードレンズに比べて水を含んでいて軟らかくつけ心地がよいのですが実はトラブルはハードよりも起こりやすいです。
なぜかと言うと材質の特性からたんぱく質や脂質などの汚れがつきやすく細菌感染も起きやすくなります。
つけ心地がよい事から痛みがあっても気付きにくい事があります。
では実際どんなトラブル障害が生じるのか見ていきましょう。
まずAさんのように角膜が傷ついた角膜上皮障害の写真。
それがこちらです。
コンタクトレンズによる障害では角膜の傷が最も多く角膜の表面に点状の細かい傷が無数に出来ています。
この中心の白く斑点になっているような部分ですね。
これが傷ですね。
そうです。
ひどくなるとむくみや潰瘍も生じます。
これは自覚症状というのはあるんでしょうか?はい。
軽い時は異物感。
更に痛みや充血という事が出てきます。
痛みは具体的にどんな痛みなんでしょうか?非常に目が開けられないような痛みになる事があります。
これは実際はどう治療を進めていくんでしょうか?まずレンズの使用を中止し目薬で治療します。
重症度に応じて内服も行います。
軽ければ数日。
ひどい場合は7日以上かかります。
そしてAさんもそうでしたが角膜というのは傷つくと感染の危険があるという事なんですね?はい。
角膜の傷から細菌などの微生物が感染する事があります。
重症化しやすいのはアカントアメーバという微生物です。
こちらの写真を見ていって…。
これがアカントアメーバの患者さんの目ですよね。
分かります?この角膜黒目の部分の中心が白く濁ってますよね。
はい。
それから周りが白目なんですがこれだけ真っ赤に充血してしまう。
これが特徴なんですね。
アカントアメーバは日常の環境で水回りなどに生息していますがレンズやレンズケースのケアが不十分だとケースの中で繁殖し目に感染する事があります。
アカントアメーバに感染するとこのような目の混濁とともに強い痛みが出ます。
このほか緑膿菌セラチア菌という細菌の感染がよくありその場合は潰瘍が急に現れます。
こうした角膜の感染症というのはどう治療していくんですか?病原体に応じたさまざまな薬を使いますが進行すると効きにくい事があります。
視力低下や失明が避けられない事もあります。
先ほどのアカントアメーバ感染症では結果的に角膜移植を行っています。
これがその角膜移植を行った目ですね。
ここが患者さんの角膜です。
それからここからここまでがドナー角膜です。
この白く輪郭が出来てるこの内側がドナーの方の新しくつけた角膜ですよね。
そしてそれをこの細い糸で縫っている訳です。
そうなんですね。
コンタクトレンズがきっかけで結果的には角膜移植にまで至ってしまう深刻なケースがあるという事はしっかりと押さえておいた方がいいですよね。
そうですね。
ではそのほかに障害としてこちら。
巨大乳頭結膜炎というものもあります。
これはレンズの汚れや刺激によって起きるアレルギーによる結膜炎です。
上まぶたの裏に大きな乳頭粒々ですね。
これが出来ます。
ここの部分が白く粒々になってるの分かりますよね。
これを指す訳ですね。
目やになどの自覚症状がありアレルギーに対する目薬などで治療します。
こうした病気は本当に恐ろしいという気がするんですがこうした障害が起きないようにするためにはどういう事を心掛ければいいんでしょうか?では正しい使い方こちらで見ていきましょう。
コンタクトレンズですね。
眼科医の検査と処方を受けて購入するという事が勧められます。
眼科ではどのような事を具体的に行うんでしょうか?視力それから角膜のカーブ目の健康状態などを適宜検査しレンズを試験的につけて動きを確認するなどしてその人に合ったレンズを選択します。
レンズの取り扱いやケアについても指導致します。
そして次に使用時間・交換期限を守るという事です。
原則として起きてる間は使用してもよいですが過度の長時間使用は勧められません。
もちろん夜は外して寝ます。
また目の違和感や痛みを感じたらすぐに外して頂きたい。
そのためには眼鏡も持っている必要があります。
そして交換期限ですがこれは具体的にどういう事でしょうか?コンタクトレンズにはハードとソフトがあります。
更にソフトレンズには1日で使い捨てるタイプ2週間繰り返し使って新しいレンズに交換するタイプ1か月繰り返し使って交換するタイプ従来の1から2年使い続けるタイプなどがあります。
それぞれの交換時期を守る事そして1日使い捨てのタイプは比較的安全ですが外したら二度と使わない事です。
そして次にレンズは毎日しっかりケアという事ですね。
詳しく教えて頂けますか?洗浄すすぎ消毒・保存の順でケアします。
1日使い捨てレンズ以外はレンズを外す度に行いますがハードレンズは消毒は必要がないです。
それぞれ専用液を使う製品がほとんどですが液の使い分けは製品によって異なるので間違えない事です。
このほか通常は定期的なたんぱく質の除去も必要です。
更にそのケアのポイントというとどういうところでしょうか?レンズを外す前にせっけんで手をよく洗う事。
レンズの洗浄はこすり洗い。
手のひらにレンズを載せレンズの表と裏を指でよくこすります。
どんな製品でも汚れを十分に落とすにはこれが必要です。
またつい忘れがちなのはレンズケースのケアです。
こまめに洗浄し乾燥させます。
また3か月をめどに交換します。
ケースも3か月をめどに交換するという事なんですね。
新しく乾燥した状態が望ましいです。
私も久田さんもコンタクトレンズ使ってる経験者なんですがつい手とか洗わずにって事ありますもんね。
ケース交換するっていう事もあまりなかったですね。
この辺りしっかり守っていかなきゃいけないという事ですね。
そして次に定期的な検査という事ですね。
コンタクトレンズを使い始めた人は1週間から2週間後および1か月後に眼科で検査を受けてほしいです。
その後は3か月に1回程度の受診が勧められます。
さあそして冒頭で少し触れたんですが最近はカラーコンタクト特に若い人がファッション感覚で使うという事も増えてると思うんですがどういう問題があるんでしょうか?インターネットで購入し医師の処方を受けない人が多いという事が挙げられます。
それからレンズのケア方法や交換時期を守らない人が多い。
そして製品によっては着色部分が色落ちする事が報告されております。
よく見かけますよね。
そうですね。
本当に軽い気持ちでファッション感覚で使うのはいいんだけれどもこれはもう全く普通のコンタクトレンズと同じで最近度数も入っていないカラーコンタクト使う若い人たちいると思うんですがこちらのようにコンタクトレンズの正しい使い方と全く同じようにケアをしなければいけないという事ですね。
検査とかケア大切ですね。
今日はコンタクトレンズの正しい使い方を見てきたんですがもう一度最後に注意点をまとめてもらえますか?カラーコンタクトレンズを含めてコンタクトレンズはいずれも高度な管理を要する医療機器に分類されています。
しかも大切な目に直接触れるものです。
軽く考えずに眼科を受診してきちんとケアし目のトラブルにならないように使ってほしいです。
最近は本当にいろんな種類のコンタクトレンズも出てきてとても身近に感じるんですがこれは医療機器であるという事使い方を間違えると目を傷つけかねないという事をしっかり守って頂きたいですよね。
どうもありがとうございました。
(2人)ありがとうございました。
2014/11/17(月) 13:35〜13:50
NHKEテレ1大阪
きょうの健康 目を守りたい「コンタクトレンズに注意」[解][字]

コンタクトレンズによる目の障害で多いのは角膜の傷。そこから細菌感染することもある。汚れを十分落とすためレンズはこすり洗いを。また眼科医の検査を受けて購入したい。

詳細情報
番組内容
コンタクトレンズはケアを怠ったり外さないで眠ったりすると目の障害を起こしやすい。最も多い障害は角膜の細かい傷による目の充血・痛み。傷から細菌などに感染すると、目の混濁や潰瘍も現れ、視力低下につながることもある。障害を避けるには洗浄・保存を正しく行うこと。汚れを十分落とすにはレンズのこすり洗いが必要。レンズケースも洗浄し3か月をめどに交換する。眼科医の検査を受けてレンズを購入することも勧められる。
出演者
【講師】日本大学名誉教授…澤充,【キャスター】久田直子,寺澤敏行

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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