東京新宿にあるセレクトショップ。
モダンなデザインのインテリアを数多く取りそろえています。
今ここで大人気なのがきょうのイッピンラグマットです。
実は一般的なラグマットとは素材が違うんですが分かりますか?畳でおなじみのあの素材です。
フローリングにも調和するデザイン。
和の素材いぐさが洋風の空間に息づいています。
こちらはいぐさのラグマットを愛用しているご家庭。
リビングにラグマットを敷いたところ子どもたちが自然に集まるようになったといいます。
子どもたちも大好き!ふかふかのラグマット。
福岡県の筑後地方で作られました。
今筑後では伝統的な和の素材いぐさを使ったモダンな製品が次々と生み出されています。
今回は高度な染めと織りの技を駆使した新しい「いぐさ」製品の魅力に迫ります。
福岡県の南部筑後地方。
日本屈指のいぐさ製品の産地です。
いぐさは温暖な気候でよく育つ植物。
細くしなやかな茎は古くから畳に使われてきました。
筑後でいぐさに関わる企業や農家の数は200に達します。
今回のイッピンリサーチャーはインテリアが大好きな中山エミリさん。
いぐさっていうと昔ながらの畳のイメージがすごく強いんですけども。
いろんな新しい取り組みをされてる方たちもいらっしゃるという事なのでどんなものに出会えるかとっても楽しみです。
中山さんが訪ねたのは先ほどのラグマットを作ったいぐさ製品メーカー。
あ!すでにいい香りで癒やされますね。
多彩なデザインの品々は皆いぐさで作られたもの。
100種類以上あります。
ランチョンマットかわいい。
これだったら洋食器とかとも相性良さそうですし。
そしてあのラグマットを発見!中山さん思わず…。
こうしたくなりますね。
全然ほとんど厚みが変わっていないのに板の上で寝ている体に当たる痛さとかなくて織ってある所がすごくふっくらしてるんですよね。
フローリングでも使えるように柔らかさを追求したラグマット。
人気の秘密はそれだけではありません。
夏は湿度を吸ってくれて冬はこちらにため込んだ湿度を出してくれるので一年中使って頂けます。
すごくふかふかしてますよね。
気持ちいいですよね。
いぐさ界ではぜいたくに?ぜいたくな商品ですね。
へぇそうなんですね。
ふんだんにいぐさを使った柔らかなラグマット。
そこにはどんな職人技が秘められているんでしょうか?おじゃましま〜す。
ラグマットを織った職人を訪ねました。
すごい香りが…。
おじゃまいたします。
すごいいい香りで癒やされるんですけど…。
ありがとうございます。
半世紀もの間いぐさを織ってきた大ベテラン。
ラグマットはこのいぐさ専用の織り機で作られます。
11台で1日におよそ100畳分を織り上げます。
石橋さんにはいぐさを織る前に必ず行う作業があります。
こんなに大きいんですか?こんなに長く…。
材料となるいぐさ。
ラグマット1畳分織るのに4000本が必要です。
通常のゴサの1.5倍もの量だといいます。
石橋さんいぐさの束から1本1本抜き出しはじめました。
100本のうち1本か2本ほど。
ここを捨てるわけですね。
触ってもいいですか?はい。
確かに見た感じの色もだいぶ違いますし私でも簡単にパキっと折れちゃうような。
石橋さんが捨てていたのは茶色く変色し質が悪くなったいぐさ。
1本足りとも見逃すまいと選別していたんです。
いぐさの断面の顕微鏡写真。
良いいぐさは繊維の密度が高く中がスポンジ状になっています。
これが柔らかさの秘密です。
しかし質が悪いとこのとおり。
繊維が少なくスポンジとはほど遠い状態。
究極の柔らかさを追求する石橋さん。
素材を選び抜くこの時にすでに勝負は始まっているのだといいます。
こうして厳選したいぐさを織り上げていくのが次の工程。
織り機の左右にセットしたいぐさを織っていきます。
今回は無地のいぐさと黒く染めたいぐさ2種類を使います。
横糸の部分がいぐさ。
縦糸は綿糸。
綿糸の間にいぐさを通しながら織り上げていきます。
実はこの時にいぐさの量が少ないと柔らかさが生まれません。
石橋さんのラグマットよりいぐさを2割減らして織ったものと比較してみます。
石橋さんの方は目がギュッと詰まっていることが分かります。
つまりいぐさを多く使って目の詰まった厚みのある物にするのが柔らかさの秘密なんです。
こっちの詰まっている加減って改めてみるとすごいですね。
つるつる感ももちろん違いますしちょっとガサガサしてるっていうか。
そうですね。
目の詰まったものにするために重要なのが縦糸。
この糸の調整が石橋さんの腕の見せどころなんです。
縦糸がピンと張っているといぐさを折り重ねる時上からの力が下まで伝えられるためいぐさはきれいに重なり厚みが増します。
一方縦糸の張りが緩いと力が下に伝わりにくくきれいに重ねることができません。
これは縦糸の張りが緩いものとピンと張ったものの断面の比較。
縦糸の張り方一つで厚みに差ができ柔らかさが違ってきます。
しかし縦糸はただ強く張ればいいというものではありません。
石橋さん織っている最中こまめに縦糸に触っています。
今されているのはどんな意味があるのですか?縦の糸触らして頂いてもいいですか?はい大丈夫です。
そうですね。
石橋さんは糸の弾力を確かめていました。
縦糸に使う綿糸は天然素材であるため張りすぎると切れてしまいます。
切れない程度に強くぎりぎりのところを見極めていたんです。
糸の張り具合は湿度や温度によって変わるため微妙な調節が欠かせません。
微妙な調節をやったんですけど私には違いがよく分かりません。
そうですね。
いぐさという素材と格闘し続けて半世紀。
石橋さんだからこそ生み出すことのできる柔らかさ。
職人がいつまでも使ってもらいたいと願って織り上げたイッピンです。
およそ400年前からいぐさ製品を作り続けてきた筑後地方。
今のラグマットの原点となる貴重な物が残されていると聞いて中山さん訪ねました。
おじゃまします。
よろしくお願い致します。
いぐさ産業の歴史に詳しい…桐箱の中で大切に保管されていたのは…。
あ!開けたら香りしますね。
ふわ〜って。
そうですか。
これは大正時代に筑後で作られた花ござ。
花ござとは染色したいぐさで織った製品のこと。
板張りの部屋や畳の上敷きとして使われてきました。
最近作られたばっかりぐらいすごくきれいですよね。
あ…そうですか。
きれいですもんね。
ええ。
江戸時代から戦前まで筑後の花ござは広くその名を知られてきました。
職人たちが丁寧に織り上げた製品は海外にも輸出されていたんです。
いろんなものが額に入って飾られているんですがこれはどんなものなんですか?1925年にはパリ万国博覧会で豊かな色彩が高く評価されました。
その技術は脈々と受け継がれ時代のニーズに合わせて様々な製品が開発されてきました。
筑後のいぐさ製品の大きな特徴。
それは高度な染めの技にあるといわれています。
最近登場したこのラグマット。
多彩な色が使われています。
よ〜く見てみると同じ色合いでも微妙に異なっています。
繊細な色を染める職人の技とは。
こんにちは。
こんにちは。
訪ねたのは染め職人の野口健吾さん。
(2人)よろしくお願いします。
今最も将来を嘱望されている若手職人のひとりです。
早速染めの作業を見せてもらうことに。
お〜!この状態で…。
熱いですね。
近くで見ても平気ですか?もちろんです。
これ夏はきついですね。
夏はですねサウナ状態で仕事しなければ。
ホントそうですよね。
染料を溶かした熱湯でいぐさを煮込みます。
70℃から90℃に徐々に温度を上げむら無く染め上げていきます。
実は野口さんが使う染料はたったの12種類。
赤ですか!はい。
この染料は水に溶かすと赤くなるんです。
このように12種類のほとんどが見た目と染めた時の色が全く違うんです。
野口さんは目指す色を頭の中にイメージし染料を組み合わせていきます。
ほんの僅かでも染料の配分を間違えると目指す色になりません。
3つの染料の組み合わせが完了しました。
これをお湯に溶かし込むと…。
何色になると思いますか?なんと海のように深い青が生まれました!野口さんは12種類の染料のうち2つから6つを組み合わせ自在に色を作り出すことができると言います。
染め始めてから25分。
いぐさを引き上げました。
実はこのタイミングにこそ野口さんならではの染めの技が隠されていました。
え!アルデンテって?芯があって歯ごたえがあるってこと?切ってみると…。
こんな具合で。
ホントだ!少しだけ白い部分が残ってるんですよ。
はい。
確かに外側だけが青く染まり中は染まっていません。
アルデンテいぐさと芯まで染色したいぐさを比べてみると…。
触ってみてもらえますか?触ってもいいですか?はい。
手触りが結構…。
こっちは乾いてる感じがします。
なんかこっちは反発というか全然違いますふっくら感が。
芯まで染めてしまうとスポンジ部分が固くなってしまいます。
一方アルデンテで染めるとスポンジが生きいぐさ本来の柔らかさを生かすことができるといいます。
では野口さんがアルデンテいぐさを作るためどのようにタイミングを計っているのか改めて見てみましょう。
まずいぐさを入れ窯を回転させながら徐々に色を付けていきます。
温度を上げるために蓋を閉じて10分後。
このような…。
ゆだってますねだいぶ。
色むらをなくすよう束をかき混ぜます。
実はこの時アルデンテへのカウントダウンが始まっていたんです。
その中でこう…。
野口さんは束をかき混ぜながらいぐさの芯の残り具合を手で確かめアルデンテになるまでの時間を割り出していました。
まだ少し芯がある感じですか?はい。
もうちょっとです。
きれいに染まりつつも中まで染まりきらない絶妙のタイミングが25分だったのです。
多彩な色を駆使したラグマット。
そこには鮮やかに染めながらも柔らかさを残す職人の技が隠されていました。
今筑後では様々なモダンなデザインのいぐさ製品が作られています。
中心に据えた円の部分を繊細に織り上げたタペストリーです。
これは色も大きさも違う収納ボックス。
様々な用途に応じて設計されています。
中でも今大きな話題を呼んでいるのがこちら。
いぐさのチェア。
へぇ〜初めて見ました。
モダンというか今の家のデザインに合わせやすいですよね。
鉄のフレームと天然素材いぐさを融合したイッピン。
6年前筑後の職人がインテリアデザイナーと共に作り上げました。
いぐさチェアは海外でも評判。
スイスチューリッヒのレストランでも使われているんです。
いぐさチェア。
最大の特徴は生地のデザインにあります。
色の異なるいぐさを細かく織り上げることで生まれた独特の色合いは従来にないものでした。
いぐさチェアを発案したのは清水慶太さん。
いぐさの持つ魅力を海外にも伝えたいという思いからでした。
清水さんのデザイン画です。
いぐさ独特の落ち着いた色合いを生かしつつも微妙な色の組み合わせ方によって奥行きのある色彩世界にすること。
そんな前例のないデザインによって世界に通用するものを目指しました。
このデザインの実現に取り組んだのが…様々な柄の織りを手がけてきたベテラン職人にとっても大きな挑戦でした。
びっくりしました。
聞いた時はびっくりしました。
どのような色をどう組み合わせればデザイナーのイメージを実現できるのか?野口さんは何本も微妙に色の異なるいぐさを実際に織って確かめていかざるをえませんでした。
色の配置を僅かに変えるだけで生地の印象は変わっていきます。
デザイナーの求める奥行きのある色彩世界を表現するためD2014/11/30(日) 04:30〜05:00
NHK総合1・神戸
イッピン「心をほぐすモダンの和〜福岡 いぐさ製品〜」[字]
今日のイッピンは、思わず寝転びたくなる“いぐさ”のラグマット。畳の素材を“ふかふか”でモダンに変身させる驚異の織り、自在に色を操る染めのワザを中山エミリが探る。
詳細情報
番組内容
今日のイッピンは、思わず寝転びたくなる“いぐさ”のラグマット。畳やゴザに使われる和の素材が、福岡・筑後地方の熟練職人たちのワザによって、ふかふかでモダンな姿に生まれ変わったのだ。半世紀間、いぐさと格闘してきた織り職人がたどり着いた“ふかふか”のヒミツとは?どんな色でも自在に生み出す若き染め職人が開発した“アルデンテ”染めとは?モダンなデザインで人気のいぐさチェアの開発秘話とは?中山エミリが探る。
出演者
【リポーター】中山エミリ,【語り】平野義和
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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