・「とんびがくるりと輪を描いたホーイのホイ」歌のとおり優雅に空を舞うトビ。
今日の主人公。
タカの仲間です。
ちょっと待った。
おっヒゲじい。
今日はいきなりですね。
はははい。
「トビがタカを生む」なんて言われるくらいだからトビって他のタカより劣ってるんじゃないの?主人公にふさわしいんですかね?あ〜ヒゲじいそれは誤解です。
トビはとってもスゴい能力の持ち主。
だからこのとおり日本中で大繁栄しているんですよ。
あホントだ。
日本全国ほとんどの場所に生息しておりますな。
ね。
トビのスゴさを少しご紹介しましょう。
まずは飛行能力。
羽ばたかなくてもこんなに高く舞い上がることができます。
ほう羽ばたかなくてもですか。
はい。
そして食べ物を見つけると急降下。
一瞬の早業でゲット。
う〜んお見事!更にほら漁師さんが投げた魚を頂き。
人の暮らしを利用する賢さも持っているんです。
ハハハアッタマいい!今日はそんなトビの実力に徹底的に迫ります。
トビの見方が変わりますよ。
うんトビっきり楽しみだ!なんちゃってね。
(テーマ音楽)秋田県大潟村。
見渡す限りの田園風景が広がります。
開けた人里が大好きなトビ。
大潟村とその周辺にはたくさん暮らしています。
早速トビの群れを見つけました。
(鳴き声)気持ちよさそう。
翼を広げると1.6メートルもあります。
随分いっぱい集まっていますが何かあるんでしょうか。
用水路にたまったゴミを集めた場所で魚やカエルの死骸などを食べていたんです。
他にも鳥や昆虫などトビはいろいろ食べるんですよ。
大体食べ尽くしたところで1羽が飛び立ちました。
追いかけてみましょう。
輪を描くようにしてぐんぐん上昇していきます。
みるみるうちに数百メートル上空まで上がってしまいました。
地上から見る姿はもう豆粒ほどです。
この時の飛び方にご注目。
翼を広げたまま羽ばたいていませんよね。
それなのにどうして上昇できるんでしょう?草地や畑など開けた場所では太陽の熱で地面が暖められます。
すると地表近くの空気も温度が上がって軽くなり上に向かう流れが生まれます。
上昇気流です。
トビは輪を描くように飛びながらこの上昇気流をとらえ羽ばたかずに上がっていくんです。
まさに歌に歌われた・「とんびがくるりと輪を描いた」という飛び方です。
トビと同じように上昇気流を使って飛ぶのがパラグライダーです。
パラグライダーのパイロットにとってトビは大切な目印なんだそうです。
へ〜そうなんですか。
では空で出会うトビってどんなふうに見えるんでしょうか。
小野寺さんに撮影してもらいました。
あっ!前方にトビを発見。
山の斜面の近くを飛んでいます。
山にぶつかった風が上に抜けるため斜面もまた上昇気流ができやすい場所です。
だからトビは羽ばたかずに飛んでいられるんです。
翼を大きく広げ目には見えない上昇気流を巧みにとらえるトビ。
尾羽を左右に少しねじってかじを取ります。
体力をあまり使わずに大空を飛び回るトビは飛行の達人なんです。
飛んでいるトビを見ているといつも下を向いてキョロキョロしています。
食べ物を探しているんです。
池の上にやって来ました。
何か見つけたようです。
水面をかすめて魚をとりました。
こちらでもまた魚です。
この時トビは決して体を水につけません。
大事な翼をぬらしたくないんでしょうか。
翼を畳んで急降下。
水面ギリギリで翼を開くと脚を伸ばして魚をキャッチ。
ぬれないために水に浮いた魚を専門に探しているようです。
そんなトビは目も良くて明るい日中なら60メートルの高さから5センチの魚を見つけ出すことだってできるんだそうです。
これは飛んでいるトビと同じぐらいの高さから撮影した映像。
ここに魚が浮いているのが分かりますか?こんなに小さな魚でも簡単に見つけちゃうんです。
スゴ〜いトビの実力。
まずは優れた飛行能力と視力です。
今度は大潟村のすぐ隣潟上市の漁港にやって来ました。
ここにもたくさんのトビが集まっています。
何をしているんでしょう?近くの広場では漁師さんが網の手入れをしています。
網に引っ掛かった魚を外しています。
あっ魚を投げています。
売り物にならない魚です。
その魚を…トビがとりました。
トビは漁師さんの動きをちゃんと見ていて網の手入れが始まると必ずこうしてやって来るそうです。
その様子をカラスが見ています。
食べ物やすむ場所が重なるためトビにとって宿命のライバルです。
カラスがトビを追いかけ始めました。
トビがつかんでいる魚を奪おうとしているんです。
しつこく迫るカラス。
なんとか振り切ることができました。
でもトビだって追いかけられるばかりではありません。
カラスから魚をかすめ取ります。
突然の出来事にカラスはあぜんとしているようです。
こんなふうに宿命のライバルトビとカラスの間では食べ物をめぐる争いが絶えません。
こちら牧草地では人の営みを更に巧みに利用するトビの行動が見られます。
トラクターで牛に与えるための牧草を刈り取っていると…。
たくさんのトビが集まってきました。
そして草を刈った場所めがけて次々とダイブ!何かを捕まえたようです。
とっていたのはネズミやカエル。
草が刈られて丸見えです。
農家の方の行動を利用した頭脳的な狩り。
トビは本当に賢いですね〜。
スゴ〜いトビの実力。
もう一つは人の営みを巧みに利用する賢さでした。
第2章はトビの子育てに密着。
そこに宿命のライバルカラスがやって来ます。
またしてもバトルが勃発。
一体どうなるんでしょう?こちらは視聴者が撮影した映像です。
パンを食べているのは玉舎佑都くん。
おいしそうですね。
このあとパンにご注目。
あれ!パンが消えちゃいました。
トビが盗んだんです!あ〜あ泣いちゃいました。
撮影場所は神奈川県湘南の海。
ここではトビによる被害が続出しています。
こんな看板で注意を促していますが被害は後を絶ちません。
トビは自慢の飛行能力で人の食べ物を取っていくんです。
ちょっと待った!あらヒゲじい。
今日は珍しいところでの登場ですね。
はい。
あんまり腹が立ったんで来ちゃいましたよ。
トビの飛行能力がスゴいのは分かるんですが泥棒は駄目でしょ泥棒は。
そうですね。
でもねもともとは私たち人間のほうに原因があるんです。
餌を与えたり食べ残しを捨てたりしたことがきっかけで賢いトビは人の食べ物を奪うことを覚えてしまったんです。
あそうなの?でもトビにお弁当を持っていかれるのは困りますよね。
はい。
そこでトビの研究者に被害を防ぐ方法を聞いてきました。
お〜!知りたい知りたい。
まずトビはほとんどの場合人の後ろから襲ってきます。
あそうなんだ。
はい。
だから壁を背負って食事をすればトビは襲うことができません。
更に傘などで食べ物を隠すことも効果的な防衛方法です。
なるほどなるほど。
私たちのすぐそばで暮らすトビ。
私たちがほんの少し注意すればもっとうまくつきあっていけるかもしれませんね。
いや〜まったくです。
ヒトが「トビっと」注意すればヒトとトビの関係はヒトットビで解決…なんちゃってね。
トビさんお手柔らかにお願いしますぞ。
再び秋田県大潟村です。
4月でも朝の気温は氷点下にまで下がります。
トビがいました。
気温が低く上昇気流が発生しにくい午前中。
こうして羽ばたくところをよく見かけます。
あ木の上に巣があります。
4月はトビの繁殖期。
ペアごとに分かれて巣を作ります。
今年私たちが大潟村で見つけた巣は全部で56個。
南側にあるこの巣を観察することにしました。
親鳥は既に卵を温め始めています。
そこにライバルのカラスがやって来ました。
巣のすぐそばにまで。
卵を狙っているんでしょうか。
しつこく近づくカラス。
親鳥は必死で威嚇します。
巣の近くにまた別のカラスがやって来ました。
それに気付いた親鳥。
強烈なアタック!でもどうしてここには次から次へとカラスが来るんでしょう?実は巣から100メートルほどの所にカラスのねぐらがあったんです。
だから親鳥が食事をしていても…。
すぐにカラスが集まってきて食べ物を奪い取ろうとします。
尾羽を引っ張って嫌がらせ。
これはたまりません。
親鳥とカラスの間ではこうした争いがずっと続きました。
そしてこの巣の卵がかえることはありませんでした。
落ち着いて温められなかったせいかもしれません。
私たちはまた別の巣を観察することにしました。
今度は村の北側です。
おや?何か動きましたよ。
ヒナです。
もう生まれていたんです。
生後1週間ほどでしょうか。
羽毛がフワフワでかわいいですね。
ヒナは全部で2羽。
お母さんが付き添っています。
お父さんが戻ってきました。
お母さんに食べ物を渡すとまたすぐに食べ物探しに出かけます。
お父さんが持ってきたのはカエルのようです。
お母さんはちぎってヒナに与えます。
ヒナに付き添って面倒を見るお母さん。
ヒナのために一日中食べ物を探すお父さん。
トビは夫婦で協力しながら大事なヒナを守り育てていくんです。
ヒナがかえってから1か月がたちました。
見違えるほど成長したヒナ。
白かった羽毛は茶色に生え替わり翼も立派になりました。
大きな魚を自分でついばんでいます。
食欲旺盛です。
もうお父さんが持ってくる食べ物だけでは足りません。
こうなるとお母さんも食べ物探しに出るようになります。
あっ牧草の刈り取りが始まりました。
獲物をとるチャンスです。
ネズミやカエルを狙って集まるトビたち。
トビ同士で食べ物の奪い合いが始まりました。
1羽がとった獲物を狙って他のトビが体当たり。
特に子育て中の親鳥たちはヒナに食べ物を持ち帰らなければならないので必死です。
闘いの相手は同じトビだけではありません。
そう宿命のライバルカラスです。
食べ物を持ったカラスを追いかけています。
この瞬間!追い詰められたカラスが食べ物を落としました。
それをトビがキャッチ。
観察している巣でも親鳥が食べ物を持ち帰りました。
両親の頑張りでヒナたちは順調に成長しています。
ふ化から50日が過ぎるころヒナは巣を出て近くの枝の上で羽ばたくようになりました。
この巣を離れる時も近いようです。
数日後。
この日もヒナは巣の近くの枝に止まっています。
そして…。
飛びました!初めての空。
別の木に止まろうとしますがおっと危ない!何とか無事のようです。
もう一羽も巣から離れようと枝を伝って登っていきます。
でも隣の木のてっぺんまで来て固まってしまいました。
まだ飛ぶのが怖いんでしょうか。
すると親鳥が食べ物を持ってやって来ました。
でも与えずにすぐ離れます。
「さあ飛んできなさい」。
我が子を促しているんです。
翼を広げ風に乗るしぐさを見せる子ども。
しかしなかなか決心がつかないようです。
「ほら頑張って」。
親鳥は誘い続けます。
飛び立ちました!あっもう一羽の子どもと同じ所に止まろうとしますがさすがにこれは無理。
不運なことに向かった先はカラスの縄張りでした。
まだうまく飛べない子どもにカラスの攻撃をかわす手だてはありません。
どうにか電線に止まった子どもに対しカラスは容赦なく攻撃を続けます。
あっ!突き飛ばされました。
必死に逃げる子ども。
少し離れた電柱に止まりました。
ようやくカラスから逃れることができたようです。
親鳥が来てくれました。
もうしばらくは親鳥と暮らし生きるすべを学んでいきます。
(鳴き声)ヒナが巣立ってから2か月。
トビの群れに出会いました。
今年生まれの若鳥も交ざっています。
親鳥から離れ独り立ちした若鳥。
翼でしっかり風をつかんでいます。
あっ何かとりました。
枝でしょうか?こうした練習を積み重ね次第に食べ物をとる技も上達していきます。
大空を自由に舞うトビ。
その飛行能力と賢さでこれからも大繁栄を続けていくことでしょう。
慶長5年7月。
2014/11/30(日) 19:30〜20:00
NHK総合1・神戸
ダーウィンが来た!「本当はスゴい!トビの実力」[字]
「トビがタカを生む」のことわざで知られるトビ。取るに足らない鳥だと思ったら大間違い!高い飛行能力や狩りの技、さらに賢さをあわせ持ち日本各地で大繁栄!実力に迫る。
詳細情報
番組内容
「トビがタカを生む」のことわざで知られるトビ。タカの仲間にもかかわらず、他のタカに比べて劣っているように思われがち。でもそれは大間違い!はばたかずに空高く舞い上がる卓越した飛行能力。急降下して小魚を捕らえる狩りのワザ。さらに人の営みを利用する賢さ。こうした能力をフルに使い、日本各地で大繁栄を遂げている。番組では子育てにも密着。宿命のライバル、カラスとの激闘をとらえた!トビの実力に迫る!歌:平原綾香
出演者
【語り】近田雄一,龍田直樹,豊嶋真千子
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:17330(0x43B2)