人は人の支えで育ってゆく
モンゴルの大草原に遊牧民の子として生まれた青年は日本に渡り出会いの中で成長を続けている
大相撲九州場所湊部屋
逸ノ城駿21歳
本名アルタンホヤグ・イチンノロブ
この日で入門からちょうど1年が経った
(湊)ちょうど28日だったかな俺がお前んとこ行って
(逸ノ城)はい
(湊)うちの嫁さん覚えてたよすごいよお前これうわっ!
(湊)ほら
記念日のケーキは似顔絵付き
(湊)ホントだよなホント似てるこれ
(湊)切るのもったいないな
(湊)うまそうこれ半分ぐらいにしとこうよ
未来の横綱そう思わせた九月場所
はっけよい残った残った
逸ノ城は桁違いの破壊力で上位陣を撃破していく
初土俵からわずか5場所目
ざんばら髪での快進撃にファンは沸いた
メディアはいつでもニューヒーローの誕生を歓迎する
こぞって取り上げた
付いた呼び名は…
負け越し知らずの出世道
(観客)逸ノ城!
顔と名前が一躍世に知れ渡った
192cm199kgの大きな体
しかし…
声は小さい
実は控えめでおとなしい性格
だからだったのかもしれない
10月半ばストレスが原因と見られる帯状疱疹を発病し1週間の緊急入院
退院から2日後
逸ノ城は部屋の女将と共に福岡に降り立った
密着取材はこの日が初日
こわごわカメラを向けていると…
優しい笑顔
真価を問われる九州場所へ
宿舎に向かう
(スタッフ)届きますか?
(スタッフ)届いた
(スタッフ)苦しいですねだいぶ
(スタッフ)こんな人気になって大騒ぎになって…って想像してました?
(スタッフ)全然してなかった?
(スタッフ)声小さいですよね
(スタッフ)モンゴル語でしゃべる時も小さいの?
(スタッフ)自分でも声小さいなと思ってるんだ
(スタッフ)今どこ行っても「逸ノ城逸ノ城」でしょいやうれしい…
遊牧民から出た初めての関取は純で素朴で…
道中昼食
と…
実は減量中だという
湊部屋の宿舎に着いた
ここが九州場所の拠点
1年前にも来たが入門したばかりで右も左も分からなかった
去年二十歳で入門
坊主頭だった
相撲界では関取と呼ばれる十両以上に昇進すると一人前と見なされ個室がもらえるしきたりがある
ここが用意された個室スペース
壁はないがカーテンで仕切りを作るという
女将の配慮で布団も上質のものに変わった
(真さん)どういたしまして
師匠の湊親方は前頭二枚目
4年前に湊部屋を継いだ
(真さん)残ってるよだから言ったじゃん
(真さん)すごいねびちょびちょ汗お拭きします
現役の医師でもある女将
帯状疱疹に真っ先に気付いたのも女将だった
まぁでも大丈夫じゃない?
あと2週間で場所が始まる
翌朝6時
番付が発表された
逸ノ城は関脇に昇進
戦後最速というスピード出世だ
この日は注目がもう一つ
逸ノ城がついにまげを結う
ざんばら髪とのお別れを前に記念撮影
うれしい?
傍らに200kgまで量れる体重計があった
乗ってみると…
(力士たち)お〜!アハハハ…
なんと200kg超え
ちょっと太り過ぎてしまった
(力士)行ってらっしゃい行ってきます
70人以上の報道陣に囲まれてまげは結われた
(カメラのシャッター音)
(スタッフ)お〜いいじゃない
稽古が始まった
この日は突き押しを磨く
本来は上手を取ってからの四つ相撲が得意だが突き押しがあれば更に幅が広がる
モンゴルの家族を訪ねた
移動を繰り返す遊牧民
500頭以上の羊やヤギなどを飼っている
自然に寄り添った昔ながらの暮らし
子供も働く
銅像があった
逸ノ城の5代前の先祖でモンゴル相撲の有名な横綱だったという
少年時代の話を聞いた
3人きょうだいの長男
日本に行かなかったら家業を継いでいたかもしれない
転機は15歳
日本の高校にスカウトされた
角界に幾多の人材を排出している…
相撲部の石浦監督は定期的にモンゴルに赴き見どころのある若者を探している
逸ノ城との出会いは6年前のことだった
モンゴルの草原とはまるで違う毎日
右まわし取って頭をつけろ!
逸ノ城は厳しさに耐えた
最初に覚えた日本語は…
1回ぐらいありました
今大相撲には外国人枠があり1部屋に1人と決められている
高校を出て実業団に進み実業団横綱になった逸ノ城は親身になって熱心に誘ってくれた湊部屋を選び入門した
初日まであと1週間
苦手にしている立ち合いを稽古する
立ち合いは今最大の課題だ
相撲は苦しみが出世の道を作る
その後若手に胸を貸した
はい脇締めろ
稽古を終えた
表情が冴えない
(取材者)食べれなかったの?うん
調子が上がらず食欲もないという
当初予定していた出稽古は見送り回復を待つことにした
読んでいたのはモンゴルの新聞
ふるさとからの期待は大きい
頑張りましょう大丈夫ですよ
(スタッフ)いつもと違う?
(宇山さん)そうですね…
女将に連れられ外出した
やって来たのは福岡市内の観光牧場
気分転換をさせてあげたいという女将の親心だった
(牧場スタッフ)はいこの子おとなしいんでこれですか?これは…本当
異国出身の若者に何をしてあげるのが正解なのか
女将も迷っていたに違いない
だが部屋に帰ってから逸ノ城は女将に言ったという
ソフトクリームおいしかったです
神社での必勝祈願
部屋の全員が参加した
湊部屋は力士6人の小さな相撲部屋
幕内力士は逸ノ城一人しかいない
だがだから夢がある
自分が活躍して部屋をもっと大きくしたい
後援会の人たちとちゃんこを囲む
どうやら食欲は回復した様子
そうなんですか?一緒やねん
怪物に笑顔が戻った
初日が来た
一変した顔つき
新関脇の責任は平幕とは比べ物にならない
出陣前モンゴル風のギョーザで腹ごしらえ
緊張感をたたえたまま無言で部屋を後にした
九州場所初日は17年ぶりの大入り満員
逸ノ城は休場明けの横綱・日馬富士と当たった
はっけよい残った残った
課題の立ち合い
敗因はそこにあった
立ち遅れた逸ノ城
横綱の勢いにのまれたまま土俵を割った
(湊)あ〜引き込んだ
相撲の怖さ
弱点を見事に突かれた
それはもちろん…
新関脇の初日が終わった
失礼しますありがとうございますはいはいはいはいはいありがとうございました失礼します
入門から1年
師匠と弟子の真剣勝負は続く
14日目勝ち越しを懸けた一番
相手は大関・稀勢の里
はっけよい残った残った
巨体ながら素早い反応
昭和の大横綱・九重親方に末恐ろしいと言わしめた
病み上がりの体で8勝7敗
なんとか新関脇の責任を果たした
支え続けた周囲も一息ついた
私ができるのは結局彼を守ってあげることだけなので私たちが盾になってあげないといけない部分って多いと思うので彼にとって私は口うるさくていつも文句ばっかり言ってっていう存在だと思いますけどそれが一番私の役目かなっていうふうには思ってます
翌日本人に話を聞いた
(スタッフ)その時はまた取材させてもらえますか?
いつか大銀杏の似合う横綱に
優しい怪物はこれからもっと強くなる
このあとは…
涙ぐましい役作りを見届けた
2014/11/30(日) 23:00〜23:30
MBS毎日放送
情熱大陸[字]【逸ノ城/相撲人気を持ち上げる入門一年の“怪物”新関脇に密着】
関脇/逸ノ城▽多くの取材陣が注目した番付発表・初まげ結いの裏側や、重圧と緊張が彼に襲い掛かり帯状疱疹のため入院した後間もない11月の九州場所に向かう姿を追った。
詳細情報
番組内容
横綱・白鵬の優勝記録更新や遠藤フィーバーなどと共に、ここ数場所の相撲人気復活を支えているのが入門一年の新関脇・逸ノ城だ。今年の初場所に初土俵を踏んだ彼は驚異的なスピードで登りつめ、その実力と192cm200kgという大きな体から“怪物”と呼ばれる。しかし“怪物”も連日の報道やすごい人気ぶりに、重圧が襲い掛かり入院、秋巡業は休場した。番付発表・初まげ結いの裏側や、退院後間もない九州場所の姿を追った。
出演者
【プロフィール】
逸ノ城
関脇。1993年生まれ。
モンゴル・アルハンガイ県で生まれ、2010年に鳥取城北高校に相撲留学をし、昨年九州場所で湊部屋に入門、今年初場所にて初土俵を踏む。夏場所で新十両でありがなら十両優勝。幕下付け出しから所要4場所での新入幕は史上2位タイ。九州場所の番付で関脇昇進。最速初金星、最速三賞受賞、新入幕2日連続大関戦勝利など数々のスピード記録を達成。嫌い食べ物はカレー。
制作
【製作著作】MBS(毎日放送)
【制作協力】AZUSA
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