ダーウィンが来た!「謎の巨大ザメ 追跡大作戦!」 2014.12.21


この海に漁師さんを恐れさせる謎の巨大生物が現れるといいます。
その名は「トンガー」「跳ぶ者」という意味です。
夜小舟で漁に出ていた時。
水中から飛び出したトンガーが舟にぶつかって転覆。
漁師さんがケガをすることもあったといいます。
トンガーの正体だと考えられるのはウバザメ。
全長10メートルにもなる絶滅危惧種の巨大ザメです。
世界に広く分布しているものの数が少なくめったに遭遇できません。
謎だらけのサメなんです。
そこで!最もよく見られる場所の一つアメリカ東海岸で徹底追跡!空から!そして水中で!謎多き暮らしに迫りました。
更に新開発のカメラをサメに装着。
すると知られざる狩りの姿やユニークな行動が明らかになってきました。
謎の巨大ザメ大追跡が始まります。

(テーマ音楽)ウバザメがよく見られるというのはアメリカマサチューセッツ州のケープコッド周辺。
世界有数の漁場として知られています。
冷たい北の海も表面の温度は20度くらいにまで上がります。
人々は短い夏を楽しんでいました。
同じころこの沖合にどこからともなく謎の巨大ザメウバザメが姿を現すんだそうです。
早速ウバザメ探しに出発!目撃例の多い20キロほど沖を目指します。
案内してくれたのは船長のトレッドウェルさん。
最近まで漁師をしていてこの辺りの海を知り尽くしています。
スタッフ総出で海面に目を凝らしサメの背ビレを探します。
何かいます。
あっ背ビレ!でも残念。
ナガスクジラでした。
全長20メートルを超す世界で2番目に大きなクジラです。
今度は…ミンククジラでした。
全長7メートルほどの小型のクジラです。
跳ぶのはトンガー?いえザトウクジラでした。
夏この海域にはさまざまなクジラがたくさん集まってきます。
急激に増える動物プランクトンや小魚を食べるためです。
そしてウバザメもまた大量の動物プランクトンを目当てにやってくると考えられています。
ウバザメ探しは続きます。
船長が何かを見つけました。
サメの背ビレのようです。
こちらに向かってきます。
映画「ジョーズ」のような一コマ。
背ビレから尾ビレの長さを見るとかなり大きいサメのようです。
(スタッフ)間違いない!ついに見つけました!ウバザメはゆっくりと泳いでいます。
大きさは10メートルほど。
とがった鼻先背ビレと胸ビレが大きいのが特徴です。
英語では「Baskingshark」「ひなたぼっこするサメ」と呼ばれています。
名前のとおり本当にのんびりしていますね。
(スタッフ)いける!いけるいける!潜水撮影をする絶好のチャンス。
大急ぎで準備します。
正面!正面!ぶつかる…あ〜反対。
ウバザメはいきなり目の前でした。
間近で見るととがった鼻先と大きな胸ビレがいっそう目立ちます。
あっ方向転換。
カメラマンが気になったんでしょうか。
近づこうと必死で追いかけます。
でも残念。
サメはあっという間に泳ぎ去ってしまいました。
そしてこれ以降ウバザメに出会えない日々が続きました。
そこで作戦変更。
こちらのブリーンさんに協力してもらうことにしました。
キャリア40年。
ベテランの飛行機乗りです。
そう今度は空からウバザメを探す作戦です。
空からなら背ビレを水面に出していなくてもウバザメを見つけられるといいます。
ブリーンさんはこのやり方でマグロやカジキなどを探し出し漁業や調査を手伝ってきました。
ウバザメを見つけたら無線で居場所を伝えてもらい取材班が船で急行します。
効果は抜群。
早速見つけてくれました。
とがった鼻先と大きな胸ビレ。
ウバザメに間違いありません。
追跡開始です!ウバザメが移動しても飛行機と連絡を取り合えば見失うことはありません。
ここからは小回りの利くゴムボートに乗り換えます。
ウバザメの姿は見えませんが飛行機からの指示に従い接近を試みます。
近づくと驚かせないようなるべく静かに海に入りました。
ウバザメはボートのすぐ近くを泳いでいます。
(スタッフ)うわ〜でかい!大きい!ヒュージ。
(スタッフ)脅かさないで。
こっち頭。
目の前に来ました。
やっぱりのんびりと泳いでいます。
水にさし込む日ざしを体いっぱいに受けています。
気持ちよさそう。
まさに「ひなたぼっこするサメ」ですね。
このウバザメは全長8メートルほど。
とがった顔つきは人食いザメのようですが鋭い歯は見当たりません。
プランクトンを専門に食べるため発達していないそうです。
頭の後ろを見て下さい。
並んだ5本の線はエラ孔。
左右5対あってほぼ頭を1周しています。
狩りの時に役立つといいます。
こちらは別の場所で撮影された狩りの姿。
口を大きく開け大量の海水を取り込みエラ孔から流し出します。
この時海水中の動物プランクトンをエラでこし取っていくんです。
口を開けて泳ぐと大きな水の抵抗を受けます。
だから体をくねらせ尾ビレを力強く振っています。
ウバザメはこうして水面近くで狩りをするといいます。
この大きな尾ビレなら力強く水をかくのに最適に違いありません。
そして水面に飛び出るような背ビレ。
大きな胸ビレと腹ビレ。
しっかりと張り出して泳ぐ時の姿勢を安定させているようです。
おや?突然体をくねらせ始めました。
狩りを始めるつもりでしょうか。
大きく口を開ける瞬間を見逃すまいと正面に回り込みますが口は閉じたまま。
狩りの一部始終を観察できる願ってもないチャンスなのに…。
ウバザメは尾ビレを大きく振ってあっという間にスピードアップ。
その速度にカメラマンは全くついていけません。
吐いた泡が真後ろに流されていくのはスピードの速い証拠。
あ〜ウバザメは深みへと姿を消してしまいました。
それからも1か月余り追跡を続けましたが観察できるのはひなたぼっこをするように泳いでいるところだけ。
何も食べないで大丈夫なんでしょうか?そもそもこの海域にやってきたのは何のためなんでしょう?謎は深まります。
第2章では最新のカメラをウバザメに装着。
この海域に来た目的がついに明らかになります。
それは意外な食事の姿でした。
先ほどご覧いただいたウバザメの狩り。
カメラマンを素早く振り切った時と違ってゆっくりと泳いでいます。
優雅ですね〜。
ちょっと待った!あらヒゲじいお久しぶりです。
よろしく。
ウフッ。
ウフッて調子狂っちゃう。
(せきばらい)ウッウン!どうしてウバザメはこんなにゆっくり泳いでいるんですか?素早く泳いだほうがたくさん食べられるでしょうに。
ブー!その逆。
ゆっくりのほうがいいんです。
はぁ?どどういうこと?では実物大の模型で実験。
「コイのぼり」を改造した「ウバザメのぼり」です。
アハハこりゃ大がかりだ。
口の部分には網が入っています。
泳ぐ速さによって入るプランクトンの量がどれくらい違うのか調べたんです。
あなるほど。
狩りの時のゆっくり泳ぎとカメラマンを振り切った素早い泳ぎをまねて2とおりの速度で5分間引いてみました。
その結果がこちら。
ほうどれどれ。
色が濃いほうがプランクトンの量が多いということ。
ほらゆっくり泳ぎのほうがたくさんとれました。
ホントだ!でもどうして?速く泳ぐと多くの水が口に入ろうとする一方で水が抜けていかなくなります。
いわば目詰まりのような状態です。
すると水は口の外へ流れ出てしまうんです。
ほう。
計算によると最も効率の良い速度は時速3キロほど。
これこそがウバザメの狩りの時の速度なんだそうです。
へえ〜計算してるわけじゃないでしょうに大したもんですなぁ。
驚くのはまだ早いですよ。
実はとがった鼻先にも秘訣があったんです。
えそうなの?どどんな秘訣?再び実験。
ウバザメのとがった鼻先をまねた板を「ウバザメのぼり」に装着します。
そして再びゆっくり泳ぎで5分間引いてみました。
ふむふむ。
するととれたプランクトンの量は…。
鼻がない時に比べてはっきりと増えていたんです。
お〜!確かに色が濃いですな。
とがった鼻先は水が頭の上を抜けていかないための蓋のような役割をしているのではないかと研究者は推測しています。
ほう!個性的な顔を生かしながらあえてゆっくりと泳ぐウバザメ。
余裕しゃくシャークな姿にすんごいワザが隠されていたんですな。
お見事…うわ〜のみ込まないで〜!アメリカ東海岸ケープコッド沖のウバザメ。
狩りをするわけでもなくただひなたぼっこをするようにのんびりと泳いでいます。
この海域に現れる目的は何なのでしょうか?その謎を探るため強力な助っ人に加わってもらいました。
サメ研究の第一人者スコマル博士とマクガバンさんです。
こちらはウバザメ用に開発された最新の特殊カメラ。
映像だけでなく水温や水深なども記録できるすぐれものです。
このカメラをワイヤーを使ってウバザメの背中に取り付け一日中観察しようというんです。
つなぎ目には海水につかると24時間で溶ける金属が使われています。
自動的にカメラが切り離され回収できる仕組みです。
世界初となる今回の試み。
うまくいくんでしょうか。
カメラはウバザメの体に最も負担の少ない背ビレの付け根あたりに取り付けます。
揺れるボートの上から狙いを定めて…。
今です!成功したようです。
ここ。
背ビレと尾ビレの間に黄色いカメラが見えます。
一体どんな暮らしぶりが記録されるんでしょうか。
翌日。
カメラは無事に回収できました。
(スタッフ)イエ〜イ!よかった。
世界初。
ウバザメがいわばカメラマンとなって自分自身を撮影した貴重な映像。
この大きなヒレは背ビレ。
頭は画面の奥側です。
下を向いてどんどん深く潜っているようです。
あっ鼻先が見えました。
何を目的に潜っていたのか。
映像と共に得られたデータから大発見がありました。
ウバザメの行動をまとめたグラフ。
縦軸が水深横軸が時刻です。
この部分にご注目。
水深150メートル水温5度。
ウバザメは冷たい深場に2時間以上もいたんです。
その時の映像がこちら!深場の水温の変わり目には動物プランクトンが多く集まる場所があります。
ウバザメは体をくねらせながら尾ビレを力強く振っています。
大きな水の抵抗を受けながら泳いでいるようです。
思い出して下さい。
水面で狩りをする時の泳ぎ方と同じです。
このことからスコマル博士は深場にプランクトンの群れを見つけ出したウバザメが狩りをしていると推測しました。
深場での狩りと水面でのゆったりした泳ぎ。
ウバザメの行動パターンが見えてきました。
水温5度の冷たい深場で狩りをした後一気に浮上。
水温20度の温かな水面でのんびり休息しながら冷えきった体を温めているのではないかとスコマル博士は考えています。
更にカメラはウバザメの意外な姿を捉えていました。
ウバザメの皮膚はいわゆる「サメ肌」。
ウロコ1枚1枚が鋭いトゲ状になっていてまるでヤスリのようです。
全く敵を寄せつけないかと思いきや…。
ヤツメウナギはサメなどにくっついて生きる寄生生物。
鋭い歯が並んだ吸盤状の口で吸い付き皮膚を削って食べたり血を吸ったりします。
サメにとっては大量出血や感染症の原因にもなるやっかい者。
皮膚には襲われた部分が白い傷となってたくさん残っていました。
思いもよらない映像が記録されていたのはその直後でした。
こちらがその映像。
ウバザメが明るい水面へと浮上していきます。
突然くるくると回転を始めました。
一体何が起きたんでしょう?スローモーションで見てみます。
サメは体を回転させながら勢いをつけて浮上。
そしてこの瞬間!空中へと飛び出し更に体を水面に打ちつけていたんです。
スコマル博士はヤツメウナギを振り落とすための行動ではないかと考えています。
久米島の海に生息する謎の巨大生物トンガーもこんな事情でジャンプしたウバザメなのかもしれませんね。
謎だらけだったウバザメの暮らし。
冷たい深場での狩りや寄生生物から身を守る行動など懸命に生きる姿がほんの少し見えてきました。
更に追跡を続けていたある日。
ウバザメの不思議な行動を目撃しました。
(スタッフ)なんか船に近づいてきてるね。
ウバザメが自分から近づいてきたんです。
そして小型ゴムボートに寄り添うようにゆっくりと泳いでいます。
どうやらボートに興味があるようです。
10分ほど近くを泳いだ後深みへと姿を消しました。
一体何だったんでしょう?この後別のウバザメでも同じような行動が見られました。
(スタッフ)いたいた。
正面30メーター。
水面に見えるウバザメの背ビレ。
しばらくすると…。
(スタッフ)あ来た来た。
下。
またしても自分からボートに近づいてきたんです。
(スタッフ)でけ〜!わ〜お!何度もボートの下を回っています。
この行動繁殖と深い関係があるのではないかといいます。
こちらは同じ時期に撮影されたウバザメの群れ。
寄り添っています。
ふだんは単独で見かけることの多いウバザメ。
繁殖相手を探すために集まったと推測されています。
水中から見るとボートのシルエットが繁殖相手に見えるのかもしれません。
観察を続けているとウバザメは入れ代わり立ち代わりボートの近くに寄ってきました。
集まってくるウバザメにはオスもメスもいます。
更により積極的な行動も目にしました。
白く見える部分は口です。
半分ほど開いているようです。
一般的なサメの求愛行動の一つにオスがメスのヒレにかみつく行動があります。
このウバザメはボートをメスと思い込みかみつこうとしているのかもしれません。
本格的な繁殖時期はこれからだといいます。
謎に包まれた行動の一端をかいま見ることができました。
スコマル博士の最新調査によればケープコッド沖のウバザメは秋になると南へ向かいます。
そして冬にはカリブ海や南米周辺にまで行くことが明らかになってきました。
寒さを避けプランクトンを追いながら地球規模の大回遊をしているのです。
そして移動先の深海で人知れず子孫を残しているのではないかと推測されています。
大海原を縦横無尽に泳ぎ回る巨大なウバザメ。
今生息環境の悪化などで絶滅が危惧されています。
そのユニークな生き方がいつまでも続くよう願わずにはいられません。
慶長5年9月。
如水率いる9,000の黒田軍は豊後で西軍を次々と撃破した。
2014/12/21(日) 19:30〜20:00
NHK総合1・神戸
ダーウィンが来た!「謎の巨大ザメ 追跡大作戦!」[字]

全長10mの巨大なウバザメ。絶滅危惧種に指定され、めったに姿を見ることがない。アメリカ東海岸を舞台に空から大捜索!新開発の装着型カメラも駆使し、謎の素顔に迫る。

詳細情報
番組内容
全長10メートルの巨大なウバザメ。ジンベエザメに次いで世界で2番目に大きな魚。しかし数は少なく絶滅危惧種に指定されている。そのため生態は謎に包まれている。今回アメリカ東海岸を舞台に空から大捜索!さらに新開発の装着型カメラも駆使し、大追跡を敢行した。海面での「ひなたぼっこ」するような泳ぎや、深海での狩りなど、明らかになった驚きの行動の数々。そして大海原を生きるウバザメの秘策が見えてきた!歌:平原綾香
出演者
【語り】近田雄一,龍田直樹,豊嶋真千子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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