(ヒロシ)んっ?おい母さん熱かんつけてくれ。
(すみれ)駄目よ。
今夜はうちが火の用心の当番なんだから。
えっこの寒空に夜回りかよ。
ハァ…。
なあお姉ちゃん一緒に行かねえか?
(さきこ)やだ寒いもん。
(ヒロシ)じゃあまる子。
(まる子)あたしだってやだよ。
(ヒロシ)ハァ…。
まる子ご飯済んだら勉強しなさいよ。
来週テストがあるんでしょ?げっ…。
うん。
《どうしようかな寒いのは嫌だし勉強もしたくないし》
(拍子木の音)火の用心。
(ヒロシ)マッチ一本火事の元。
ううっ…。
寒い寒い寒い寒い…。
うるせえな。
余計寒くなるだろ。
だって寒いんだもん!そもそも何でこんなことしなきゃいけないのさ。
そりゃあこうして拍子木鳴らして声を掛けりゃみんなが火の元に気を付けるだろ。
冬は火事が増えるからな。
ふ〜ん。
ハァ…。
誰も聞いちゃいないじゃん。
あたしゃマッチ売りの少女になった気分だよ。
ねえ終わったことにして帰ろうよ。
俺だって帰りてえよ。
でもんなわけにいかねえだろ。
我慢して歩け。
ぶぅ〜。
あら。
寒い中ご苦労さまです。
あっどうも。
(女性)お嬢ちゃんお父さんのお手伝いして偉いわね。
頑張ってね。
はい!
(拍子木の音)火の用心。
マッチ一本火事の元。
(拍子木の音)火の用心。
(ヒロシ)マッチ一本火事の元。
(ヒロシ)すいません。
気を使わせちゃって。
(佐々木)いえいえちょうどさくらさんとまるちゃんの声が聞こえたものですから。
当番とはいえ寒い中本当にご苦労さまです。
いやいや。
まるちゃんは偉いねえ。
夜回りは寒くて大人だってつらいのに自分から進んでお手伝いするなんて見上げたものです。
エヘヘヘ…。
(佐々木)私もちゃんと火の用心しますね。
うん。
(ヒロシ)火の用心。
マッチ一本火事の元〜。
さ〜てしまいにするか。
結構楽しかったね。
いっぱい褒められたし。
ああ。
ううっ…小便してえな。
お父さんも?実はあたしも〜!さっきのお茶が効いたな。
便所便所…。
おっ!か〜!たまんねえな。
トイレ借りるだけじゃなかったの?しっかり働いたんだ。
一杯くらい飲んだって罰は当たんねえよ。
まる子は何にする?う〜ん…。
えっと卵と昆布。
はいよ。
あと黒はんぺんと大根下さい。
母さんには内緒だぞ。
やぼだね。
そんなことは百も承知だよ。
よく味が染みてるぜ。
うん。
あたしゃおでんのある国に生まれてつくづくよかったよ。
・
(女将)いまさら何言ってんの。
(三郎)でもお母さん俺自信ないよ。
ねえあの人たち親子なのかな?んっ?どうして?今「お母さん」って呼んでたから。
あ〜飲み屋じゃよくあるぜ。
女将さんのこと「お母さん」とか「おふくろさん」とかよ。
ふ〜ん。
大人って面白いね。
・んっ?
(女将)はい居酒屋のんべえです。
あ〜はい。
ちょっと待ってください。
三郎ちゃん。
(三郎)あ〜京子ちゃん?うん分かった。
じゃあ。
(しげちゃん)俺ぁよよし坊と幼なじみで本当によかったと思ってんだ。
(よし坊)俺だって同じさ。
しげちゃんは真の友達さ。
ずいぶん仲がいいねあのおじさんたち。
ああ俺と山ちゃんみたいなもんだな。
(しげちゃん)ここだけの話俺はようよし坊となら毎日朝まで飲んじゃうぜ。
俺もさ。
それに女房には言えねえこともしげちゃんには言っちゃうよ。
ここだけの話…。
(しげちゃん・よし坊)アハハハ…。
あ〜あご機嫌だね。
ありゃあ結構飲んでるな。
・
(戸の開く音)
(女将)いらっしゃ〜い。
(京子)こんばんは。
あの2人いつまで黙ってるんだろう。
かれこれ15分はああしてるな。
ケンカでもしたのかねぇ。
いやありゃプロポーズするつもりだな。
えっ!?見ろ。
あいつ指輪持ってるぜ。
本当だ!京子さんあの…。
(京子)はい。
(まる子・ヒロシ)んっ!
(三郎)あ〜…。
ここのおでんうまいでしょ。
(京子)えっ?ええとっても。
さすが三郎さんお薦めのお店ね。
ハァ…。
もう!じれったいね三郎は!そうだ!ずばっと言っちまえ三郎!
あんたたち三郎の何なのさ
・
(女将のせきばらい)
(女将)ふんっ!京子さん!あっあの俺…。
(よし坊)何だと!?もう一回言ってみろ!しげ!何度でも言ってやらぁぼんくらよし坊!もうせっかくいいところだったのに何やってんのさよし坊もしげちゃんも。
あんたこの人たちの友達か
頭だよ!頭!い〜や。
絶対に尻尾!尻尾だ!まあまあ2人とも落ち着いて。
よ〜し俺が正しいかお前が正しいか聞いてみようじゃねえか。
兄さんたち頭か?尻尾か?えっ…なっ何がですか?
(しげちゃん)たい焼きを食う順番だよ。
どっちだ?えっそんなくだらないことでケンカ?酔っぱらいってそんなもんだぜ。
困ったな。
頭のときもあれば尻尾から食べることもあるし。
じれってえな。
どっちなんだよ!
(三郎)えっ…う〜ん。
頭かい?尻尾かい?
(三郎)う〜ん…。
(しげちゃん)はっきりしろい!私はおなかです!
(よし坊・しげちゃん)えっ!おなか?2つに割っておなかから食べます。
アハハハ…腹だ腹。
そうだ腹から食えばいいんだ。
うん。
さあ飲もう飲もう。
(よし坊)なるほど。
腹から食えばいいんだな。
(しげちゃん)確かにな。
(京子・三郎)ハァ…。
まったく人騒がせだぜ。
お姉さんカッコ良かった〜。
おとなしそうなのに勇気あるよね。
《京子さん…。
よし!俺も勇気を出すぞ》京子さん結婚してください!
(3人)おっ!おっ!よし!よく言った三郎。
だからあんた三郎の何なのさ
はい。
私でよければ。
はっ…。
ハハッ。
おっやったな。
(よし坊)お〜。
うん。
フフッ。
お父さんもあんなふうにプロポーズしたの?お母さんに。
さあどうだったかな。
何て言ったの?ねえ教えてよ。
知らねえよ。
もう忘れちまったぜ。
・
(女性)忘れたとは言わせないよ!大きい声出すなみっともねえ。
何さ甘ったれた声で擦り寄られて鼻の下伸ばしてさ。
何だあっちの話か。
ねえねえありゃ浮気ってやつかね?さっさあな…。
もう憎たらしいったらありゃしない!痛ててて…。
おいやめろって。
(せき)そろそろ帰るか?待ってよまだおでんが残ってる。
(女性)白黒はっきりしてよ!あっ…。
私を取るかあの子を取るか!《まずい!さすがにこれはまずい…》まる子残していいから帰るぞ。
駄目だよ。
出された物は残さず食べなさいってお母さんが。
《この後どうなるか気になるもん》えっ!今あの子の声がした。
あんたここに連れてきてるんじゃないだろうね!?まさか…。
(一同)あっ!みーちゃんついてきちゃ駄目でちょ。
おんもは危ないんだから。
(猫の鳴き声)
(まる子・ヒロシ)ねっ猫…。
ただいま。
(すみれ)ずいぶん遅かったじゃない。
まさかどっかに寄り道してきたんじゃないでしょうね?バッバカ言え。
俺たちは町を守るために3周も夜回りしてきたんだぞ。
それに佐々木のじいさんにお茶もごちそうになったしさ。
あらそうなの?ごめんなさい。
お風呂沸いてるから入って。
その間にお酒用意しておくわね。
あ〜面白かった。
大人の世界って色々あるんだね。
まあな。
うっかりしゃべるなよ。
分かってるって。
あら。
んっ?はあ〜極楽極楽。
(まる子・ヒロシ)んっ?
(ヒロシ)あれ?酒の用意は?あら。
もう飲んできたんじゃないの?えっ!
(すみれ)これどこでもらったのかしら?そっそれは…。
あっ…。
2人とも嘘ついたわね。
(まる子・ヒロシ)ごっごめんなさい…。
マッチ一本火事の元
火の用心の大切さをあらためて知ったまる子と父であった
どのフルーツをキャッチするか当ててね。
よっ!ほっ!フフフ。
正解はバナナ。
当たったかな?
(チャイム)
(山根)・「イルカにのった少年…」山根ご機嫌だね。
何の曲?城みちるの『イルカにのった少年』だよ。
(たまえ)山根城みちるの大ファンだもんね。
(山根)うん。
前にコンサートに行ったときこの曲を歌ってくれたんだ。
(城)《・「イルカにのった少年は」》
(山根)すごく感激してね。
僕にとって思い出の曲さ。
思い出の曲。
さくらや穂波にもないかい?そういう曲。
う〜んあたしゃやっぱり…。
百恵ちゃん?ピンポーン。
・「誰でも一度だけ経験するのよ」・「誘惑の甘い罠」
(たまえ・山根)ハハハハ…。
(ヒロシ)思い出の曲?うん。
お父さんたちにもある?俺ぁやっぱり裕次郎だな。
・「これでおよしよ」・「ローラ君は何故にローラ」秀樹だね。
(友蔵)わしゃ浪曲が好きじゃよ。
・「旅行けば駿河の国茶の香り」ベンベンベンベン。
ノッノリノリだね…。
(すみれ)私も百恵ちゃん好きよ。
一緒だね。
(たまえの母)はい。
これが思い出の曲?
(たまえの母)このオルゴールはね結婚する前お父さんにもらった物なの。
・
(オルゴール)
(たまえ)わぁ〜。
(穂波)お母さんがこの曲好きだって言ってたからね。
へぇ〜!そうなんだ。
懐かしいわね。
(穂波)ああ。
・
(オルゴール)フフフフ。
・
(オルゴール)
翌日
これがお母さんとお父さんの思い出の曲?うん。
・
(オルゴール)うわ〜。
ねっいいでしょ。
フフ。
・
(たまえの母)たまえお茶の準備ができたわよ。
下りてらっしゃい。
(たまえ)は〜い。
まるちゃん行こう。
うん。
たまちゃんそれ持ってくの?うん。
下でお菓子食べながら聴こうよ。
いいねえ。
ウフフフ…。
(たまえ)まるちゃんも気に入った?うん。
うわっ!あっ!たまちゃん!痛たた…。
大丈夫?たまちゃん。
うっうん。
私は…。
あっ!あっあっ…。
あっ…。
もっもしかして壊れちゃったの?・
(たまえの母)どうしたの?
(まる子・たまえ)あっ!おっお母さん…。
ごめんなさいオルゴール壊しちゃったかも。
えっ?
翌日
たまちゃんおはよう。
あっまるちゃんおはよう。
元気ないね。
大丈夫?うん。
(たまえ)《お母さんごめんなさい》《大丈夫よ。
時計屋さんに行って修理してもらうから》《うん…》私今日行ってこようかな。
えっ?1人で?うん。
早い方がいいと思うし。
たまちゃん…。
分かった。
あたしも一緒に行くよ。
まるちゃん。
うん。
・お〜い!たまちゃ〜ん!まるちゃんのおじいちゃん。
まる子から聞いてなわしもついてきたんじゃ。
ごめんなさいわざわざ。
(友蔵)何を言っておるんじゃ。
こんな老いぼれが役に立つならうれしいもんじゃ。
(店主)う〜ん。
(友蔵)どうですか?直りそうですか?部品交換すればたぶん。
(3人)えっ?
(店主)ただうちにはちょっとこの部品はないですね。
そうですか…。
そうじゃ。
駅前の時計屋さんに行ってみよう。
あそこならあるかもしれん。
えっない?ええ。
うちにも残念ながらこの部品は。
そうですか。
あのどこか他にありそうなお店をご存じないですかのう?
(店主)う〜ん。
静岡の時計屋さんなら。
静岡?
(店主)駅前の。
あそこなら店も大きいし何とかなるかもしれませんよ。
(友蔵・まる子)静岡…。
あっあのまるちゃん。
まるちゃんのおじいちゃん。
(友蔵・まる子)んっ?
(たまえ)ありがとうございました。
今日はもう帰ります。
(友蔵・まる子)えっ!いいの?たまちゃん。
うん。
今度お母さんと一緒に行ってくる。
そうかい。
(たまえ)はい。
そう?じゃあねたまちゃん。
うんバイバイ。
バイバイ。
(たまえ)《大丈夫。
あと3つ乗れば静岡》《そしたら駅前の時計屋さんに行って…》キャッ!ごっごめんなさい。
あっ!・はいさくらです。
・
(たまえの母)まるちゃん穂波です。
たまちゃんのお母さん。
どうしたんですか?たまえがまだ帰ってこなくて。
えっ!まるちゃんどこに行ったか知らない?えっ?え〜っと…。
あっ!もしかして…。
・
(たまえの母)たまえ!
(たまえ)あっ。
お母さんどうして?まるちゃんから聞いたのよ。
ごめんなさい遅くなっちゃって。
それからこれも。
(たまえの母)んっ?これもう無理だって。
直すの。
部品が古くてどこにもないだろうって。
ごめんなさい…。
たまえ…。
(すみれ)そう。
たまちゃん1人で静岡に。
かわいそうなことをしたのう。
うん。
でもしょうがないわよ。
わざとじゃないんだしそれに物はいつか壊れるんだから。
うん…。
でも壊れてほしくない物だって…。
・
(ピアノの演奏)あっ。
・
(ピアノの演奏)あっ!
翌日
・たまちゃ〜ん!あっ。
まるちゃん。
昨日はごめんね。
心配かけちゃって。
ううん。
それよりねあのね。
(たまえ)んっ?
数日後
ハァ…。
・
(たまえ)お母さん。
(たまえの母)あっ…。
たまえ。
オルゴールのこと本当にごめんなさい。
いいのよもう。
あのちょっといい?
(たまえの母)んっ?おったまえのコンサートか。
(たまえの母)あらいいわね。
・
(ピアノの演奏)えっ?この曲…。
んっ?あっ…。
・
(ピアノの演奏)《たまちゃんピアノだよピアノ》《ピアノ?》《うん》《この間あの曲がテレビで流れててさそれで思ったんだけどたまちゃんが思い出の曲を覚えてピアノで弾いたらどうかな?》《えっ?》《曲覚えたらいつだってお母さんやお父さんのために弾いてあげられるじゃん》《あっ》・
(ピアノの演奏)懐かしいな。
(たまえの母)ええ。
・
(ピアノの演奏)・
(オルゴール)
思い出のオルゴールは壊れてしまったけれど何だかもっと大切なものを手に入れた気がするたまちゃんとお母さんとお父さんであった
・
(ピアノの演奏)あ〜忙しい。
お楽しみ会でやる劇の練習とか永沢んちに持ってくプレゼントを選ぶとかとにかくやることたくさんあって大変だよ。
でも楽しい楽しいあの日のために頑張らなきゃね。
次回の『ちびまる子ちゃん』は…。
(サザエ)サザエでございます。
・「お魚くわえたドラ猫」2014/12/07(日) 18:00〜18:30
関西テレビ1
ちびまる子ちゃん[字][多][デ]
『まる子、大人の世界をのぞく』の巻
『思い出のオルゴール』の巻
詳細情報
番組内容
あたしゃ見ちゃったよ。おでんを食べたお店で大人の複雑な事情ってヤツをね。この経験がたまちゃんを助ける役に立つかな?今、お父さんとお母さんの事で大ピンチなんだ。
今回のちびまる子ちゃんは『まる子、大人の世界をのぞく』『思い出のオルゴール』の2本だよ。お楽しみにね。
出演者
まる子: TARAKO
おじいちゃん: 島田敏
お父さん: 屋良有作
お母さん: 一龍斎貞友
お姉ちゃん: 水谷優子
スタッフ
【原作】
さくらももこ
【OP曲】
「おどるポンポコリン」
【END曲】
「100万年の幸せ!!」
【脚本】
松島恵利子