BOSS #03 2014.12.03


(キャスター)今月23日都内のマンションの一室で55歳の男性が死亡しているのが見つかった事件で警視庁はことし2月に起きた殺人事件と酷似していることから連続殺人事件の可能性もあるとみて捜査を進めています。
この事件は今月23日都内マンションの一室でこの家に住む会社経営柳川浩一郎さん55歳が刃物のようなもので刺され死亡しているのをこの家を訪ねてきた男性が発見したものです。
この事件について専門家に話を聞きました。
(専門家)この事件は手口からみると連続殺人事件ですね。
そして死の腕と称する者からのメッセージ。
いわば犯行声明…。
(悲鳴)
(カメラマン)はい。
じゃあちょっと厳しい顔で。
はいはい。
いいですよ。
(絵里子)バカじゃないの?
(山村)お疲れさまです。
(花形)ハァー。
(山村)何やってんの?あれ。
(花形)雑誌の取材です。
(片桐)部下と一緒に最前線で働くキャリアってことらしい。
(山村)いや。
働いたことないじゃない。
(幸子)カッコイイ。
(花形)野立さん!?
(幸子)違います。
編集者の佐神公一さん。
(花形)ああ。
有名な編集者なんですよね?
(片桐)有名も有名。
3人の作家に芥川賞を取らせ4つの雑誌を大成功させた。
(幸子)こないだ『熱血大陸』でも取り上げられてました。
(岩井)ええ男やんかいさ。
どやさ。
(カメラマン)もういいですよ。
えっ?もういいの?
(カメラマン)ええ。
それで30ページ持つ?
(カメラマン)ああいや。
あっ。
何なら拳銃撃とうか?44マグナム。
(一同)うわっ!ちょっと。
ちょっと!
(佐神)面白いな。
トップの人があんなふうだから下の人たちも生き生き仕事できるんですね。
あのう。
いい意味でですよ。
ったく。
部下の人たちも面白そうですね。
今度対策室の方たちを取材させてもらえませんか?ええっ!?いやでも…。
お願いします。
面白くなりますよ絶対。
あっ。
ちょっとすいません。
はい。
連続殺人事件?4人目の犠牲者?はい。
社長が殺された!?被害者は蒼井雄介さん35歳。
上場企業の出版社文英館の社長。
死亡推定時刻は昨日の午後5時から6時。
自宅マンション居間で鋭利な刃物によって4カ所刺されて殺害された。
今までは捜査1課が担当してたけどうちも手伝うことになった。
この連続殺人事件これまでに3人が殺されてる。
1人目は45歳の税理士。
2人目は会社経営者。
3人目は開業医。
(片桐)ピッキングしてドアを開け物取りではなく自宅で殺されていること。
現場で見つかった足跡も一致していることからこの3件は同一人物による連続殺人だと思われます。
そしてとうとう4人目が出た。
今のところ被害者同士の接点も見つかってません。
無差別殺人ちゅうことか。
可能性は高い。
(片桐)犯人の遺留品はなし。
唯一の手掛かりが死の腕を名乗る人物が1件目の後犯行声明を新聞社に送りつけた。
(花形)死の腕って…。
ヘンリー・ルーカスって知ってる?『羊たちの沈黙』の。
(幸子)レクター博士のモデルの一人ですよね?そう。
アメリカのシリアルキラー。
彼が一時所属してたとされる殺人組織の名前が死の腕。
もっともこの組織本当にあったかどうかは怪しいけど。
それをまねてるってか。
(片桐)犯人は犯罪マニアの可能性が高いですね。
岩井は犯行声明を洗って。
花形と田所は4人目の犠牲者蒼井さんの殺害現場に。
山村さんは黒原を呼んで犯人の行動パターンを解析してみて。
わたしと片桐は蒼井さんの交友関係を洗う。
はい。
行って。
(一同)了解。
(幸子)うっ…。
(花形)小説ですか?
(幸子)そう。
これ文英館の佐神さんが手掛けたシリーズ。
大好きなの。
(花形)そうですか。
って捜査しましょうよ!
(幸子)わたし嫌なの。
人が死んだとこなんて。
(花形)それが仕事でしょう僕たちの。
あっ血の跡。
あの血痕の幅を測って。
衝突角。
それは血痕の幅を長さで割ったアークサインに等しい。
衝突角が分かればそれを始点までたどることで犯人と被害者との位置関係が分かるから。
あっ了解です。
ってやるの僕だけ!?すごいね。
これだけの資料で次の犯行現場が予測できるんだ。
(理香)カンターの理論。
犯人は家の近くでは犯罪を犯さない。
(理香)ある程度の距離を置く。
そして一度犯行を犯した現場と同じ方向を避ける。
すると犯行現場はこのドーナツ状のエリアに絞られる。
(山村)じゃ…じゃあさあの。
僕が結婚できる確率も予測できるのかな?年齢毛髪容姿その他いろんな諸条件を数字に換算して日本の平均婚姻年齢平均寿命その他の事象をロジスティック回帰分析で解析してみると…。
何%?計算上だと結婚までに3回死ぬことになってます。
社内の様子はどうですか?
(加藤)それはもうすごい騒ぎです。
文英館って名前が出たもんですから問い合わせの電話もばんばんあって。

(佐神)分かってます。
今調整中ですから。
大丈夫です。
絶対載せますから。
心配しないで。
はい。
(佐神)あっ大澤さん。
こないだは。
どうも。
クレームか何かですか?ああ。
何か俺の記事は絶対載るんだろうなって。
あの不安になって電話してきたみたいです。
野立さんが。
あのバカ!何の心配してんだあの人。
聞き込みですか?大変ですね。
われわれにできることは何でもしますよ。
あっそうだ。
皆さん取材は大丈夫ですよね?社長が亡くなったこんなときに…。
いい本を1冊でも多く出すことがわれわれの最大の供養です。
では。
どうも。
(加藤)うちの会社は佐神さんが支えているようなもんですから。
うーん。
(加藤)雑誌から単行本まで手掛けるものは大ヒットしてるんです。
うちはもともと学習雑誌の地味な出版社だったんですけどそれを劇的に変えたのが佐神さん。
このビルも佐神ビルって呼ばれてます。

(山地)加藤。
(山地)あんた特集の校了は?
(加藤)あっ。
これからです。
どうせミスばっかりするんだから早めに出してよね。
チェックするこっちはたまったもんじゃないわ。
(加藤)はい。
すいません。
(山地)やり直し。
(加藤)佐神さんのライバル。
佐神さんと話すだけでにらまれちゃうんです。
どこも大変だ上司は。
(加藤)出版社って人間関係どろどろなんですよね結構。
(片桐)ボス。
(片桐)すいません。
この本の担当の方っていらっしゃいますか?
(加藤)猟奇シリーズね。
これは小堀さんだな。
うちでこんなのやるのは小堀さんぐらいですから。
(加藤)あっ。
そこにいますよ。
(岩井)まず死の腕の犯行声明やが指紋も何も見つかってない。
(片桐)犯行時間は昼の11時4時夜の9時夕方の5時。
ばらばらです。
犯人は比較的時間に融通が利く仕事ないし学生か。
(花形)刺された個所は1人目が3カ所以下2人目3人目が1カ所。
4人目が4カ所。
凶器のナイフは刃渡り7〜8cmです。
・もう一度徹底的に洗い直す必要がありそうね。
ボス。
大変です。
5人目?それが…。

(キャスター)死の腕を名乗る連続殺人事件の容疑者が逮捕されました。
(理香)逮捕された?
(山村)1人目の被害者のつめの中に被害者以外の皮膚が挟まってたんだ。
おそらく抵抗して犯人の腕を引っかいた。
その皮膚のDNAを照合したら男には前科があってさ。
(キャスター)今日午後8時ごろ目黒区の会社員佐藤哲夫さん方に押し入り内偵中の警視庁刑事にその場で取り押さえられました。
都内で同様の手口で4人の男性を相次いで殺害した疑いで逮捕された野口武生容疑者は一連の事件の犯行を認めているということです。
自供してるみたいだしとにかくこれで一件落着ですね。
(野口)人の体って意外と感触ないんです。
豆腐を突き刺すような感じでずずーって中に入っちゃう。
おかしいですよその顔。
どうしようもないやつだな。
(丹波)会見はあしたの10時だ。
まっ君たちの手を煩わさずに済んだ。
ご苦労さん。
何かおかしい。
(丹波)えっ?冷静な話しぶりからみても野口は最初3件の犯行の犯人像と一致する。
なのに4人目だけ犯行が冷静さに欠ける傾向にある。
どういうことだ?自己顕示欲の強いシリアルキラーの場合何事も誇張して言うことがある。
ヘンリー・ルーカスも300人殺したって言ってるけど真偽は定かではない。
おい。
絵里子。
(刑事)貴様ふざけるな!まあまあリュウさん。
落ち着いて。
はい。
ヘンリー・ルーカスに憧れてるんだ。
でもそれにしちゃ殺傷方法がお粗末ね。
第一の被害者横川さんは3カ所刺してる。
2人目3人目は1カ所。
なのに4人目だけ4カ所。
連続殺人犯ってさだんだん手口が洗練されていくもんでしょ。
逆に手数増やしてどうすんの?はい。
怖かったんでしょう?この人ちょっと大柄だもんね。
怖くてつい4カ所も刺しちゃった?粋がってるけどホントは人を刺すのが怖くて怖くてしょうがないんでしょ。
何がヘンリー・ルーカスよ。
ヘンリーもいい迷惑だわ。
こんな臆病な殺人犯と一緒にすんなっつうの。
(野口)こいつは俺じゃ…。
うん?
(野口)こいつは俺じゃねえよ!
(刑事)おい野口!
(野口)もう一度言ってみろ!
(刑事)おとなしくしろ!
(野口)おい!おい!うあーっ!うあーっ!4人目は違った?4人目の蒼井社長だけ椅子に座ったまま刺されてる。
つまり知り合いと話してた最中に刺された。
見知らぬ人が入ってきたら誰だって立ち上がる。
それに前の3人は体の左側に死傷痕が集中してる。
ところが4人目は右側を4カ所刺されてる。
おそらく犯人は左利き。
野口は右利き。
さらに切創が多数あるのは殺人に慣れていないため。
(片桐)ピッキングは?終わった後出るときに鍵穴に傷だけ付けた。
参ったな。
振り出しに戻るか。
誰かが死の腕の犯行をまね連続殺人犯の仕業に見せ掛けて殺した。
もう一度全員で蒼井社長の交友関係を中心に洗い直そう。
(花形)了解。
とにかく若さで切り込んでいくのが僕のスタイルですね。
まっこれからは僕の時代ですね。
取材じゃなくて先に捜査!はいっ。
(花形)殺された蒼井社長の評判は良くないですね。
蒼井さんも三代目のぼんぼんで苦労せず社長になり出版経営のことは何も分からない。
ことしはそろそろ本気で結婚したいなと。
理想はAKBの大島さんです。
目がくりっとして…。
熱っ熱っ。
(山村)毎日毎日会社の金で銀座で豪遊。
愛人もいたとか。
経営を大きく悪化させた張本人とみられてます。
まあ好みはワイルド系っちゅうかまあ…。
やっぱ男らしい人がええっちゅうかね。
っていうかまあ最近じゃ僕が女の子になったらいいのかなぁなんて…。
うっうっ!ありがとうございます。
(岩井)蒼井社長の放漫経営が原因で幾つかの雑誌の廃刊や売却の話もあるらしい。
殺したいやつは結構おったかもな。
仕事はいまいち。
上司も何かがつがつしてるでしょう。
ああはなりたくないっていうか。
そちら中途採用とかしてません?
(幸子)あっ嫌っ。
自分不器用な…。
(片桐)で蒼井社長の下で有力な役員が佐神公一さんと山地智子さん。
(花形)佐神さんは文英館を支える稼ぎ頭。
ただし中途入社の佐神さんは創業一族とは折り合いが悪く会社を辞め独立するのではとの噂が絶えません。
一方先代の社長にも気に入られ生え抜きの役員なのがこの山地さん。
蒼井社長の前に初の蒼井家以外の社長になるのではと目されていた。
あの人きついもんね。
あんたが言うな。
(山村)もっともこの山地さんも先代の社長と寝ていたとかとかく悪い評判の絶えない人です。
とにかくこの会社の中で社長が殺されて得をするのはこの山地さんと犬猿の仲だった佐神さん。
佐神さんは蒼井社長が殺された時刻こちらで打ち合わせをしてました。
これ!社長が事件に巻き込まれ「多大なご迷惑ご心配をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます」って書いてある。
(幸子)雑誌は広告で成り立ってるっていいますからスポンサーに配慮したんじゃないんですか?でもこれ月刊誌よ。
手回しよくない?編集長は小堀慶介。
彼左利きだったよね。
(片桐)小堀は自他共に認める犯罪オタク。
評判悪いですね。
仕事はしない。
私生活もルーズ。
あと広告会社との癒着や横領の噂が絶えません。
あるいはそれが社長にバレて怒られ逆ギレしたか。
(小堀)27日?えっと何してたっけな?ああ。
この日は作家の寺田文一先生の出版パーティーですね。
(片桐)そうですか。
(小堀)犯人捕まったんですよね?
(片桐)ええ。
まあ一応確認です。
(片桐)ああそれとこの謝罪ページなんですが…。
(小堀)ああすいません。
もういいですか?今からちょっと出なきゃいけないんで。
こんにちは。
ああ。
皆さん取材ありがとうございました。
ホント。
みんな捜査よりそっちに乗り気になっちゃって。
後は大澤さんだけだ。
色々聞きましたよ。
大澤さんはとても優秀だが仕事にはとても厳しい人だって。
佐神さんこそ。
仕事ができない部下には容赦ないって。
あっ。
わが社の次に廃刊にする雑誌を検討してたところです。
廃刊!?いい雑誌じゃないですか。
わたしも子供のころ読んでた。
でも今は買ってない。
さすがに。
老舗出版社の悪い癖でね。
売れない雑誌でも伝統の名の下に残そうとする。
おかげで僕がいくら収益を上げても全部持ってかれちゃう。
それだけベストセラーを出し続けるコツは?そうですね。
簡単に言うとストーリーかな。
ストーリー?作家スポーツ選手有名人。
何であれ人を感動させるのは物語。
ストーリーなんですよ。
優れた人物には必ずその人なりのストーリーがある。
僕は単にそれを導きだすだけです。
それにしてもこれだけの仕事量すごい情熱。
情熱?かけらもありませんよ。
ビジネスだからです。
まあ強いて言えば僕自身が平凡な人間でストーリーがない。
だから他人のストーリーに興味があるっていうのはあるかもしれませんね。
そうでしょうか。
誰にでもストーリーはあるんじゃないですか?というと?わたしの仕事も少し似ています。
殺人事件は犯罪の中で唯一被害者から話を聴くことができない。
だからなぜ被害に遭ったのか被害者に成り代わり必死でストーリーを考える。
被害者のストーリー。
加害者のストーリー。
それが捜査です。
なるほど。
面白いですね。
でも今回みたいな猟奇的殺人の場合は?どんな犯罪にもストーリーはあります。
必ず。
楽しみにしてます。
それが発表される日を。
では。
どうも。
(岩井)出版パーティーには確かに出席しとるなぁ。
(山村)文英館の主立った人は出てたみたい。
(岩井)ここに勤めてもう何年ぐらいなんですか?ちょっと。
文英館の主立った人は出てたみたい。
(岩井)あっそう。
うーん。
始まったんが3時で終わったんが6時。
犯行時間5時ですか。
で現場はここから車で10分。
でこの250人規模の大会場やろ?これはどう考えても中抜け可能ですよね?ねっ?
(山村)ちょっと何やってんの?小堀にはアリバイがないってことか。
それ以外は何かないのか?
(花形)それが小堀の同級生に佐神さんの奥さんがいたっていうプチ情報ぐらいで。
(幸子)佐神さん結婚してたの!?でも2年前に別れたそうです。
わずか2年の結婚生活だったとか。
よかったぁ。
(花形)何がです?
(山村)じゃあ小堀と佐神さんは親しかったんですか?
(片桐)いや。
仕事ができない小堀を佐神さんは嫌っていた。
以前同じ編集部になったときもあっという間に飛ばしたとか。
小堀に任意同行をかけよう。
(片桐)ずいぶんギャンブルがお好きだったようですね。
その借金を埋めるために会社の金を横領していたんじゃありませんか?
(小堀)噂だろうそれは。
(岩井)それが社長にバレて頭にきてやったんちゃうんか?おい!
(小堀)だから知らないって。
(花形)見てください。
小堀の銀行口座です。
Kカンパニーという会社に毎月代理店やスポンサーから100万円近く振り込まれてて翌日全額引き出してます。
(山村)これ小堀のつくったペーパーカンパニーです。
ここを通して広告費を横領してたんです。
(幸子)蒼井社長殺害現場に落ちていた髪の毛のDNAと取調室で小堀が飲んだ紙コップに付いていた唾液のDNAが一致しました。
花形。
表へ回って。
了解。
小堀さん。
(片桐)小堀さん。
小堀さん。
小堀さん。
(片桐)ボス。

(水音)
(幸子)何カ所かためらい傷もありました。
(山村)クロゼットから蒼井の血痕の付いた服とナイフが発見されました。
(花形)そんな自殺なんて…。
胃の内容物は?ナッツが少し。
血中アルコール濃度が2.5%でした。
お酒を飲んでその勢いで自殺に及んだと思われます。
確かに部屋には酒瓶が幾つも転がっていた。
気の小さいあの男らしいで。
(丹波)バカヤロー!被疑者を追い詰めて自殺させただと!?そんなことがマスコミに知れたらまた袋たたきだ。
どうしてくれるんだ。
えっ?チッ。
刑事部長。
取りあえずこいつらの処分はわたしに任せてください。
何?しかるべき処置を取ります。
君の責任問題でもあるんだぞ。
承知しております。
(理香)ネットで話題になってるよ。
警察が失態を犯したんじゃないかって。
ハァー。
まあまあまあ。
あっそうだ。
ちょうどよかったリカリン。
ちょっと気分転換におっさんに付き合ってくれる?あっお兄さん。
小堀は自殺じゃない。
(花形)えっ?小堀は酒にそれほど強くなかった。
その小堀にとってアルコール濃度2.5%は強度酩酊状態。
その状態で自分で手首は切れない。
(岩井)でもためらい傷は?自殺か偽造自殺かのポイントはためらい傷があるかないかやろ?アルコール濃度は死んだら少し下がるから実際はもっと高かった。
その状態なら軽く傷を付けても痛みは感じない。
抵抗もできない。
じゃあ誰かが酔わせて手首を切ったってことですか?
(佐神)コーヒー1つ。
(従業員)かしこまりました。
(佐神)すいません。
やっと時間を取っていただけましたね。
よいしょ。
(操作音)取材のときや大切な人と会うときは必ず電源を切ります。
目の前の人に全精力を注ぐ。
それがポリシーです。
小堀さんの亡くなった夜のアリバイを聞かせてください。
そのために今日は来ました。
自殺じゃないんですか?小堀は。
他殺の可能性もあります。
ほう。
面白いな。
僕も疑われてるのか。
その日は仕事が早く終わったので自宅にいました。
それを証明する人はいらっしゃいますか?一人暮らしですからいませんね。
佐神さんの離婚された奥さまと小堀さんとは同級生だとか。
ええ。
偶然前の女房の同級生ではありましたがそれだけです。
僕は仕事ができないやつが何より嫌いなんで。
あれから色々聞き込みました。
佐神さんは人たらしの天才。
だけど利用できなくなったらすぐに見捨てる。
だったらこんな話も聞いてるでしょう。
それは私生活にも当てはまる。
結婚は2年で破綻。
別れた妻と子供には養育費だけ渡して一切会おうともしない非道ぶり。
否定しませんよ。
僕はどこまでも仕事優先。
家庭には向いてなかった。
それに気付いただけのことです。
そうですか。
ねっ?僕のストーリーなんてつまらないでしょ。
それより大澤さんのストーリーを聞かせてください。
フッ。

(片桐)佐神の過去を調べてきました。
どうだった?それが…。
もともとは裕福な家庭に生まれたんですが7歳のときに父親が事業に失敗。
そのころから父親は酒浸りになりたびたび暴力を振るわれていたようです。
結局母親も病死。
間もなく父親も死んで祖母に預けられたとか。
これがたった1枚メディアに出た彼が子供のときの写真です。
つまらないストーリーか…。
(弘子)初めて見ました。
こんな写真。
あの人家のこともほとんど話してくれなかったから。
そうですか。
家ではどんなでした?
(弘子)ほとんど家にいなかったですから。
もともと忙しい人でしたけど子供ができてからは特に。
(弘子)何か家の中。
いや。
家族っていうものが居心地悪いみたいで。
わざと忙しくしている感じで。
それで離婚を?ん…。
ちょっとしたことで言い合いになって殴られました。
ほおを平手で。
それで終わり。
嫌いだったんだと思います。
家族ってものが。
佐神さんとはそれっきり?去年の春に少し話したきりです。
小堀さんが死んだ4日の夜はどちらに?その日は映画。
映画雑誌も受け持ってるから。
それより殺されたってホントなの?自殺じゃなかったの?まだ分かりません。
今日小堀さんの告別式ですよね?部下なのに行かなくていいんですか?香典は出した。
わたしは週刊誌も見てる。
誰かが死んだからって本を出さないわけにいかないでしょ。
それに正直いい部下じゃなかったし。
いつか問題起こすと思ってた。
ああ。
会議ですか?そう。
年間計画を立てる大事な会議。
雑誌の創刊廃刊を検討するわけ。
売れない雑誌抱えてる余裕なんてないのよ。
『少年時代』廃刊になるんですか?なりゃいいんだけどね。
この手の雑誌今厳しいから。
まっそれはこれから。
じゃあ。
(片桐)どうも。
小堀の部屋にあったメモ用紙の圧痕。
上の紙に何かを書いた跡ですね。
それを科捜研のESDAにかけて解析したものがこれです。
月曜日深夜まで銀座。
火曜日会合7時には帰宅。
これ蒼井社長のあの週の行動です。
(花形)誰かが小堀に教えていたのは間違いないようです。
小堀の携帯とパソコンは今黒原に解析さしとる。
(幸子)会社の机回りのものも一応全部指紋を採りました。
どれも不明な指紋が多数で特定できません。
ただこの絵から採取された指紋は小堀のもの以外2つだけでそのうちの1つが文様の構成趨勢がここに付いている指紋。
つまり佐神さんの指紋と…。
(幸子)極めて似ています。
同じなの?まだ断定はできません。
何せ紙に付いてる指紋が極めて薄くて。
しかも一部分だけなんで。
当たってみよう。
(一同)はい。
さあ。
その絵のことは知りませんが僕は部下の企画書なんかも山ほど見ます。
そのときに付いたんじゃないですか?そうですよね。
まだ僕が疑われてる?動機は何です?仕事のできない小堀や蒼井社長が許せなかった。
そこまでストイックじゃないですよ。
ではこういうのは?社長が死ねば次期社長も視野に入る。
あなたは小堀の横領に気付き社長への密告をちらつかせ殺させた。
そして口封じのために小堀も殺した。
それが大澤さんの作ったストーリーか。
残念ながら売れ行きは厳しそうですね。
2カ月後そこの社長に就任します。
知水出版はいずれ文英館を吸収するとまでいわれています。
残念ながら僕にはこの会社なんてどうでもいいんですよ。
(理香)復元できたよ。
小堀って人のメール。
(山村)ああ。
よいしょ。
分かった。
すぐ任意同行。
あと家宅捜索の令状も。
すいません。
お忙しいところありがとうございました。
任意同行って山地の?ええ。
小堀が殺された日彼と会ってたことが分かったんです。
失礼。
(岩井)小堀の携帯メール解析してたらこんなん出てきたんや。
(片桐)その日は映画を見ていたとおっしゃってましたよね?どういうことですか?
(岩井)それだけちゃう。
これ!これそのダイニングバーの近くの防犯カメラの映像や。
ここに写ってんのあんたと小堀やな。
確かにその日飲みに行った。
(岩井)ほな何で黙ってたんや?殺されたって聞いて恐ろしくなって。
恐ろしくなって?そんな玉かな?あんたが。
あなたは自分は飲まず小堀にだけ酒を勧めた。
その日は体調が悪くて。
ホントよ。
小堀が飲みに行こうって言ったの。
どうしても相談したい企画の話があるからって。
(岩井)小堀が企画?
(山地)強引に誘ってきたの小堀の方なの。

(花形)わあ!すごいな。
出版社ってそんなに給料いいのか。
(山村)えっ?
(花形)どうしました?・
(山村)ボス!山地はこの半年ほど毎月何十万単位で買い物してます。
(花形)小堀が横領してたと思われるお金もひょっとしたら受け取ってたんじゃないでしょうか。
(山村)小堀の横領がバレたら自分にまで害が及ぶ。
それで小堀に社長を殺させた。
家から殺人の物証は?見つかりませんでした。
(片桐)何で黙ってた?
(山地)関係ないでしょう。
何でいちいち言わなきゃいけないわけ?
(岩井)殺されたんやぞ社長は。
ずいぶん羽振りよかったみたいやないか。
年収1,000万超えてるとはいえマンションを買うてバーキン何個も買えるか?
(片桐)小堀と組んで横領していたんじゃないのか?買ってもらったの。
蒼井社長に。
付き合ってたら当然でしょ。
(岩井)付き合ってた?
(佐神)やっぱり幼少期に暴力を受けた子は大人になったらそれをやり返すっていうのは本当なんですね。
そういう傾向はあります。
すいません。
お呼び立てしまして。
いいんです。
会社はもうパニック。
なかなか仕事にならなくて。
どういう人なんですか?彼女は。
出世のために魂を売った人間。
最も出版社にいちゃいけない人ですね。
文英館の社長になるためには手段を選ばない?可能性はありますけど。
ホントに山地で間違いないんですか?状況的には。
バーで酒を何杯も勧めてるの目撃されてますから。
でも決定的な証拠がまだないんですよね。
だから今のところ任意同行しかできなくて。
そうですか。
あと一歩なんだけどなぁ。
(花形)ボス。
裏取れました。
相手は新興のゲームメーカーだそうです。
そう。

(佐神)見つかったそうですね。
聞きましたよ。
ええ。
バッグから小堀の血の付いたタオルが発見されました。
なるほど。
動かぬ証拠が。
そう。
あなたの。
何の話です?小堀に蒼井社長を殺させたのはあなた。
どこからか小堀の横領の件を知り脅して追い詰め社長を殺させた。
そしておそらくほろ酔いで帰ってきた小堀にさらに酒を飲ませて酩酊状態にさせ手首を切って殺害した。
その際山地に罪をかぶせようと小堀に山地を誘わせたのもあなた。
何を言ってるんですか?このバッグ山地さんのバッグじゃない。
わたしがニューヨークで買ったものです。
山地さんたくさんバッグは持っているんですがなぜか青いバッグは持ってないんですよね。
でも…。
このバッグを山地さんが持っていたのはわたしたちがカフェで見たときだけなんです。
つまりこれが山地さんのだと思うのはあなたしかいなかった。
最初から疑ってました。
あなたは大事な取材のときには携帯に出ないと言った。
でも最初蒼井社長が亡くなったとき携帯に出た。
《はい。
社長が殺された!?》殺害時のアリバイをわたしたちに示すために。
動機は?そう。
それが分からなかった。
あなたのストーリーが。
最初は社長が憎いからだと思ってたけど。
だったら会社を辞めればいい。
あなたなら引く手あまた。
現にあなたは知水出版での社長就任が内定していた。
そうですね。
だから逆に考えた。
何か会社に残らなきゃいけない理由があると。
動機は蒼井社長が創刊40年になる雑誌『少年時代』を他社に売ろうとしていたから。
相手は出版業に進出したいと考えてるゲームメーカー。
手っ取り早いのは雑誌を持ってる他社から買うこと。
ゲームメーカーは『少年時代』を買いゲーム誌にしようとしていた。
放漫経営の付けで買収される噂もあった蒼井にしてもどうしても資金が欲しかった。
あなたは焦った。
知水出版の社長に就任して文英館の吸収合併も視野に入れていたのにそれより先に社長がゲームメーカーに『少年時代』を売ってしまう。
それを阻止しようと社長を殺した。
山地も『少年時代』の廃刊をもくろんでいた。
それで彼女に罪をかぶせようとした。
何でこんな雑誌のために?廃刊寸前の雑誌だ。
お父さんとの思い出の雑誌だから。
最初気付かなかったけどこの本棚画像を解析してみたらずらっと『少年時代』が並んでる。
あなた近所の人に言ってた。
よく寝る前『少年時代』をお父さんに読んで聞かせてもらってたと。
その思い出を守るために殺人を犯した。
それがあなたのストーリー。
甘過ぎるな。
単なる想像だ。
あなたが離婚したのは自分のDVが怖かったからでしょ。
DVを受けた子は親になったときDVをする方に回る傾向がある。
あなたはそう思い込んで自分から家族を捨てた。
何を言ってるんだ。
でも子供は忘れない。
たとえどんな親でも優しかったころの思い出は。
何を言ってる。
あなたの息子4歳の直樹君があなたを忘れないように。
えっ?奥さん。
弘子さん。
同級生の小堀にたびたびあなたへの手紙を託してた。
(弘子)《これ》《破り捨てるだけだよ》あなたが破って捨てるから小堀も渡さず捨てていたけどさすがにこれは捨てられなかったみたい。
直樹君が描いたあなたの顔よ。
その絵に指紋が付いてた。
幼児の指紋は検出されにくいけど文様の構成や趨勢があなたそっくりだった。
皮肉にもその絵があなたと犯行を結び付けるヒントになった。
横に棒のようなものが描いてあるでしょ。
それね桜の木よ。
去年の春養育費を渡すために一度だけたまたま直樹君にも会った。
直樹君そのこと覚えてる。
自分を捨てたはずのお父さんでも子供は覚えてる。
あなたと一緒。
子供の中じゃお父さんはいつも笑ってるわ。

(佐神の父)《「『いいだろう。
見せてやろう』と言い怪人は自分のコートをばっと脱ぐとぱっと中身が消えてしまった」》《「地面には怪人を包んでいたコートと仮面と帽子がばさっと落ちた」》《「『何だ!?何が起こったんだ?また逃げられた』」》
(山地)間違いないのね?
(片桐)佐神をおびき出すためとはいえすいませんでした。
彼はそこまでして守りたかったんだと思います。
(片桐)あのう。
『少年時代』どうされるんですか?本っていうのはね結局人の思いでできてるの。
それを大切にしなきゃ出版社にいる意味がないわ。
(記者たち)出てきたぞ!集まれあっち!集まれあっち!カメラ!あっちあっち!
(理香)人間って複雑。
うーん。
チェスや将棋よりずっとな。
それを解いていくのが仕事ってもんだ。
チェスも将棋もむちゃくちゃ弱いじゃん。
フフフ。
将棋崩しは得意なんですけどね。
リカリン。
DVか。
佐神さんが。
(弘子)夕飯もあるんだからおやつ食べ過ぎないのよ。
(直樹)はーい。
ストーリーか。
(メールの着信音)あーチクショー。
載らねえのかよこれ。
いいじゃん。
そんなのどうだって。
バカヤロー。
俺のファンがな心待ちにしてる…。
あっ。
あーあーあー。
さすが酒も滴るいい男。
へえすけさんには言われたかないね。
誰?あっそうだ。
ここな空揚げうまいぞ。
空揚げなんて鶏に対するリスペクトが足りない。
すいません。
フライドチキンお願いします。
2014/12/03(水) 15:53〜16:48
関西テレビ1
BOSS #03[再][字]

野立が雑誌の取材を受けていると事件の知らせが!出版社社長が殺された。世間を騒がせている連続殺人犯の仕業らしい。しかし逮捕された犯人からは意外な供述が!?

詳細情報
番組内容
 男性4人が殺される連続殺人が起き、大澤絵里子(天海祐希)は、片桐琢磨(玉山鉄二)と、4番目の犠牲者・蒼井(圷真樹)が社長を務めていた出版社を訪ねる。出版社が騒然とするなか、役員でもある編集者の佐神(山本耕史)、山地(戸田菜穂)は平然としていた。佐神は、地味だった出版社を変えたやり手で、蒼井とは対立関係だったという。一方、先代の社長の愛人とも噂される山地も、関係はよくなかったという。
番組内容2
 そんななか、片桐はある本の「ヘンリー・ルーカス」という文字に目を留めた。ヘンリー・ルーカスは、“死の腕”という殺人組織に属していたというアメリカの連続殺人犯で、今回、最初の殺人後に出された犯行声明に、“死の腕”とあったからだ。その本の担当編集は、小堀(野間口徹)という人物だった。
 「対策室」に戻った絵里子は、片桐、山村啓輔(温水洋一)、花形一平(溝端淳平)、岩井善治(ケンドーコバヤシ)、
番組内容3
田所幸子(長谷川京子)らと事件を整理するが、犯人像を絞り込むことができない。
 そこへ、男が、殺人未遂容疑で逮捕されたとの連絡が入る。野口(ムロツヨシ)というその男は、“死の腕”を名乗り連続殺人を犯したと自供。事件は解決かと思われたが、絵里子は、野立信次郎(竹野内豊)に、野口が犯したのは最初の3件で、4件目は別の人物だと断言。実際、黒原理香(成海璃子)の分析でも、4件目が一致しないと出ていた…。
出演者
天海祐希 

竹野内豊 

戸田恵梨香 

玉山鉄二 

温水洋一 

溝端淳平 

ケンドーコバヤシ 

成海璃子 

長谷川京子 

山本耕史 

戸田菜穂
原作・脚本
【脚本】
林宏司
監督・演出
【企画】
村瀬健 

【プロデュース】
保原賢一郎 
三竿玲子 

【演出】
石井祐介
音楽
【主題歌】
「Rollin’Days」Superfly(ワーナーミュージック・ジャパン)
制作
フジテレビドラマ制作センター

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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