科捜研の女 #8 2014.12.04


(刑事)二条院大学理学部環境学科の准教授土浦裕子42歳。
なんや放置された竹林の調査しとったようでね。
(榊マリコ)角膜が完全に混濁してます。
腐敗も始まってますね。
死後2日は経っています。
ここ人来おへんから調査中に心臓発作そのまんま見つからずにって線でしょう。
それは解剖してから判断しましょう。
洛北医大に。
解剖するんですか?傷も争った痕跡もないのに?ご遺体の目に溢血点があります。
(相馬涼)ああそれって首を絞められた時に出来るあれですね?でも首に絞められた痕跡はない。
(涌田亜美)ああ〜…それは気になりますね。
ねえ?…ええ。
解剖に回してください。
佐沢先生!あっ!えっと…。
榊さん!榊さんでしたね!?京都医科歯科大法医学教室の佐沢です。
京都府警科捜研の榊です。
ああ…。
(真木洋介)科捜研…。
同僚の解剖医の先生ですか?いえ移植医療研究班の真木と申します。
(佐沢)こいつすごい研究してるんですよ。
えっとなんだっけ?おい!佐沢先生それより早速お願いします。
お願い?ええ榊さんのお願いなら。
でなんですか?なんですか?ってご遺体もう搬送されてますよね?えっまさか榊さん僕を指名してくれたんですか?いつもお願いしている先生が解剖中だったんでそれで…。
嬉しいな〜!僕を覚えててくれてたんだ。
フフフ…榊さん。
大変でしょ?こいつ。
いえ以前からとてもいい先生だと思っています。
やめてください榊さん。
同期の前で僕の事前からいいと思ってたとか。
本当照れるじゃないですか。
(真木)ハハハハハ…。
先生本当早くお願いします。
(佐沢)特に不自然な所見はないですよね?いえ口の粘膜がただれていましたよね。
消化管を切開してもらえますか?あ…。
やはり消化管の粘膜がただれてますね。
それと肺を見てください。
この辺…血液成分が血管の外に出てません?そうですか?だとすると…肺水腫?そうですね。
つまりこのご遺体は…。
そうか!心臓の病気が原因で起きた心原性肺水腫!いやあの…消化管の粘膜がただれてましたよね?つまり何かの毒物が投与されて起きた肺水腫です。
毒物!?じゃあ自殺?自殺なら現場に毒物があったはずです。
じゃあ殺人?可能性は高いと思います。
この肺や消化管の様子以前シアン化物を飲んだご遺体で見た事があります。
へえ…あっ僕シアンの遺体って扱った事ないんですよね。
は?まさか先生のキャリアでそんな事…。
あれ?でもシアンの遺体って独特のにおいがするはずですよね?ええアーモンド臭といわれるにおいがします。
(嗅ぐ音)でもそんな香ばしいにおいしませんよ?アーモンド臭はローストアーモンドのにおいじゃないですよ。
収穫前のアーモンドつまり甘酸っぱいにおいです。
へえ…。
(嗅ぐ音)でもどっちにしてもしませんねえ。
死後2日以上経っているのでにおいが弱まっている可能性があります。
それに腐敗が始まっているので腐敗臭に隠されている可能性も…。
先生ちょっと!嗅ぎすぎです!
(嗅ぐ音)先生!もし本当にシアン中毒のご遺体だったら危険ですよ!あっそっか!ハハ…そうですね。
(土門薫)遺体の血液からシアン…。
これが死因か。
(相馬)これ見てください!毒物による痕跡ね。
多分シアンの水溶液。
(宇佐見裕也)薬物痕ですが薬物を採取して調べたらシアン化ナトリウムの水溶液でした。
(木島修平)その毒物が現場になかった事からみて殺人ですね。
よし…上に捜査本部を打診します。
(日野和正)はい。
ああ〜っ!大丈夫ですか?大丈夫ですか?どうしました?どうなってんだ?おい誰か…。
ううっ…うう…。
ああ…。
奥さんどないされました?奥さん?おばちゃん!
(川島香音)はっ…ああっぐっ!ううっあっ…!
(男性)ちょっと!おい!大丈夫か!?おい!しっかりしろ!おい!
(サイレン)マリコさん?マリコさん!
(風丘早月)何?みんなこの辺で倒れたんだって!?ええ死亡者が出てそれで私が呼ばれて…。
(救急隊員)開けてください!開けてください!重篤者には亜硝酸アミルと酸素を交互に吸わせてください!
(医師)まさかシアン中毒って事ですか!?可能性があります。
シアンってさっきの遺体と同じ!?大丈夫ですか?
(佐沢)亜硝酸アミルなら真木の研究室にあったはずです。
すぐ持ってこさせます。
お願いします。
(医師)中毒センターに連絡!シアン中毒の可能性あり。
(看護師)はい!真木か?大至急亜硝酸アミル頼む。
(医師)皆さんのおかげで適切な処置が早く出来ました。
うちの研究室にあったの全部持ってきた。
(医師)おかげで急速に回復された方もいらっしゃいます。
で亡くなった方は?
(医師)合計4人になりました。
早速ご遺体を見せてください。

(嗅ぐ音)
(嗅ぐ音)私が解剖した2人のうちこの人は解離性大動脈瘤による心不全で病死です。
事件性はなしと判断しました。
この人の遺体をALSで調べた結果薬物などの痕跡は出ませんでした。
もう1人は左右の肺の浮腫消化管粘膜の異常などシアン中毒特有の所見がありました。
その人鼻と口を中心に薬物の痕跡がありました。
(早月)佐沢先生が解剖したご遺体も2人でしたね。
あっはい。
でもこの女性は心不全でした。
あっ…!心不全…具体的な病名は?心臓にオペの痕跡があったので調べてもらったら心室中隔欠損という先天性の心疾患があったみたいです。
というわけで彼女は事件性なしと判断します。
ちなみにこの人は遺体をALSで調べた結果でも薬物などの痕跡は出ませんでした。
でも残りのこの方はシアン中毒の遺体でした。
この前榊さんと解剖したこの方と同じような所見でしたから。
(亜美)それでこのご遺体をALSで調べたら…。
やっぱり鼻や口を中心に薬物の痕跡がありました。
薬物の痕跡が浮かんだこの2人の遺体からその薬物を採取して分析したところ同じ不純物を持つシアン化ナトリウム水溶液でした。
土浦裕子さんを殺害した毒物とも同じものですか?ええ同じものでした。
つまり犯人は同一犯で被害者は合計3人って事だね。
連続殺人だとするとどんな手口?この写真を見る限り犯人はきっと行きずりの人の鼻や口に霧吹きか何かでシアン化ナトリウム水溶液を吹き付けて殺害した。
怖いですね〜。
…ん?
(嗅ぐ音)
(日野)早月先生の差し入れです。
よろしかったらどうぞ。
あ…。
(佐沢)あっチョコレート!僕チョコ大好き。
いただきます。
(早月)どうぞ。
うん美味しい。
マリコさんちょっといい?
(早月)佐沢先生の鑑定書どう思う?ええ…。
例えば…ここ。
身長や体重直腸温度は書いてあるけど死斑や死後硬直に関する記述がない。
私が検視の報告書に書いたから抜いたんでしょうか?
(早月)頭を開いた時の頭蓋硬膜の記録もないし脳底部動脈系の記録もない。
異常がなかったので省略したのかもしれません。
それはいくらなんでもずざんでしょ。
でもとても協力的な先生なのは確かです。
何か悪意があってやったわけではないと思います。
いや私もそこまでとは言わないけど…。

(サイレン)3人の被害者の着衣にやはり薬物痕が出ました。
その薬物宇佐見さんに調べてもらってるんですけど…。
あっ薬物の鑑定終わりました。
被害者3人の着衣から不純物の同じシアン化ナトリウム水溶液が出ました。
(日野)やっぱり同一犯…。
着衣から採取した毛髪マリコさんに渡したんだけど…。
被害者3人のうち2人の着衣から同一のDNAを持つ毛髪が見つかった。
「A型の男性」…犯人のDNAか。
可能性は高い。
DNAに前歴はなかったけど。
共通のDNAが1つなら単独犯の可能性もあるな。
でもお昼の短時間に被害者が複数出てるのよね?だが…この範囲に集中している。
犯人は1人でも十分可能だ。
亡くなった被害者3人に共通点は?ない。
犯行の動機は個人的な怨恨とは考えにくいな。
(藤倉甚一)このDNAを持つA型の男性…。
さらにシアン化ナトリウムを作る知識があるか手に入りやすい人物だと発表してください。
シアン化ナトリウムについては発表しない。
は?無差別犯ですよ!?手口を発表しないで市民にどうやって身を守れっていうんですか。
霧吹きを使ってシアン化物を吹き付ける手口である事は発表する。
シアン化物…。
それがシアン化ナトリウムなのかシアン化カリウムなのかシアン化水素なのかは伏せる。
警察と犯人だけが知り得る事実ってやつですか。
シアンなら対処法はほぼ一緒だ。
医療機関には薬の準備を通達した。
同時に被害者の名前や正確な数も伏せる。
被害者の数も隠すんですか?シアンの種類被害者の数その2点で容疑者をふるいにかける。
これが正攻法の捜査というやつだ。
(記者)えっ!だから一体何人殺されたんですか?
(佐伯志信)ええ…それは今懸命に捜査中でございますので申し上げる段階ではございません。
捜査中ってそんなのはすぐわかる事でしょ?
(戸塚明良)被害に遭った人たちに共通点はあるんですか?ああ…今のところ共通点っていうものはございません。
共通点がない…。
って事は無差別テロって事ですね。
うーんその可能性も視野に入れて懸命に捜査をしております。
何人も被害者が出てるんですよね?それで共通点もないとしたら無差別テロじゃないか!
(記者たちのざわめき)使われたのはシアン化物との事なんですが具体的にはどのような種類のシアンですか?それについてもうう…。
鋭意捜査中でございます。
(記者)そんなのすぐわかる事でしょ!
(宇佐見)犯行に使われたシアン化物をシアン化ナトリウムだと割り出した報道はありませんね。
治療や解剖を担当したところや遺族には厳しく箝口令を敷いたみたいだからね。

(携帯電話の操作音)マリコさん?川島香音さんのご遺体って今どこ?そう。
佐沢先生が解剖して事件性なしにしたご遺体。
失礼致します。
マリコさん微かだけどあのにおいが…。
最初に解剖した時ならもっとにおってたはずですよね?そう。
このにおいを嗅いだらどんな未熟な解剖医だって絶対事件性を見逃さない。
でも彼は見逃した。
彼女は事件性なしと判断します。
どうして?佐沢先生がわざと見逃したって事か。
風丘先生はそうとしか思えないって。
お前はどう思う?事件性を見逃しても仕方がない。
プロとしてお前はそう思えるか?思えない。
昔のオペの痕跡があったからって…。
あのにおいのするご遺体を事件性なしになんて出来ない。
わかった。
川島香音の着衣を鑑識から科捜研に回す。
彼女の血液を分析してみる。
うん。
「連続殺人事件の現場の一つ京都市内の商店街に来ています」「被害者の1人はこちらのお店で買い物をしたあと…」もうずっとこのニュースばっかですね。
そりゃあこれだけの事件だからね。
土門さん。
川島香音さんの血液シアンが検出された。
やはり被害者の一人だったか…。
あっその人の着衣薬物の痕跡出ませんでしたよ。
彼女は死亡した時川に落ちている。
(日野)じゃあ川の水で洗われちゃったか。
だから遺体の表面からも何も出てなかったんですね。
(亜美)川島香音さんの帽子なんですがこんなものが出ました。
そういえばこれだけ濡れてませんでしたね。
川に落ちる前に脱げたんだね。
(香音)ううっ!
(男性)しっかりしろ!これは指紋?
(亜美)ええ。
何かの薬物で付着した指紋でした。
その薬物シアン化ナトリウム水溶液でした。
(宇佐見)他の被害者に付着していたのと同じものです。
シアンで付着した指紋…。
犯人の指紋か?かもしれませんが指紋に前歴はありませんでした。
でもすごい。
これまでは犯人の下足痕とDNAだけだったけど今度は犯人の指紋まで手に入った。
一気に犯人に繋がる物証が増えたね。
そうか…これを隠したかったのか。
え?遺体に事件性が出れば着衣を念入りに調べられてしまう。
だから…。
先生ならシアン化ナトリウムが手に入るでしょうね。
あっシアン化ナトリウムの名前出すのNGなんですよね?先生はどうせ知ってるからいいんです!佐沢さん。
指紋とDNAの提出をお願い出来ませんか?ああ…僕解剖にミスがあったから呼ばれたんですよね?かなり考えられないミスのようですね。
「えっそうなんですか?」「ああ…僕直接死体を解剖するようになってまだ2年なんです」ええ?
(佐沢)「それまでは解剖学の研究医員だったんで…」そんなの言い訳にならない。
(佐沢)「ずっと神経回路の研究をしてましてね」「だから自分は解剖に不慣れだと言いたいんですか?」ここだけの話今でも直接死体扱うの苦手なんですよね。
「だから犯罪死体を見逃してしまった?」「かもしれませんね」
(早月)冗談でしょ!先生!取調べ中だ。
佐沢先生あなたがどんな解剖医でも彼女のご遺体からしたアーモンド臭には気づいたはずよ?あのにおいに気づかなかったなんて考えられない!ハハッ…全然気づきませんでした。
ちょ…!きっと疲れてたんですね。
疲れてた?だってあの日は朝に1体解剖して午後には2体も解剖したんですよ?
(佐沢の声)1日でこんなに解剖したの初めてです。
だからあれ以来なんか体の調子悪くて…。
フフ…僕頑張りすぎちゃったのかもしれませんねえ。
ふざけないで!怖い。
あの〜僕具合悪いんで帰っていいですか?
(早月)もう…どうして帰しちゃったんですか?任意の取調べなんです。
無理言わないでください。
彼の話聞きましたよね?おかしいと思わなかったですか?思いました。
ですが…。
なんだろう?マリコさん?彼の話どう考えても納得いかない。
単に人に誤解されやすい性格なのかもしれない。
確かに彼と一番接してるのは榊お前だ。
でも…。
ええ。
知り合いだからって先入観を持つな。
ちょっと行ってくる。
あっマリコ君どこ行くの?佐沢先生のところ。
気になる事があって。
佐沢の件は捜査本部に報告する。
それは私が戻るまで待って。
マリコ君。
我々が刑事さんの捜査に口を出しちゃ駄目だっていう事は…。
所長。
わかった待とう。
あっ待つんだ。
ただしお前の疑問が解決したら必ず俺に話してくれ。
もちろんよ。
参ったわ…。
マリコさんと土門さんの信頼関係。
いい感じで話終わってますけど女一人で被疑者の元へ行かせるのは危険なのでは?科捜研の榊さん…でしたよね?ああ…先日はありがとうございました。
助かりました。
うちの研究室にあったの全部持ってきた。
お役に立ててよかったです。
では失礼します。
真木先生…でしたよね?はい。
亜硝酸アミルを普段からあれだけ用意していた。
つまり先生の研究室にはシアン化物があるんですね?ええ。
薬品の安定剤や試薬として使いますから。
そうですか。
(真木)では。
においますよ。
え?フフ…アーモンド臭。
ああ…シアンを検出してた白衣のまま来ちゃって。
フフ…。
あっ!はあっ!榊さん!僕に何か用ですか?すみません突然来ちゃって。
コーヒーいれますね。
榊さんはイメージ的に紅茶かな?ああっ先生!大丈夫です。
ただ疲れてるだけで。
(ため息)「解剖しすぎたから」でしたね?きっと向いてないんですね。
僕解剖医に。
ずっと神経解剖学を研究されていたとか。
僕コミュニケーション能力がないんです。
は?それで患者を診る医者は絶対無理だなと思って…。
だから解剖学の研究に?でも10年以上打ち込んでも成果出なくてそんな時に解剖医が不足して声がかかって…。
要するに逃げたんです。
先生。
今日私が来たのは先生の…。
わかってます。
警察に言われたんですよね?僕を疑ってる刑事さんに話を聞いてこいって。
違います。
どうせ外に来てるんでしょ?刑事さん。
先生汗がすごいですよ。
はぐらかさないでください!刑事は来てません。
私一人で来ました。
この事件があってから体の具合が悪いそうおっしゃってたのが気になったから私は先生にお話があって来たんです。
榊さんは僕の味方なんですか?え?あっそうだ!そうですよね?風丘先生が僕の鑑定書にクレームつけていた時も榊さんかばってくれてましたもんね?聞いてたんですか?榊さんお話終わりましたか?
(ドアを閉める音)先生やっぱり指紋とDNAの提出をお願いします。
僕たち相談して先生の疑いを晴らすにはこれが一番いいんじゃないかな?と思いまして。
冗談じゃない。
え?冗談じゃない!ちょっとちょっと…あっ!
(ドアを開ける音)俺土門さんに話すなって言われる前に部長に報告しちゃってそれで…。
本当にすみませんでした。
もう謝らなくいいから。
いやでも…なんか2人いい感じでしたね。
いい感じ?俺が入った時なんかいい雰囲気だった気がしたから。
何訳のわからない事言ってるの。
まあそうですよね。
んな訳ないですよね?そんなにおいさせて。
えっにおう?あっはい。
まあこれぐらい近づくと。
アーモンド臭。
フフ…。
大丈夫です。
(嗅ぐ音)
(佐沢)あっチョコレート!まさか…。
まさかそんな…。
これは犯人に繋がる事実かもしれない。
藤倉部長への報告が必要か?報告したらきっと止められるわね。
お前はそれを捜査としてしようとしてるか?それならこれはお前と俺現場で判断すべき事だ。
でももしそれが捜査に影響を与えたら…。
確かにこれは藤倉部長の言う正攻法じゃない。
だが俺は今までの警察のやり方よりも榊お前を信じる。
まただましたんですか?榊さん2人っきりで話したいって言いましたよね?すみません。
みんなにも聞いてもらったほうがいいと思ったので。
マリコさんこれでいいですか?僕帰ります。
先生。
帰る前にこれを。
なんですか?なんでしょう?なんなんですか?意味がわかりません。
ちょっと…。
(嗅ぐ音)これって…。
うわ!シアンのにおいだ。
あっ本当だ。
アーモンド臭ってやつですね。
あっ嗅ぎすぎは体に毒ですよ。
一応安全に配慮した濃度になっています。
とはいえもうやめたほうがいいでしょう。
マリコさんまさか…。
佐沢先生はもうおわかりですね?特異的無嗅覚症。
え?特異的無嗅覚症。
ある特定のにおいだけが感じられない症状。
そうだったな?ええ。
佐沢先生の場合は多分シアンとチョコレート。
あっチョコならこの前ここで食べましたけど…。
ああ早月先生の差し入れ。
ああマリコさんに言われて同じチョコ買ってきた。
ああこれですこれです。
チョコのにおいしていますか?えっいや…今はまだ包まれていますから。
いやもうチョコレートのにおいしてますよ。
えっ?そう。
このお菓子はもうこの辺りでチョコレートのにおいがします。
でもこの前先生は…。
(日野)早月先生の差し入れです。
よろしかったらどうぞ。
あ…。
あっチョコレート!つまり先生は今まで視覚と味覚だけでチョコレートを認識していたんです。
そういえば特異的無嗅覚症で一番多いのがチョコレートのにおいを感じられないタイプだそうですね。
佐沢先生の場合はそれにプラスしてシアンのにおいも感じられないタイプだった。
それでも解剖してわかりやすい所見があれば見破れたけど…。
川島香音さんの場合はそうではなかった。
だから事件性を見逃した。
でも解剖でわかりやすい所見があったご遺体でもシアンのにおいはしなかった。
それを不思議に思った先生は無意識のうちに執拗にご遺体を嗅いでしまったんでしょう。
あの時のように。
(嗅ぐ音)先生!そのためにおいの成分を体に入れすぎてしまった。
におわないから警戒心が働かないんだ。
だからシアンのご遺体を3体も解剖した日から体調が悪くなった。
じゃあ僕の体調不良はそれで?佐沢先生至急専門医の治療を受けてください。
その体調不良は凶器のシアンを扱った犯人特有の症状かもしれないとは考えなかったのか?もちろん考えました。
お前たちの指摘で被疑者が症状に気づけば証拠隠滅を図るかもしれないとは考えなかったのか?もちろん考えました。
(藤倉)にもかかわらず被疑者に伝えたのか?はい。
自分たちの現場判断で伝えました。
そんな勝手な判断は許可していない!特にお前たちには。
この前勝手な判断をして間違ったばかりだろう!お前たちには相応の処分を覚悟してもらう。
(木島)先生!ちょっと待ってください!あっ…すみません!止めたんですけど…。
榊さんがここにいるって聞いて…。
先生。
京都医科歯科大の佐沢先生です。
昨日せっかく榊さんが来てくれたのに僕ひどい事言っちゃって本当にすみませんでした。
いえ昨日先生は具合が悪かったんですから。
佐沢先生ここは刑事部長室です。
体の具合もうすっかりよくなりました。
え?もう?ええ昨日病院に行ってもらった薬飲んだらすぐに。
全部榊さんのおかげです。
ありがとうございました。
(藤倉)佐沢さんそういう話は後ほど他の場所で。
ああ!実は僕ずっと気になってた事があったんです。
はい?
(佐沢)でも事件と関係ないかもしれないし僕犯人扱いされちゃってとても言えるムードじゃなかったし…。
先生それはなんでしょうか?あっでも榊さんなら言ってもいいかな。
事件と関係なくても怒られないかなと思って。
だから僕今日ここに…。
先生ですからなんです?京都医科歯科大の佐沢先生に取材したそうですね?この記事を書く前に2度も。
(佐沢)1度目の取材は土浦裕子さんを解剖したあとすぐでした。
彼女の遺体に事件性があるかどうかって。
あっもちろんそれは警察に聞いてくださいって何も話しませんでしたよ。
2度目の取材は?同じ日のあと2人解剖したあとです。
まるで3人が同じ死因だと思ってるみたいでした。
だが被害者の名前や数は発表していない。
それで土浦裕子さんとお前の繋がりを調べた。
土浦准教授に強引な取材をして怪我をさせてますね?
(土浦裕子)ああっ!あっ痛い!痛い…。
彼女はあなたを訴えようとしていた。
そうなったらこの証拠がある以上お前の負けは決定的だ。
どっかに飛ばされ記者でいられなくなるかもしれない。
私に彼女を殺す動機があると?違うか?だからって無差別テロを起こしますか!?無差別テロか…。
お前のとこだけだったな?無差別テロと書いてるのは。
そういえばお前は会見の時もやたらと無差別テロにしようとしていたようだな。
何人も被害者が出てるんですよね?それで共通点もないとしたら無差別テロじゃないか!理由はなんだ!?答えろ!証拠がないなら失礼します!証拠はあります。
あなたが佐沢先生に渡した名刺の指紋が連続殺人の被害者の帽子に凶器のシアン化ナトリウム水溶液で付着していた指紋と一致しました。
それでも否認されるならこの毛髪のDNAとあなたのDNAを照合しましょう。
被害者2人に同じDNAの毛髪が付着していたんです。
指紋の証拠があればお前からDNAを採る令状は簡単に出るぞ。
それとも…。
今この場でDNAを任意提出しますか?
(戸塚)あの女の告訴が受理される前にあの女が死ねば…!土浦裕子さんですね?ああ。
シアンのにおいが消えるまで死体が発見されなければ解剖されないと思った。
(裕子)あっ!あっああ…。
うっ!あっ…!
(戸塚の声)なのに解剖に回されたって聞いて…。
(戸塚)先生死因教えてください。
(佐沢)…駄目駄目駄目駄目!死因は警察に聞いてください!
(戸塚の声)それで事件性が出たとわかった。
当然シアン化ナトリウムの手口もバレたと思った。
(戸塚の声)シアン化ナトリウムの製造法は以前化学工場の取材で勉強していた。
ああ〜っ!ううっ…うう…。
(香音)ううっ!
(香音)あっ…!怨恨の捜査が始まる前に怨恨の線じゃない無差別テロに偽装しよう…。
そう思って。
偽装だ?それでなんの罪もないなんの恨みもない人をお前は何人も殺したのか!?フフフフフ…。
君が目の敵にしているあの2人のお手柄か。
別に目の敵にしているわけでは…。
ただあの2人はあまりにも…。
ハハハ…いいんだいいんだ君。
終わりよければエブリシングオッケー!ハハハハ…!
(藤倉)今回はたまたまお前たちの独断が功を奏しただけだ。
次からは俺の判断を仰げ。
以上だ。
あの時判断を仰いでれば許可しましたか?俺はあらゆる情報を総合して判断する。
質問に答えてください。
犯人を割り出せるかもしれない情報を被疑者に伝える。
それはやはりありえない。
よくわかりました。
失礼します。
だがあるのかもしれない。
あらゆる情報を総合したうえの判断より一部の情報を繋いだだけの現場の判断が勝る事が。
今回は被害者の名前と数を伏せるという藤倉刑事部長の判断が功を奏したとも言えます。
どちらの判断も正しい場合どちらの判断も尊重する事は出来ないんでしょうか?どちらがより正しいかそれを選ばなければならない時が必ずくる。
その時選ぶのはお前たちではなく俺だ。
それでも自分の判断で進みたい…そういう場合は?それなら組織を抜けろ。
もしくは圧倒的な責任を負え。
自分で判断する奴はもはや道具ではない。
道具がミスをしたら修理をするか処分し道具を使う奴が最終的な責任を負えばいい。
道具でなくなるならその最終的な責任も負えと?その覚悟があって言ってるんだろうな?もちろんです。
失礼します!太秦で女性の変死体が発見されました。
わかったすぐ行く。
その死体アーモンド臭がするそうです。
えっ!?アーモンド臭?こんばんは。
僕の悪口言ってた先生。
柴田淳さんが歌う『科捜研の女』の主題歌『車窓』のCDを50名の皆様にプレゼントします。
ご覧の宛先までおはがきでご応募ください。
(宇佐見)シアン化カリウムの雨。
(藤倉)死傷者は15人。
犯人は捕まったのにどうして?別人のDNAで前歴はありません。
(木島)マリコさんが!マリコさんが!俺は絶対に許さない。
みんな…。
2014/12/04(木) 20:00〜20:54
ABCテレビ1
科捜研の女 #8[字]

京都の街で連続殺人!無差別テロか!?京都市内のあちこちで市民が突然苦悶し、バタバタと倒れる事件が発生する…。

詳細情報
◇番組内容
原因は、シアン化ナトリウムという薬物を霧吹きのようなもので噴きつけて殺害したものと思われ、“無差別テロ発生”という報道に騒然となる。マリコ(沢口靖子)たちの手では足りず、死体解剖の応援を以前依頼した佐沢(野村宏伸)に頼むが、死体検案書の記載に不可解な点が見つかり…。
◇出演者
沢口靖子、内藤剛志、若村麻由美、風間トオル、金田明夫、斉藤暁、長田成哉、崎本大海、山本ひかる、西田健
【ゲスト】野村宏伸、松田洋治
◇脚本
櫻井武晴
◇監督

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: