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ノーベル賞有力候補、リチウムイオン電池の「未解決リスク」

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2014/12/25 7:00
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 2014年のノーベル賞が、日本の技術者や産業界に大きな活力を与えている。

青色LEDの開発で、2014年12月にノーベル物理学賞を受賞した3人の日本人技術者(共同)
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青色LEDの開発で、2014年12月にノーベル物理学賞を受賞した3人の日本人技術者(共同)

 従来は基礎研究を重視する傾向があったが、青色LED(発光ダイオード)の受賞のように、実社会への影響度などを考慮する傾向が強まっているからだ。ノーベル財団は「世界の電力消費の4分の1は照明用に使用されているので、LED照明は地球資源の節約に貢献している」とのコメントを発表した。技術の実用化が得意な日本で“受賞ラッシュ”が起きるのではという期待が高まっている。

 その点で、注目度が高いのがリチウム(Li)イオン電池だ。日本の技術者たちが基本原理を発明しており、長らく「受賞の可能性あり」とみられている。2014年2月に元ソニー技術者の西美緒氏と旭化成フェローの吉野彰氏ら4名は、「工学分野のノーベル賞」と呼ばれる「チャールズ・スターク・ドレイパー賞」を受賞した。

 実際、リチウムイオン電池の実用化なくしては、小型のノートパソコンやスマートフォン(スマホ)の普及、そして電気自動車(EV)の台頭はなかったと言える。EV専業の米テスラ・モーターズのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)は、「当社のEVには日本の心が入っている」と日本の電池技術への賞賛を惜しまない。

■繰り返されるトラブル

 ただ、そんな雰囲気に水を差すのが発火などのトラブルだ。「ノーベル賞の審査委員たちも未だにトラブルが続く技術に賞を与えづらいのではないか」との声が、電池業界関係者の間で上がっている。もちろん実際の審査過程に影響があるのかは分からないが、トラブルがつきまとう技術に賞を与えることは、ノーベル賞の信頼性にも関わってきそうだ。

 リチウムイオン電池がソニーと旭化成などによって初めて実用化されたのは1991年。繰り返し充放電できる2次電池として、従来のニッケル・カドミウム(Ni-Cd)電池やニッケル水素(Ni-MH)電池よりも高いエネルギー密度を持つため、携帯機器を中心に採用が広がった。しかし、その高いエネルギー密度は、異常発熱や発火といった“負の側面”ももたらした。

 2006年には携帯電話やノートパソコンに搭載されたリチウムイオン電池のトラブルが相次いだ。例えば、ソニーエナジー・デバイス製の電池を搭載したノートパソコンが発火事故を起こし、同社が世界で約960万個を回収する大きな事態に発展した。

 最近では、米航空機大手ボーイングが鳴り物入りで投入した新型機「787」に搭載したジーエス・ユアサコーポレーション(GSユアサ)製リチウムイオン電池が、2013年1月に発火事故を起こした。

2013年1月16日に高松空港に緊急着陸したANA692便のボーイング787型機。山口宇部空港を離陸して羽田空港に向かっていたが、リチウムイオン電池から煙が上がって緊急着陸した
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2013年1月16日に高松空港に緊急着陸したANA692便のボーイング787型機。山口宇部空港を離陸して羽田空港に向かっていたが、リチウムイオン電池から煙が上がって緊急着陸した

 2013年6月には、三菱自動車がプラグインハイブリッド車(PHV)「アウトランダーPHEV」のリコールを実施した。同車に搭載したリチウムイオン電池で不具合が発生したためだ。

 また2014年11月には、ノートパソコンに搭載されたパナソニック製リチウムイオン電池で発火事故が報告され、同社はリコール(回収・無償修理)している。

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