(禾生)以上がこの社会の秩序たるシビュラシステムの真実よ。
(美佳)素晴らしい…素晴らしいです!まさに英知の結晶!免罪体質者による裁きだなんて…。
そんな素晴らしいシステムでこの社会は守られていたんですね!社会が是とするものを無条件で受け入れるその姿勢。
確かに理想的な市民のモデルケースではあるわね。
(朔夜)ええ。
極めてクリアな存在です。
あなたとは違ってね。
(犬の悲鳴)
(美沙子)《あの子が人工的につくられた免罪体質者》《その唯一の成功例よ》
(朔夜)《ん?》
(朔夜)《あっ…母さん!》
(美沙子)《本当にあなたはいい子だわ》
(殴る音)
(美沙子)《素晴らしいわ!》私感動しました!これは法の理想の形です。
(朔夜)母さんを清らかに保つ者ならもう染める理由はありません。
彼女には別の使い道がある。
へえ…どんな?常守朱を黒く染めるために。
えっ?
(朱)先生。
人を裁く完全な存在がいたとしてその存在を裁くことは可能ですか?
(雑賀)完全な存在。
神様だとでも言うつもりか?全能者のパラドクスってやつだな。
全能者は自分でも持ち上げることができない重い石を想像できるか?
(朱)パラドクス。
(雑賀)そう。
もし持ち上げることができない石をつくりだせたなら石ができた時点で全能者ではなくなってしまう。
そして石がつくりだせないならその時点で全能者ではない。
まあどちらにしても矛盾が生じてしまう。
さっきの問いも同じだ。
裁きを下すその存在が完全なら自分をも裁かねばならない。
パラドクスの解決方法は?前提か過程か結論のどこかに誤りがある。
もしくはそれらのうちどれかが実は正解だと証明することだ。
誤りか…正解か…。
フッ…なぜこんな話題になったんだろうな。
俺たちはシビュラの話をしていたはずなんだが。
フゥ…。
《「WhatColor?」何色か?》《知りたいのはシビュラの色》《そしてあなた自身の色》《もしもそれら2つが同じものだとしたら…》この世界の神様か…。
《そんな危なっかしい話はするなと言うべきだろうにあいつの答えに期待してしまっている》《フッ…俺もたいがいだな》依存か…。
鹿矛囲のシンパどももこれと同じ気分だったってわけか。
・
(足音)
(枡嵜)あなたは…。
(禾生)久しぶりね枡嵜先生。
会うのは桐斗君の手術以来かしら。
(枡嵜)あっ…!やはり生きておられたのですね。
東金院長。
フフフフ…。
《全能者のパラドクスの解消手段》《その一つは全能者は同じ瞬間に全能である必要はないということ》《自分でも持ち上げられない重い石をつくりだした後軽くする》《これなら全能性を保てる》《今のシビュラシステムが採用しているのもちょうどこの解消手段》《シビュラは自分に裁けない免罪体質者を自らに組み込むことで完全性を保っている》《でも鹿矛囲は他人をクリアにすることで事実上あらゆる人間を免罪体質者に等しくした》《結果パラドクスの解決を封じてしまった》《その上で鹿矛囲はさらに疑問を投げ掛けている》《シビュラはシビュラを裁けるのかと》《裁けないならシビュラはシビュラ自身の例外となる》《解決は自分を自分に組み込むこと》《もちろんそんなことは不可能であり彼らの完全性は失われる》《では彼らが自分を裁けるなら…》《裁けない者はないという点で完全性は保たれる》《だけどもしそうならシビュラを構成する者たちをもう免罪体質とは言えず裁くべき者を裁かなかったことになってしまう》《このパラドクスの解決は一つだけ…》犯行に使われたのはドミネーターです。
また話し相手を失っちまった。
ドミネーターが使用された以上鹿矛囲の犯行とみるべきでしょう。
(志恩)公安局内の監視カメラのログデータ。
昨晩の22時以降から別日の映像に上書きされてるわね。
(宜野座)公安のシステムに侵入されたということか?
(志恩)ええ。
一応痕跡らしいものも残ってる。
…けどこれが不思議なのよね。
枡嵜は知り過ぎた。
母さんの秘密に触れる者は排除すべきだ。
やっぱりあなたが…。
どうした?俺が怖いのか?
(朔夜)その感情は誤りだ。
なぜなら俺は母さんの…。
シビュラの申し子なのだから。
(朔夜)俺の意思は社会の意思。
俺の目は社会の目。
順法精神を誓う以上お前は俺を否定することはできない。
たとえどんなに潜在犯を嫌悪していようともな。
要件は何?
(朔夜)お前に調べてほしいことがある。
常守朱の祖母の居場所だ。
(美佳)えっ…。
彼女には鹿矛囲を殺す役目を担ってもらう。
(六合塚)一つ気になる動きが。
ここ最近国交省の役人が頻繁に会合を開いています。
名前は島浩一23歳。
省内一の若手でホープと見なされている人物のようです。
(六合塚)調べたところ島は例の飛行機事故に遭った小学校に在籍し修学旅行の1週間前に転校していたことが判明しました。
(朔夜)事故を寸前で免れた人物か。
つながったな鹿矛囲と。
ええ。
島は鹿矛囲の隠れ家だった港の管理会社の株主でもあります。
そして国交省の役人。
彼が協力者だと仮定すれば鹿矛囲が各界の重要人物と接触できたことにも説明がつく。
その点も本人に聞いてみましょう。
彼の現在位置を。
直ちに島浩一を確保します。
(島)新しい社会の幕開けに。
乾杯。
(鹿矛囲)手間を掛けさせたね。
(島)いいんだ。
茶番のセレモニーマスターが俺にはお似合いさ。
これでようやくシビュラシステムを排除できる。
そうだ。
やっとわれわれの時代が来る。
君がいるから皆安心してシビュラを否定できる。
それだけでも革命的だ。
ハァ…そろそろやってしまおう。
見るに堪えない。
ああ。
(役人たち)うん?お疲れさま。
君たちの役目はここまでだ。
(島)皆さん最後にメーンディッシュをご用意させていただきました。
ご堪能ください。
(役人たち)うん?
(役人)うっ…!
(悲鳴)
(役人)あっ…!
(悲鳴)うっうえ…。
(ドミネーター)「犯罪係数オーバー250」「執行対象です」
(酒々井)かわいそうに。
な…なぜだ…。
なぜこんな…。
それはこちらのせりふだ。
君たちは地獄の季節を黙認しあまたの犠牲者をむさぼって今の地位を手に入れさらには自らをクリアに保つため人の命をもてあそんだ。
(ドミネーター)「犯罪係数313」「執行モードリーサル・エリミネーター」ああ…助けてくれ鹿矛囲!これが君たちの本当の色だ。
や…やめ…。
・
(銃声)
(悲鳴)酒々井監視官のドミネーターが使用されたわ。
(志恩)場所は千代田区セントラルホール。
今向かっている場所じゃ…。
現場一帯をドローンで封鎖。
急いで!
(島)ありがとう。
これでみんなに謝ることができる。
君が責任を感じることじゃない。
(島)自分だけが助かった罪悪感で子供の俺は潜在犯になりかけた。
社会秩序を守るシビュラシステム。
そのエゴ故に184人の友が殺され俺は社会から消えるところだったよ。
君を曇らせはしない。
行こう。
共に裁きの場へ。
俺にはお前のように人を導けない。
結局俺もこいつらと同じ救われた側の人間だ。
(島)そうか。
後は手はずどおりに。
半信半疑の情報だったが無事切り札を手に入れた。
(鹿矛囲)必要ないと言ったはずだ。
(島)常守朱は最大の障害になり得る。
行動を封じるに越したことはない。
(鹿矛囲)その程度で彼女は止まらない。
どんな状況においても自分の色を保ち続ける彼女だから裁きの証人になってほしいんだ。
ならこれで彼女を試せるさ。
浩一。
(島)行け桐斗。
俺はここで役目を果たす。
鹿矛囲公安が来ます。
君は再会するずっと前からもう僕たちの大切な仲間だったよ。
お前たちなら世界を変えられる。
お前たち全員でシビュラを裁け。
(サイレン)
(島)さすがに早いな。
公安は優秀だ。
鹿矛囲はどこ?
(島)彼は行った。
(島)だが無駄足ではないよ。
代わりに彼らを見送ってやってくれ。
あ…ああ…!うっ!ひどい…何てことを。
(宜野座)これが人間にやることか!
(島)まさに地獄絵図…だろう?身の毛もよだつ行為だ。
(朔夜)これをやったのは鹿矛囲か?
(島)冗談を言うな。
こんな遊びでしかサイコパスを保てなかったのはあの中で残骸になっている役人どもだ。
そしてこれはその報復だと?
(島)彼らは全員密入国者だ。
何らかの事情で国を捨て役人どもの甘い言葉で集められそしておもちゃにされた。
こんなまねをしておきながらいざ犯罪係数が上がったらやつらは鹿矛囲に救いを求めた。
そして鹿矛囲の逆鱗に触れた。
(島)焼いてくれと願ったのは家畜にされた人々だ!彼らはもう元の姿には戻れない!鹿矛囲がそうであるように…。
同行に応じてもらえますか?
(島)もちろんだ。
だがその前にこれを…。
何をした!常守!何をした!
(宜野座)常守!やめろ!何をしたー!!
(宜野座)六合塚!
(六合塚)常守…葵…。
何!?ああ…雑賀譲二だ。
あんたの取り調べを担当する。
俺のことで妙な噂が広まっててな。
何でも俺と話すとサイコパスが濁るそうだ。
本当にそんなことができるのか試してみたくなったのは初めてだよ。
要求は何だ?常守朱は鹿矛囲に近づいた。
厄介だし冒涜ですらある。
少しおとなしくしてほしい。
あんたの独断か?鹿矛囲は常守に来てほしがってるだろ?鹿矛囲はどこだ?
(島)この都市のはらわたに。
(宜野座)地下鉄!?監視カメラが鹿矛囲を捉えたのが15分前。
一緒にいるのは?
(志恩)全員年齢も職業もばらばらね。
(通信音)
(雑賀)15年前交通航空の関係で親しい人間を失っていないか調べろ。
了解。
(志恩)長谷部良介は両親を誘導灯の不備による衝突事故で。
尾城信一は兄を踏切の誤作動による追突事故で。
大浦雪穂も父親を航空機事故でそれぞれ亡くしている。
やはり…。
接点は皆地獄の季節か。
今まで透明人間として振る舞ってきた鹿矛囲が姿を見せながら行動を起こした。
つまり…。
決着をつけようとしている。
(葵)うーん…あーちゃんのお仲間さんかい?
(朔夜)フフフ…ええ。
(殴る音)2014/12/05(金) 01:58〜02:28
関西テレビ1
PSYCHO−PASS サイコパス 2[字]【人気シリーズの第二弾!】
東金財団と鹿矛囲の関係に辿り着いた美佳は、シビュラシステムの真実を告げられる。その頃、鹿矛囲は奪ったドミネーターを手に政府の役人たちと対峙していた…。
詳細情報
番組内容
システムが正義を下し、銃が人を裁く近未来。
銃の射手として犯罪者を追う刑事たち。
システムを逸脱する犯罪に直面したとき、果たして──。
人間の心理状態や性格的傾向を計測し、数値化できるようになった近未来。人々はこの測定値を「PSYCHO−PASS(サイコパス)」の俗称で呼び、その数値を指標として「良き人生」をおくろうと躍起になっていた。
犯罪も数値によって対処される。厚生省公安局の刑事たちは、
番組内容2
高い犯罪係数を持ち犯罪者の心理に迫る猟犬「執行官」と冷静な判断力で執行官を指揮するエリート「監視官」がチームを組み、包括的生涯福祉支援システム「シビュラシステム」によって解析された犯罪に関する数値「犯罪係数」をもとに、都市の治安を守る。彼らは、数値が規定値を超えた罪を犯す危険性のある犯罪者「潜在犯」を追い、「犯罪係数」を瞬時に測定し断罪する銃「ドミネーター」で執行するのである。
「犯罪係数」が
番組内容3
正確に解析できない「免罪体質者」槙島聖護の事件を経て、刑事として成長し、シビュラシステムの真実を知るに至った監視官の常守朱は、人間性と法秩序を信じながらもシステムに従い、新たな刑事課一係を率いて日々犯罪に立ち向かっていた。
システムを揺るがす怪物が、すぐ目の前まで忍び寄っていることを知らずに──。
出演者
常守朱: 花澤香菜
宜野座伸元: 野島健児
霜月美佳: 佐倉綾音
東金朔夜: 藤原啓治
雛河翔: 櫻井孝宏
六合塚弥生: 伊藤静
唐之杜志恩: 沢城みゆき
鹿矛囲桐斗: 木村良平
ほか
スタッフ
【監督】
塩谷直義
【シリーズ構成】
冲方丁
【企画監修】
本広克行
虚淵玄(ニトロプラス)
【脚本】
熊谷純
【キャラクター原案】
天野明
【キャラクターデザイン】
浅野恭司
【シリーズディレクター】
鈴木清崇
【総作画監督】
浅野恭司