(テーマ音楽)
(昼間敬仁)インド北東部ニュージャルパイグリ。
こを始発駅とするダージリン・ヒマラヤ鉄道です。
午前9時出発です。
ニュージャルパイグリから終点のダージリンまで8km。
ヒマラヤの山岳地帯を2,0m以上登ります。
開通したのは181年。
世界最古の山岳鉄道として191年ユネスコ世界遺産に登録されました。
(汽笛)ニュージャルパイグリを出発した列車はまず市場の中を通ります。
運行は日に2本。
人々は列車が通る時だけ線路を空けます。
線路の幅はトロッコと同じわずか61cm。
狭軌鉄道の中でもさらに狭い方です。
かつての蒸気機関車に代わり現在はディーゼル機関車が走ります。
しかし途中駅のカルシャンから先では今でも蒸気機関車が現役です。
小さな客車をけん引して走るその姿からトイトレイン…「おもちゃの汽車」と呼ばれています。
時速は十数km。
自転車にも追い抜かれます。
それでも通勤や通学など地元の人々の足として欠かせません。
(汽笛)平野部を走ってきた列車は徐々に山道を登り始めます。
ダージリン・ヒマラヤ鉄道はもともとあった山道を利用して線路が敷かれました。
そのため道路を左右に横切りながら走ります。
踏み切りはありませんが大きな事故はほとんどないといます。
こう配が少し急になると列車の速度はさらに遅くなります。
人が楽に飛び乗れるくらいです。
ダージリン・ヒマラヤ鉄道には急こう配を登るための工夫がいくつもあります。
ジグザグに敷かれた線路を前進と後退を繰り返しながらつづらおりの山道を登ります。
ダージリン・ヒマラヤ鉄道にはこうしたスイッチバックが6か所あります。
もう1つの工夫はループです。
らせん状に敷かれた線路を円を描くように走って高度を稼ぎます。
これらの工夫はダージリン・ヒマラヤ鉄道で最初に採用されその後世界の山岳鉄道で使われるようになりました。
険しい山岳地帯を乗り越え列車は路線の中ほどを過ぎました。
間もなくカルシャン駅に到着です。
(汽笛)町の名前はチベット語で「白いランの花」という意味です。
(汽笛)こでいよいよお目当ての蒸気機関車に乗り換えます。
しかし運行は日に1本。
明日の朝まで待たなければなりません。
カルシャンは鉄道の線路沿いに発達した町です。
チベット系の住民が多く暮らします。
列車が通り過ぎた後の線路は子供たちの格好の遊び場になっていました。
翌朝6時。
(汽笛)カルシャン駅の車庫から蒸気機関車が姿を現しました。
高さおよそ2m。
世界最古の山岳鉄道を走るこの小さな蒸気機関車は多くの鉄道ファンにとってあこがれの存在です。
出発前に石炭と水を補給します。
石炭は50kgを積み込むことができます。
この機関車は1926年に造られました。
長い間丁寧に整備され部品を工夫しいまだに現役で走っています。
(汽笛)午前7時出発です。
こから終点のダージリンまでおよそ30km。
標高差70mを気に駆け上がります。
(汽笛)機関車の前には人が乗り線路に障害物がないか見張ります。
急こう配にさしかると前に乗った乗務員がレールに滑り止めの砂をまきます。
こうすることで摩擦を増やし車輪が空回りするのを防ぐのです。
1時間ほど走って列車が止まりました。
給水です。
タンクが小さいので途中で何度も水を補給しなくてはなりません。
油圧の機械の調子が悪いようです。
水をかけて冷やします。
ベテランの機関士たちは走行中のわずかな音の変化で機関車の異常を察知するといます。
なんとか回復したようです。
列車は再びダージリンを目指して走ります。
(汽笛)小学校が近づいたところで列車は速度を落とします。
走る列車から乗り降りする子供たち。
毎日のことですから慣れたものです。
(汽笛)かつてこの辺りには大きな町はなく山あいに小さな集落が点在していました。
ふもとの町まで行くには馬で5日以上かったといます。
インドを植民地としていたイギリス人は高地にあるダージリンを避暑地として開発するため鉄道を建設しました。
絶大な国力を背景に2年2か月という短期間で鉄道を完成させました。
当時イギリスはチベットへの勢力拡大をはかっていました。
ダージリン・ヒマラヤ鉄道はその重要な足がかりでもあったのです。
標高2,143m。
ダージリンの町が見えてきました。
(汽笛)老体にムチ打って走ってきた蒸気機関車は無事終着駅のダージリンに到着しました。
機関車はこの後車庫に入って入念に整備されます。
(汽笛)ダージリンは人8万3,0。
ネパールやチベットに近く古くからさまざまな民族が行き交う町でした。
山すそには茶畑が広がっています。
この地域は霧が多く良質な茶葉の栽培に適しているのです。
鉄道で港へ運ばれた茶葉はダージリンティーとして世界に知られるようになりました。
(汽笛)植民地時代から3つの世紀にわたって歴史を見つめてきたダージリン・ヒマラヤ鉄道。
今日もヒマラヤの山々を走り続けています。
2014/12/05(金) 08:45〜09:00
NHK総合1・神戸
世界の鉄道グラフィティ「世界の屋根を走る〜ダージリン・ヒマラヤ鉄道」[字]
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