くらし☆解説「原油安で一服?年末年始の家計」 2014.12.05


生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
「くらしきらり解説」です。
きょうのテーマは原油安で一服?年末年始の家計です。
担当は今井純子解説委員です。
今井⇒よろしくお願いします。
今井さん、原油安とありますけれどどのくらい下がっていますか?かなり下がっています。
こちらをご覧ください。
バレルという単位で見たものなんですけれど夏には100ドルを超えた原油の価格が今70ドルを割る水準まで下がっているんです。
逆オイルショックと呼ばれるものなんです。
それほど急激な下がり方です。
原油が安くなることは生活する立場にとってはありがたいことですよね。
身の回りでも値下がりするものが出てきています。
例えば、ガソリンですけれども今月初めは全国の平均で157.4円。
7月のピークと比べると12円余り下がっています。
これは消費税増税の前の水準と同じなんです。
また灯油ですけれども、こちらはピークと比べると6円余り値下がりしています。
特に寒い地域では、年末年始灯油が欠かせません。
欠かせない方が多いので非常に助かりますよね。
なぜそもそもこれほど原油が安くなっているんですか。
大きな背景はこちらです、まず供給側として見るとアメリカでこれまで採掘ができなかったシェールオイルと言われる原油。
こちら、技術が発達したことで開発できるようになって世界的に原油の供給が増えたということなんです。
一方の需要のほうはといいますと中国やヨーロッパの経済が低迷しているので今後需要が落ち込むという見方が広がっているということがあります。
つまり供給と比べて需要のほうが低くなっている、供給が多い状態になっているということが大きな背景にあります。
供給が多いと価格が下がりますよね。
そこに内戦状態でストップしていた産油国のリビアからの輸出が夏場に再開された。
これが加わって一気に価格が下がりました。
さらに、これまでは原油の価格が安くなると中東やアフリカを中心とした産油国の集まりのOPECが減産することで供給を減らしてきたんですけれど先月開かれたOPECの総会では減産を見送ったんです。
このため、このように供給が多すぎる状態がしばらく続くのではないかという見通しが広がってさらに価格が下がるということになったんです。
なぜOPECは減産を見送ったんですか?これはアメリカのシェールオイル。
OPECにとっては新たなライバルということになるんですけれど、こちらは採掘するのに従来の原油よりもお金がかかると言われているんです。
実際どこまで価格が下がったら採算割れになってシェールオイルの生産、開発にストップがかかるのかOPECは新たなライバルの実力を試しているのではないか、という見方が出ているんです。
それで見送ったと言われているんですね。
そうした価格の水準が続くとガソリンでは9.7%灯油は17.1%価格が下がるという試算があります。
電気代についても若干タイムラグがありますので来年以降本格的に影響が出てくるとみられていますけれど1.4%程度電気代が下がる要因になるというのが第一生命経済研究所の試算なんです。
ガソリンや電気代が下がると恩恵を受ける人も広がりますよね。
そうですね。
特にガソリンとか灯油が生活に欠かせない地方では少しお財布に余裕ができてこれまで我慢してきたものやサービスにお金を使うという方もいるかもしれません。
そうなると地方で消費が増えることにつながります。
またこれまで燃料費とか石油化学製品の原材料費が上がっても取引先に買いたたかれて販売価格に転嫁できなかったという中小企業も多いんですけれどそうしたところも仕入れ価格が下がることで少し息をつけることになるかもしれません。
さまざまなところで恩恵が受けられる可能性があるんですね。
特に、地方とか中小企業はこれまで円安のマイナスの影響というのを特に強く受けてきたところなんです。
こうしたところにまで恩恵が広がることになると、全体的に明るさが増すということにつながるかもしれません。
ただ、こうした原油価格の値下がりのメリットですけれど本来ですと、もっ恩恵があったかもしれない。
つまりもっとこうしたものの値段が下がってもよかったはずなんです。
それが、かなり打ち消されてしまったという見方があります。
どういうことですか?この間、円安が進んだからなんです。
夏前には1ドル103円だった円ですけれど今118円から120円に下がってきています。
これがあるからなんです。
もうちょっと分かりやすく計算してみたいと思います。
例えば、1バレルの原油が100ドルから70ドルに下がった場合、為替が1ドル103円の水準が続いていたとすると輸入の価格は1万300円から本来ですと7210円に3000円程度下がってもよいはずだったんです。
円安が進んでいなければということですね。
今15円程度、円安が進んでしまった結果原油の価格は8260円にとどまってしまいました。
円安で1000円ぐらい恩恵を受け損ねたんですね。
お金を出す消費者の立場から言うと恩恵を受け損ねたという考えになるかもしれません。
ただ、エネルギーの価格ですとそれでもまだ恩恵があるんですけれど円安の恩恵が強いんですけれども、ものによっては原油価格が下がったものよりも、円安の影響のほうが強く出ているものもあります。
例えばどんなものですか。
身近な物で言うと食料品です。
高くなっていますね。
年末年始にかかわりがあるもので見てみますとケーキ作りに欠かせない小麦粉とかチョコレートこうしたところで値上がりが目立っています。
輸入物のワインとか鶏肉こちらも値上がりしています。
またおせち作りに欠かせないえびとか輸入の牛肉こういったものも大きく値上がりしています。
ケーキやおせち料理を店で買う場合も値上がりしているんですか。
いくつかのお店で聞いてみましたけれどデパートなどでは夏前までに実際の価格とか内容が決まっているので、去年と比べてそう大きな値上がりはしていないという店が多かったんです。
ただ店によっては例えば同じ価格でもケーキのサイズを小さくしたりいちごの数を減らしたりまた、おせちでも1人用2人用といった少人数用のコンパクトなサイズを用意して価格は若干割高にする、こうした工夫をしているところもありました。
食料品には円安の恩恵はないんですか。
全くないわけではないです。
けれどもエネルギーの価格あらゆるところに影響しています。
配送用の燃料費工場やお店の電気代レジ袋の原材料さらにはビニールハウスを温めるボイラーですとか漁船の燃料こうした物も原油の価格が下がると値下がりします。
ですのでこうした工場や店で作ったり販売したりするさまざまな食料品についても円安による値上げの圧力を和らげてくれる効果というのはあるんです。
ただ、それでも食料品全体で見ると円安の影響のほうが強く出てきますので今後、今の状態が続くと0.5%程度食料品が値上がりする要因になるということなんです。
ものによって影響が違ってくるというわけなんですね。
1ドル15円の円安と30ドルの原油安その値下げの恩恵その影響がどう出るかまたいつ影響が出るか変わってくるんです。
品物によってですね。
ただこれだけ原因を受けやすくなってきますと長い目で見ると消費者にとっても経済にとってもかなり大きな追い風とになります。
ただ相場ですから分かりません中東情勢しだいではいつ原油が大きく値上がりするかも分かりません今後さらに円安が進むことになりますと原油が下がる効果を打ち消してしまう可能性もあります。
それだけに私たち消費者としても原油と円の価格が今後どうなっていくのかかなり気になる状態がしばらく続きます。
2014/12/05(金) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「原油安で一服?年末年始の家計」[字]

NHK解説委員…今井純子,【司会】岩渕梢

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【出演】NHK解説委員…今井純子,【司会】岩渕梢

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