子育て・教育
3歳の娘の英語力をキープする必然性を感じなかった
川合 枝廣さんが29歳で同時通訳者を目指して英語学習を開始したのは、だんなさまの仕事で一家で米国に2年間滞在したのがきっかけですよね。下のお子さんはご帰国後に生まれていますが、上の娘さんはアメリカのデイケア(託児所)で過ごす時間も長く、英語に慣れ親しんだと伺っています。
枝廣 米国に連れていったとき、長女は7カ月で、帰国したときは3歳になっていました。彼女は英語を話すようになっていて、発音も家族の中では一番よかったですね。
面白かったのは、長女は、託児所にいるときは、お友達と流ちょうな英語で会話しているんですが、私にはわざと日本語なまりの英語で話すんですよ(笑)。そんな器用なことができるくらい、このくらいの年代の子どもは耳がいいんだなぁと思いました。
川合 帰国後、そんな娘さんの英語力をあえて維持・向上しようとしなかったのには、何か理由がありますか?
枝廣 帰国すると当然、100パーセント日本語の環境に順応しないといけないですよね。だから、米国と同じような環境を日本で与えられるならともかく、家で1〜2時間だけ英語で話しかけるというように中途半端に英語を引きずることが、彼女にとってプラスになるとは思わなかったのです。帰国後1カ月で英語は見事に忘れていましたが、彼女の人生にはそれでいいと思いました。
私自身が29歳から英語学習を始めて英語ができるようなったので、本人がやりたいと思うときにやればいいと思っています。それが、語学習得の一番の近道だと思いますしね。それに、当時夫も「家で英語を話すなんて、僕が胃かいようになる」って言ってましたから(笑)。
英語学習は何歳でもやりたいと思ったときが始めどき
川合 親が押しつけるのではなく、本人のやる気を尊重するということですね。
枝廣 子どもに英語を早くから学ばせたいと親が思うのは、幼いころの吸収力が高いからとか、耳がいいから、という理由だと思うんですが、私は自分の経験から「英語ができるようになるのに年齢は関係ない」と思っているんです。
連載バックナンバー
川合亮平の「英語ができる子にする極意」
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