(一茂)《沼田一茂昭和40年9月10日生まれ》《B型》《順風満帆の人生だった》《東大に入れなくてもそこそこの大学には受かったし一流企業にも就職できた》《見合いだったが美人の妻とも結婚して2人の子供にも恵まれた》《妻の実家が経営している取引先とのトラブルで営業部から人事部へ異動はしたが課長にもなれた》《そんなときだった。
吉本先生に出会ったのは》《彼はこれまでにいないタイプの家庭教師だった》《先生がうちに来たころ1人の女性に出会った》《名前は浅海舞香》《彼女との浮気が原因で夫婦の仲に亀裂が入った》《しかも彼女は息子の恋人だった》《いったい彼女は何者なのか》《そんなことを考える暇もなく今度は妻が株で1,000万円もの大金を損失していたことが発覚した》《来月中に返済できないとこの家を抵当に入れることになる》《そうなったら家族もばらばらになってしまう》
(一茂)《この状況を立て直せるのは…》《俺しかいない》
(一茂)おい勝野。
(勝野)はい。
(一茂)8月の早期退職者の退職金の申請書まだだよな?ええ。
もう作成はしてるんですけど。
俺がやっとこうか?
(勝野)えっホントですか?あっじゃあこれにデータ入ってるんで。
(社員)お先に失礼します。
・
(ドアの開閉音)
(真希)すごい。
(真希)《今度行ってみようと思うんです》
(吉本)《いいねえ》
(真希)この日場所を間違えたとか言ってたけどホントは来てたんでしょ?やっぱり。
それでなかなか会ってくれなかったんだ。
私が吉本と会ってたから?
(慎一)真希さんと吉本がつながってたんじゃないかって。
そんなわけないでしょ。
ただお礼を言われただけ。
ほらお父さんに会ったでしょ?あれの。
でも笑ってたし。
あ〜…ヘヘヘ。
慎一君のこと色々教えてくれたの。
熟睡しているときは白目をむいてるとかエッチなDVDを本棚の裏に隠してるとか。
ハハハそれがおかしくて。
誤解させちゃってごめんね。
そういうことならそうやって…。
機嫌直してくれた?もうすぐ2学期だねえ。
夏休み終わったら出てってくれるんですよね?高校辞めて働くんだって?成邦館高校にいるのにもったいないねえ。
真希さんですか?なかなかいい子じゃない。
君のこと心配してたよ。
でも君に高校辞められると困るんだよな〜。
家庭教師いらなくなりますね。
そうなんだよ。
ハワイに行くお金も欲しいしさ。
ねえ俺とゲームしない?君が無事に高校を卒業することができたら君の言うことを1つ聞こう。
茂之にやったやつですか。
何でも言うこと聞くって。
じゃ「死ね」って言ったら?死ぬよ。
あっでもハワイに行ったらね。
そこまでして行きたいんですか?行きたいよ。
「この木なんの木気になる木」見たいもん。
分かりましたよ。
じゃ俺が中退したら?そのときは俺の言うことを1つ聞いてもらおう。
ハワイ旅行全額負担とか。
いいねえ。
(飛鳥)先生に渡そうと思った。
でもその前に慎一の気持ち知りたくて。
好きな人って「マキ」って女でしょ?あの女のせいで慎一は変わっちゃった。
塾に行かなくなったのも次の大会に出ないのも全部あの女のせい…。
(慎一)彼女は関係ない。
大会に出れないのは単なる俺の力不足だ。
今までの俺が出来過ぎだったんだよ。
(飛鳥)そんなことないよ。
もう俺と付き合うメリットは何もないと思うぞ。
何?メリットって。
私そんなつもりで慎一と…。
(慎一)俺は初めからそう思ってた。
じゃ用あるから。
これ先生に出してもいいの?ホントに出すからね!
(勝野)8月分の退職金無事に振り込み完了しました。
何か問題は?
(勝野)いえありません。
そうか。
(ため息)
(茂之)先生。
んっ?
(茂之)先生あの…。
ちょっと相談したいことがあるんですけど。
何?実は今日学校で…。
あれ?もう帰ってきてたんだ。
あの写真飛鳥に渡したんですね。
何だあの子もうバラしちゃったんだ。
あなたは俺を中退させたいんですか?えっ?だって君が卒業までいたら俺は死ななきゃならないんでしょ。
それはちょっとな。
(慎一)あなたは最初っから俺を辞めさせるつもりだったんだ。
挫折を味わわせるために。
君だって初めから辞めるつもりなんかなかっただろ。
彼女に「高校辞めて働く」なんて言ったのは勢いだけのはったりにすぎない。
そりゃそうだ。
成邦館というブランドを早々に捨てられないもんな〜。
でも心配しなくていいよ。
茂之が自分で学校へ行ったみたいに君も自発的に辞めさせてあげるからさ。
ほい。
他に何かあるんですか?もちろん用意してあるよ。
君の心が折れるようなサプライズをねえ。
楽しみにしてますよ。
んっ。
で相談事って何?あっいえ大丈夫です。
茂之。
お前が家族を救え。
(一茂)ただいま。
(一茂)1,000万振り込んでおいたから。
(佳代子)どこでそんなお金…。
(一茂)お前は何も心配するな。
(佳代子)いやでも…。
(一茂)大丈夫。
これで元通りだ。
・おかえりなさ〜い!よいしょ。
(一茂)何?それ。
納戸の棚ですよ。
お母さん。
お金何とかなったよ。
そうですか。
だいたい君大げさなんだよ。
家族が崩壊するとかさ。
そんな簡単に家族の絆が失われるわけないでしょ。
ですよねえ。
絆があればの話ですけど。
いつ出ていくの?もうすぐ出ていきますよ。
あっ送別会とか結構ですんで。
家出ていくだけで家庭教師辞めるわけじゃないんだからそんなの必要ないでしょ。
そんなにやりたいんですか?・
(女性)あの…。
(慎一)あのここって一家心中で亡くなった立花さんの家があった所ですよね?そうですけど…。
何かの取材ですか?あっいえ…。
立花真希さんってご存知ですか?
(真希)どうしたの?急に。
今日真希さんの家のあった所に行ってきた。
どうして?
(慎一)近所の人が吉本のこと何か知ってないかなと思って。
ふ〜ん成果はあった?吉本のことじゃないんだけど。
隣の家の人が「立花家には女の子はいなかった」って言ってた。
えっ?
(慎一)俺も同じ反応だった。
どういうことかな?もしかして隣の家って赤い屋根の?そうだったかな…。
あ〜それで納得。
その人新しく越してきたの。
もともとあそこは空き家でねうちを壊した後にその家族が隣に越してきたの。
だから私も面識なくて。
知らなくて当然だよ。
そっか。
(真希)それよりさやっぱり高校辞めるの?いや行くことにした。
あ〜よかった。
絶対そっちの方がいいよ。
一緒に暮らすのはさ卒業してからだってできるわけだし。
安心したらおなかすいちゃった。
何か食べていい?
(慎一)うん。
(真希)ごちそうさま…ってホントにいいの?
(慎一)うん。
俺が呼び出したから。
だったらもっと食べればよかったフフ。
じゃあまたね。
慎一君。
バイバイ。
(慎一)バイバイ。
(慎一)ただいま。
(佳代子)慎ちゃんちょっといい?
(慎一)えっ?さっき学校から連絡があった。
「親と一緒に職員室に来てほしい」って。
何で呼ばれたか分かるよなあ?あいつホントに出したんだ。
出した?写真ですよ。
写真ってどんな?向こうで何を言われるかねえ。
お父さんに連絡するわね。
(バイブレーターの音)
(勝野)出なくていいんですか?まあ出られる状況じゃありませんよね。
もうすぐ部長も来ますから。
いつから分かってたんだ?別件でお貸ししたデータを確認していたときです。
でもうまくやりましたよね。
リストラ社員の退職金を水増しして1,000万かすめ取るなんて。
俺はどうなる?もちろん首ですよ。
当然でしょ。
これ横領ですから。
全額返済すれば穏便に済ませてくれるそうです。
感謝してくださいよ。
半人前だと思っていた部下に首を切られるのはどんな気分ですか?いい気になるなよ。
俺はまたはい上がってみせる。
退社は今日付です。
退職金はありません。
ちょっと待ってくれ。
せめて今月だけ…。
(勝野)課長。
俺の顔笑ってませんか?俺はまたはい上がってみせる?できるわけねえだろ。
あんたみたいなぽんこつ誰が雇うかよ。
待たせたね。
(若林)何であんなことしたんだ?ちゃんと答えろ。
意味はありません。
ただのストレス解消です。
お前そんなことで発散するなよ。
悩みがあるなら聞くから。
処分は何ですか?停学ですか?退学ですか?お前何…。
そういう問題じゃないんだよ。
ねえ先生。
はあ。
ちゃんと反省してるのか?ねえ先生。
さっきから何なんですか?あなた。
魔が差したのよね?お店の方には私からおわびに…。
(若林)お母さんも何を言ってるんですか?いや今日は進路希望のことでお呼びしたんですよ。
進路希望?
(若林)いや彼が進路希望を白紙で出したんで。
いや何かあったのかなと思って。
あっ電話でもそう言いましたけど。
んっ?いや〜どうやら聞き逃しちゃったみたいですね。
(佳代子)ホントに困りますからこういうこと。
でもよかったですね。
万引のことバレずに済んで。
やっぱり知ってたんですねえ。
いいお母さん持ってよかったねえ。
万引しても何も言われないなんてさあ。
お店に謝罪に行く前にもっとやることあるんじゃないですか?俺たちをもてあそんでそんなに楽しいか?君が威勢よく「だったら辞めてやる〜!」とか言ってくれたらもっと楽しめたんだけどなあ。
(慎一の舌打ち)
(一茂)じゃあみんな元気で。
お疲れさまでした。
泥沼田課長。
(勝野)最高でしょ?今の。
ちょっ…最高だったじゃん。
シ〜って笑ってんじゃん。
(生徒)来いよ。
(生徒たち)おい!
(生徒)来いよ。
(市原)ちょっと待てって。
くそっ。
(山尾のうめき声)
(三井)おい立てよ。
シゲお前もやれよ。
俺はいいよ。
(市原)いいからやれよほら。
お前にできんのかよ。
ハッ…ハハ。
てめえ…。
(山尾のうめき声)・沼田さんこんな所で…。
・大丈夫ですか?
(菜穂)にやけてないで起きてください。
・佳代子さん呼んだ方がいい?
(一茂)大丈夫。
・大丈夫ってちょっと…。
(一茂)大丈夫。
(京香)あっ茂之君。
ちょっとお父さんが大変よ。
(一茂)沼田君もう学校行くの?偉いね。
お父さん?お父さん。
(紗枝)ずいぶん酔ってるみたいだけど大丈夫?
(菜穂)でもまだ7時前よ?
(慎一のため息)・
(ドアの開く音)・
(一茂)ただいま〜。
ダブルシゲちゃんが帰ってきましたよ。
(佳代子)どうしたの?酔っぱらって家の前で寝てて。
(一茂)ダブルシゲちゃ〜ん。
こんなに飲むなんて珍しいわよね。
茂之君おかえり〜。
あれ?お父さん…。
よいしょ。
お父さん。
お父さん。
お父さん。
しょうがないなあ。
何するんですか?ほい。
(一茂)うわ〜。
目覚めました?何だ?これ。
お父さんお世話になりました。
今日でこの家出ていきます。
あっそうなの?そういうわけなんで返してもらおうと思って。
100万円。
あっ返すのはいつでもよかったんじゃ…。
そんなこと言ってませんよ。
何だ?100万って。
お母さんが最初に株で損したお金を補填してあげたんです。
まあ結局使われちゃいましたけど。
ホントか?すみません。
申し訳ございません軍曹殿。
もう少し待っていただけないでしょうか。
え〜?いつまでですか?実は私こう見えて会社を首になりました。
会社のお金に手を出しまして。
それがバレて〜ら〜でございます。
1,000万もぱあ!ハハハハ…。
どうしてそういうことを…。
(一茂)しょうがないだろ。
それしかなかったんだから。
「それしか」って…そっ…。
家族のためにやったんだよ!ハハハハハ。
最後の最後までやってくれますねえ。
ハハハハハ…。
(一茂)何がおかしい。
いや期待を裏切らないなと思って。
じゃこの家もう売るしかないですね。
そんな簡単に言うな。
まだ手はあるはずだ。
だいたいこんな立派な家あんたたちにはもったいないんだよ。
身の程わきまえないと。
おい君…。
まだメンツ。
まだ遠慮。
まだ演技。
まだ変わらない。
せっかく色々世話してやったのに結局何一つ学習しない。
ホント救いようのない家族だな。
何だと!?まだ気付きませんか?では…。
結果発表〜!さあ皆さん。
僕が仕掛けたトラップにどれだけ引っ掛かったのでしょうか。
今からその答え合わせをします!まずは〜!浅海舞香!彼女との出会いはどんなでしたか?財布を落とした彼女の代わりにランチをごちそうしてからのまさかの再会。
《やっと会えました》何で知ってんだ?あの運命的な出会いは偶然じゃありません。
芝居です。
(一茂)何だと?彼女は僕の指示どお〜りにやってくれました。
嘘だろ…。
じゃなきゃあんな都合よくラブホに誘う会話盗聴したりキスの写真撮れるわけないじゃないですかあ。
その浅海舞香か〜ら〜の〜!浮気発覚。
(拍手)お父さんの浮気は何で気付きました?そうワイシャツの口紅。
嘘…。
嘘じゃありません。
あれも僕が用意しました。
主婦仲間に浮気をにおわせるメールをしたのも僕です。
そして最後は〜!立花真希。
不思議だと思わなかった?たまたまホームページで知り合った管理人が親父の浮気相手だったなんて。
じゃあこの心中事件は?もっ…もちろん嘘。
適当にはまりそうな記事を見つけて勝手に君が共感してくれそうなお話を作っただけ。
うすうす感づいていたんだろ?立花真希が俺とつながっているんじゃないかって。
でも君は信じたかった。
裏切られたくなかった。
胸がキュンとなったり締め付けられるように苦しかったり〜。
ヒヒヒホホホホホ…。
いいねえ!ヘヘヘヘヘ。
(慎一)どうしてこんなこと。
挫折だよ。
人を信じることの素晴らしさと裏切られた悲しみ。
そして恋愛のときめきと失恋の苦しみ。
そういうものを教えてあげようと思ってねえ。
いい経験になったでしょ?
(慎一のうめき声)
(笑い声)みんなだまされてたってわけだ。
この俺に。
(笑い声)でもこ〜んなひどい結末は予想してなかったよ〜。
ギャンブル初心者が株に大金を注ぎ込んで大損。
あの95万までは俺の想定内だった。
でも何を血迷ったか1,000万まで借金しちゃうんだからびっくりしたよ〜。
しかもせっかく俺が実家に掛け合ってやったのにそれをほごにして横領なんてバカなことやらかした揚げ句に会社を首になって。
ホントどこまで崩壊させれば気が済むんだよ!この最悪の結末はあんたたち自身が招いたんだ。
沼田家は壊れるべくして壊れたんだよ。
(一茂)お前の目的はいったい何だ?もちろん茂之君と慎一君の教育です。
家庭崩壊はその環境づくりの一環です。
ふざけるな!首だ!お前なんか首だ!困りますよ。
ちゃんと契約書に書いてあるじゃない…。
うるさい!首だ。
その顔二度と見せるな!
(ため息)分かりました。
今回は特別ですよ?では100万円は後日あらためてということで。
それでは皆さん…。
さようなら〜!先生。
先生!先生!どこまで俺をだましてたんですか?真野さくらを買収したとこまでかな。
あとはお前が自分でやったことだ。
園田と仲直りできたのも三井市原竹下が「仲間に入れてくれ」って言ってきたのも。
いじめの主犯だった山尾を今度はお前がいじめていることも。
(ため息)やっぱりお前は駄目駄目な生徒だったよ。
(アナウンス)「おかけになった電話番号は現在使われておりません…」
(一茂)何だったんだあいつは。
何だったんだ俺たちは。
(一茂)もうこの家を売るしかないんだな。
どうして100万の損失が出た時点でやめなかったんだ?95万です。
(一茂)どうして俺に相談しなかったんだよ!怒鳴らないでください。
何でも言い合えるのが家族だろ!怒鳴らないでって言ってるでしょ!何よいまさら家族って。
浮気してたような人がよくそういうこと言えますね。
だから浅海君の件は誤解…。
(佳代子)今回だけじゃない。
父の会社に水増し請求してたときだって水商売の女性に貢いでたんでしょ?私が知らないとでも思いました?あれは仕事の付き合いで…。
(佳代子)また仕事。
いつもその言葉でごまかして。
いい気なもんよね。
具体的に何してるか分からないからどうとでも言えますもんね。
何だその言い方。
こっちの苦労も知らないで。
俺たちはな外で戦ってんだよ。
取引先とライバル会社と会社の上司や同僚と。
身を粉にして汗水垂らして働いてんだよ。
下げたくもない頭ぺこぺこ下げてそれでも家族を養うために頑張ってんだよ。
それなのに家に帰ってもいたわるどころか愚痴の一つも吐かせてくれない!それはあなたが…。
(一茂)うるさい!俺がしゃべってんだ!どうせお前らは俺のことを金稼ぎの道具ぐらいにしか思ってないんだろ。
俺だってな居心地のいい家だったら毎日すぐに帰ってくるよ!でもそうじゃないから外に癒やしを求めたんだろ!開き直らないでよ。
外で働くのがそんなに偉いの?だったら言わせていただきますけど家とその半径数km以内の狭い世界に閉じ込められた主婦の苦労があなたに分かる?ご近所と上手に付き合いながら家事と子供の面倒に追われる毎日がどんなに過酷で大変か!家庭を顧みる努力何一つしてこなかったくせに偉そうなこと言わないでよ。
子供の面倒は俺だって見てるだろ!やってるのはほとんど私でしょ!?・
(慎一)俺はどっちにも面倒かけた覚えはないよ。
だってそうでしょ?息子の万引を知っておきながらそれを注意できない母親なんておかしいだろ。
(一茂)何だ?万引って。
それを今知った父親はもっと笑えるけど。
おいどういう意味だ?この際だから教えてあげるよ。
俺のストレス発散法。
万引は週に3回。
あとはこれで自転車のタイヤ切ったり店の看板傷つけたり。
お前そんなことやってたのか。
(慎一)しょうがないだろ。
こっちは親の期待に応えるために優等生を演じてたんだよ。
そりゃストレスもたまるわな!
(慎一)お前も文句があるなら自分で言えよ。
(慎一)父さんも母さんも自分のことで精いっぱいなんだよ。
だから俺たちに興味がないんだよ。
(佳代子)そんなことない。
私たちは…。
(慎一)思い出してみろよ!家庭教師に茂之の不登校の理由聞かれたとき何て答えた?そう答えられなかったんだよなあ。
いじめられてることにも気付かなかった。
母さん茂之の誕生会のとき言ってたよね。
《今じゃこの子たちの考えてることがまったく分かりません》《理解したいとも思いません》
(慎一)あんとき俺たちのことなんてどうでもいいんだってことがよ〜く分かったよ。
違うのよあれは…。
(慎一)見苦しいんだよ!
(一茂)おい親に何て口利いてんだ。
だったらもっと親らしいことしてみろよ!お前それ本気で言ってんのか?お前たちが生活できるのは誰のおかげだと思ってんだ。
社会に出て働いたこともない人間がいっぱしの口たたくんじゃないよ!首になったくせによく言うよ。
ず〜っと俺のことくず扱いしてちょっと成績が上がったら手のひら返して。
どうせ会社でもそんなふうだったんだろ?だから首になったんだよ。
うわ〜沼田家一の問題児に核心を突かれて…。
うるさい!どいつもこいつも好き勝手言いやがって!だいたいなお前の教育がなってないからこういうことになるんだよ!やっぱり私に押し付けてるじゃない。
家を守るのは妻の仕事だ。
昔の家族はなちゃんと父親のことを敬っていたんだ。
それが女性の時代だか何だか知らんが女が前に出てきて家事や仕事を役割分担するようになってから世の中はおかしくなってきたんだよ!何よその身勝手な言い分。
だから息子にバカにされるのよ。
(一茂)何だと?散々子供に当たり散らして。
それが親のすること?何も言えなかった母さんも同罪だと思うけどな。
そんな2人に育てられた俺たちはもう…被害者だよ。
そういう兄ちゃんだって甘えてるだけじゃないか。
はっ?優等生をやめる勇気がなかったから万引なんかに走ったんだろ。
(慎一)はっ?お前の言うせりふかよ。
あのな出来の悪い弟を持ってこっちはどんどんどんどんどんどんプレッシャーがかかってたんだよ!分かんねえのかよ!俺だって別に好きで落ちこぼれたわけじゃない。
兄ちゃんと比較なんかされなければもっと普通に生きられたんだよ。
はっ?何でもかんでも人のせいにするな!お父さんだって人のせいにしてるじゃないか。
母さんだって兄ちゃんだって!こんな家族だったから吉本荒野につぶされたんだろ!こんな家族いらないよ。
何なんだお前らは。
これが私たちのホントの姿よ。
先生の言うとおりだ。
この家は壊れるべくして壊れたんだよ。
清々するよ。
こんな見栄えだけの家。
うわべだけの家族。
こんな家族崩れちまえばいいんだよ。
・
(ゲームの音)
(一茂)もう学校終わったのか?お前ぐらいはちゃんとしろよ。
2学期で学年上位に返り咲いて来年には東大を受験して…。
俺学校辞めてきたから。
色々ありがとう。
(真希)これからどこへ行くんですか?
(真希)お元気で。
(真希)また会えますよね?田子先生。
俺は吉本荒野だ。
(真希)私には…中学校にいたころからずっと田子雄大先生ですよ。
(真希)さようなら。
2014/12/25(木) 16:54〜17:52
関西テレビ1
家族ゲーム #08[再][字]
家庭教師・吉本による「家族ゲーム」ついに結果発表!何が嘘で何が真実か?何が吉本の罠か?全て明らかに!ついに崩壊する沼田家。そして吉本は去っていく…。
詳細情報
番組内容
沼田家の崩壊は、もう誰にも止められない…吉本荒野(櫻井翔)の放った辛辣(しんらつ)な言葉も当の沼田家の面々には届かず、それぞれ勝手な行動をするばかりだった。株の損失で作った借金を前に母・佳代子(鈴木保奈美)は思考停止。父・一茂(板尾創路)は会社の金を横領して穴埋めしようと画策。立花真希(忽那汐里)へ疑惑を感じながらも交際を続ける長男・慎一(神木隆之介)は、恋人の最上飛鳥(北原里英)に
番組内容2
冷たく別れを告げた。そして、状況が好転していた次男・茂之(浦上晟周)ですら、新たな集団イジメに不本意ながらも加担を始めていた。そんな中、吉本は高校を辞めて働くと言い出した慎一に、「だったら俺とゲームしない?」と持ちかける。本当に辞めるか否かで賭けをしようと言うのだ。慎一に学校を辞められたら仕事が減ってしまう吉本としては、もし無事に卒業してくれたら、ご褒美として慎一の言うことを何でも聞くと言う。
番組内容3
その代り、逆なら慎一が吉本の命令を聞くというのが条件だ。結局、慎一はその提案に応じてしまう。その後、慎一は真希の正体を探ろうと、再び立花家の跡地へと赴き、衝撃の事実を知る。しかも、帰宅すると今度は学校から不吉な呼び出しが…。新たなイジメに悩む茂之…。不審な動きを会社側に気づかれる一茂…。そして、借金は返したと豪語する一茂に不安がつのる佳代子…。家族それぞれの歯車が軋みをあげ始める…。
出演者
櫻井翔
神木隆之介
忽那汐里
浦上晟周
北原里英
・
板尾創路
鈴木保奈美
スタッフ
【原作】
本間洋平「家族ゲーム」(集英社文庫刊)
【脚本】
武藤将吾
【演出】
佐藤祐市
【音楽】
本多俊之
【制作】
フジテレビ
【制作著作】
共同テレビ
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – その他
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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