法人税減免:日航、対象外へ 特例を見直し
毎日新聞 2014年12月24日 21時37分(最終更新 12月25日 02時35分)
政府・与党は、会社更生法の適用を受けた企業の法人税がゼロになる特例措置を見直す。再建を果たし、株式を上場した企業を、特例の対象から外す。一方、現在は2011年4月までに更生法を適用された企業のみ対象にしているが、経営再建を支援するため、それ以降に適用された企業も対象とする方向だ。近く決定する15年度税制改正大綱に盛り込む。
10年に更生法を適用され、特例の対象になった日本航空は、公的資金も得ながら再建を果たし、12年に再上場した。今回の改正で、対象から外れ、課税対象になる見通しだ。
特例措置は、民主党政権が日航の再建を念頭に11年度税制改正で導入した。現行の「欠損金(赤字)繰り越し控除」は、過去に出した赤字を翌年度以降に繰り越し、毎年の黒字の80%まで相殺を認めることで法人税額を減らす制度。一方、特例措置の対象企業は7年間、過去の赤字と翌年度以降の黒字を全額相殺できる。だが、自民党や航空業界から、日航が利益を上げながらも、特例の対象になっていることに対し「再建後も法人税額ゼロでは不公平」との批判が出ていた。安倍晋三首相も、日航への税優遇について「多くの課題と問題がある。今後、(見直しが)必要かも含めて検討したい」との考えを示していた。
このため政府・与党は、特例措置の対象時期を広げる一方、日航のように株式を上場した場合は、通常の企業と同じ扱いにすることにした。民事再生法の適用企業を対象に加えることも検討する。【横田愛】