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 北海道南幌町で10月、自宅で母親(当時47)と祖母(同71)を殺害したとして高校2年の三女(17)が逮捕された事件で、札幌地検は25日、殺人の非行内容で札幌家裁に送致する。同地検は24日まで三女を鑑定留置し、犯行の経緯や家庭環境などを調べた結果、刑事責任能力に問題がないと判断したとみられる。

 三女は10月1日、9月30日深夜から10月1日未明ごろにかけ、2人を刃物で切りつけるなどして殺害した疑いで逮捕された。

 「厳しいしつけから逃れたかった」。逮捕直後、三女は動機をそう供述した。ある捜査幹部は「しつけというレベルを通り越し、虐待だった」と話す。

 「冬に祖母が庭に立たせ、ホースで水をかけていた」「食事は小麦粉に青汁の粉末を混ぜて焼き、マヨネーズをかけたもの。台所の隅で一人で食べさせられていた」

 事件後、一家の親族は三女の自宅での様子を関係者にそう打ち明けた。三女の腕には、火の付いたたばこを押しつけられたあともあったという。近所の住人は、祖母が「この役立たず」などときつく叱る声を頻繁に聞いた。

 三女が幼稚園児だった2004年、「虐待を受けている」との通報が道岩見沢児童相談所にあった。三女の弁護人も虐待を受けていた可能性を認める。