文部科学省の中央教育審議会で、子供たちが実用的な英語を学ぶ環境づくりを進める議論が本格的に始まった。平成28年度にも改定される新学習指導要領では、小学生高学年から教科として導入される見通しだ。高校でも討論や交渉力を高める方針が示されている。だが、英語教育の“抜本的改革”は過去幾度となく繰り返されながら、子供たちに英語力が身についたとの実感が乏しいのも事実。改めて考えてみたい。英語って本当に必要なのか−。
文科省は12月2日、「英検」や「TOEFL(トーフル)」などの民間資格試験を、大学入試に活用できるかどうかを検討する有識者会合を立ち上げた。席上、活用の是非とは別に、有識者から日本の英語教育そのものへの根本的な疑問が相次いだ。
一部の教育関係者からは、「英語教育は必要」としながらも、差し迫った課題ではないとの意見も聞かれた。
全国公立短期大学協会副会長の中村慶久委員も英語教育の改革を「えらく遠い話のように感じる」と話した。短大教育が医療や福祉、保育などの分野の比重を高める中で、英語教育の推進に対する教育者側の感覚的な違和感ともいえる。
copyright (c) 2014 Sankei Digital All rights reserved.