キョウリュウジャー、韓国でも人気商品めぐり争奪戦

日本のおもちゃ買うため有給取り早朝から行列

キョウリュウジャー、韓国でも人気商品めぐり争奪戦

 釜山の衣類メーカーで働くキム・ジョンミさん(34)はクリスマスイブの24日、有給休暇を取った。普段は午前7時に起きるが、この日は午前5時30分に飛び起き、まっすぐ近所の大型スーパーに駆け付けた。開店4時間前の午前6時だったが、キムさんと同様の客に限り売場に入ることが許可された。唯一、明かりがついているおもちゃコーナーの前には既に8-9人が厚いジャンパーを着込んで並んでいた。キムさんが受け取った整理券の番号は「10番」。キムさんは「1番は共働きの息子と嫁に代わって午前4時30分に来た60代のおじいさんだった。おもちゃを買おうと真っ暗な冬の早朝のスーパーで開店数時間前から行列するなんてあきれた話だが、5歳の息子のことを考えると来ないわけにはいかなかった」と言った。

 この日はEマートやロッテマートなどの大型スーパーで品薄状態になっているおもちゃ「ティラノキング」=写真=が入荷すると予告されていた日だった。「ティラノキング」とは日本の子ども向け特撮ドラマ『獣電戦隊キョウリュウジャー』(韓国でのタイトルは『パワーレンジャー』)に登場する獣電巨人(巨大メカ)のことで、日本では「キョウリュウジン」という。今年7月に韓国で放映され、関連のおもちゃが人気を呼んでいたが、クリスマスを前に需要が急増、各スーパーで争奪戦が展開されているのだ。キムさんが行った大型スーパーでも先着70体限定で売り出されたもので、それも開店から1分もたたないうちに売り切れた。

 毎年クリスマスに小さい子どもを持つ親たちの間で起こる「おもちゃ争奪戦」が今年も繰り広げられている。特に今年人気のティラノキングは独占販売する日本のメーカーの生産数自体があまり多くなく、定価7万5000ウォン(約8200円)にプレミアが付いて20万ウォン(約2万2000円)台後半で売り買いされるケースもあった。売り出されてすぐに買い占め、インターネット上で高額転売するヤミ小売業者がこうした現象をさらにあおっている。親たちの中には「定価でないものを買うのはやめよう」と不買運動をしたが、クリスマスが近づくと転売用の品物さえなくなってしまい、買いたくても買えない状況になっている。

 京畿道富川市内の大型スーパーでは18日、ティラノキングを買おうとした客同士がけんかになり、1人が救急搬送された。入荷した6体をめぐり奪い合いとなり、1人が押し倒されてけがをしたのだ。同市内の主婦パク・コウンさん(35)は「その話を聞いて、うちの4歳の娘を普段より早い時間に保育園に預け、3カ月の息子をおんぶして(隣の)仁川市に買いに行った」と語った。

 また、国際宅配便の送料負担を承知で日本で購入したり、日本に旅行で行く知人に購入を頼むケースもあるとのことだ。

ナム・ジョンミ記者
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