【オリックス】金子、残留表明!4年総額20億円+出来高「このチームで優勝したい気持ちが勝った」
オリックスから国内フリーエージェント(FA)宣言した金子千尋投手(31)が24日、正式に残留を表明した。この日、大阪市内のオリックス本社で会見を開き「このチームで優勝したい気持ちが勝った。オリックスの一員としてやらせてもらうことになった」と話した。契約年数は4年で総額20億円プラス出来高。また、来オフ以降のポスティングシステムによるメジャー挑戦については「気持ちはまだ持っている」と含みを持たせた。
すっきりとした表情で金子は会見場に姿を見せた。11月11日に国内FA宣言してから43日。導き出した結論は残留だった。「素晴らしいオファーがあったが、それ以上にこのチーム、メンバーと一緒に優勝したい気持ちが勝った」。オリックスの4年20億円を超える条件を提示した球団もあったが、自身の素直な思いを貫き通した。
国内FA権とポスティングシステムを併用しての大リーグ挑戦を視野に入れた。しかし、今オフの米大リーグ挑戦を断念した直後から、近い関係者に「優勝して関西を盛り上げたい」と明かすなど球団への愛着は強かった。「僕自身、間違ったことをしたとは思っていない。この経験を生かせたらいい」と胸を張った。
ただ、メジャーへの思いは捨てていない。「気持ちはまだ持っている。(契約期間内のメジャー挑戦は)どっちとも言えない」と揺れる胸中を明かした。だが、同席した瀬戸山球団本部長は「ポスティングは認めないし、話も出ていない」と、方針は変わらず。来オフ以降のポスティング移籍を認めるかどうかが今後も争点となる可能性が残った。
今季はソフトバンクと死闘を繰り広げながら2位に終わった。自身は沢村賞、MVPに輝いたが「正直、満足していない。心の底から喜べない」。今オフは中島、小谷野ら大型補強を敢行したことも残留の要因となった。来オフ以降にメジャー願望が再燃するかは流動的だが、「残ると決めた以上、今は、どうすれば優勝できるかしか頭にない」と言い切った。チームにとっての最大の“補強”が完了した。来季は自身初、そして球団にとっては1996年以来となる優勝を奪いにいく。(橋本 健吾)
◆金子経過
▼10月22日 渡米。現地時間24日、サンフランシスコでワールドシリーズを観戦した。
▼同27日 帰国後「すべての可能性を考えていきたい。(メジャーで)やってみたい気持ちは持っている」と発言。
▼11月11日 FA手続き期限最終日、日本代表の練習(鳴尾浜)後に、国内FA権行使を表明。「すべての可能性を考えたいのでこういう決断になった」
▼同14日 日米野球第2戦(東京D)に先発し、5回3失点。
▼同23日 球団の健康診断後に右肘に違和感。
▼同24日 ポスティング制度による米大リーグ移籍を今オフは封印することを表明。
▼同25日 右肘の遊離軟骨除去手術を受けることを発表。同29日手術。