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<山田線>三鉄移管合意 16年一部復旧か

 東日本大震災で被災し運休中のJR山田線(宮古−釜石間、55.4キロ)を第三セクター三陸鉄道(宮古市)に移管する案で、岩手県は24日、関係12市町村や同社と協議し移管受け入れに合意した。26日にJR東日本に報告し、年明けにも基本合意を結ぶ。震災から3年9カ月余りが経過し、山田線の鉄路復旧がようやく実現する。

 盛岡市であった会議後、達増拓也知事は「将来へ誇りを持って引き継げる地域づくりの核になる」と述べた。三陸鉄道の望月正彦社長は「沿線市町村、県の協力を得ながら、より良い経営を目指す」と語った。
 県によると、全12市町村が移管に合意。JR東日本が地元に支払う移管協力金(一時金)を従来の5億円から30億円に増額したことを評価した。
 新たに沿線に加わることで補助金負担を懸念する佐藤信逸山田町長は「住民のため一日も早い復旧をという思いで合意した」と話した。碇川豊大槌町長は「負担金などの交渉はしっかり対応したい」と語った。
 着工は震災から4年となる来年3月11日の前が有力視されている。2016年の岩手国体までに一部区間を優先復旧させる公算が大きい。
 復旧後は三陸鉄道が経営主体となり、山田線を挟み南北リアス線が直結される。三鉄はダイヤ改善や施設管理拠点の統合など効率化を進める。
 JR東広報部の担当者は「持続可能性の高い鉄道経営に向けた大きな前進。着工や復旧時期は今後協議する」と話した。
 山田線は津波で181カ所が被災し駅舎や線路が流失した。復旧費210億円のうち原状復旧費140億円はJRが負担。復興まちづくりに関わる70億円は国の復興交付金を充てる。JRは車両の無償譲渡、施設管理拠点の整備、人的支援の方針も示している。


2014年12月25日木曜日

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