早稲田大学の助教が「国の借金は減っている」と主張しています。
早稲田オンラインっていうニュースサイトに「国の借金は減っている アベノミクスに増税は必要ない」って記事があったけど、こんな記事を載せて早稲田は大丈夫なのかね?まあ、書いたのオレだけど。http://t.co/YC09orYGg1
— 井上 智洋 (@tomo_monga) 2014, 12月 22
@tomo_monga 日銀による国債の買い入れ額約65兆円からこの31兆円を引いた34兆円が、国(統合政府)の借金額の減少分ということになります。ただし、債務償還費に日銀保有分が含まれるので、これは不正確な計算ですが。いずれにしても、国の借金は減っている。
— 井上 智洋 (@tomo_monga) 2014, 12月 22
国=一般政府とすると、ネットの負債(金融資産・負債差額)、特に国債等は増加傾向にあります。*1
しかし、日本銀行が市中から国債等を大量に買い入れているため、政府と日本銀行を合わせた「統合政府」の民間に対する借金は減っているという理屈です。
とはいえ、日本銀行は国債等(政府の負債)を銀行等から買い入れる代わりに、日銀当座預金(日銀の負債)を供給しています。銀行等の資産の内訳が「国債等→日銀預け金」に置き換わっているわけですが、これは統合政府の負債の内訳が「国債等→日銀預け金」に置き換わることを意味します。
日銀の負債も加えると、統合政府の負債は「減っている」どころか増えています。*2
「飛ばし」を用いて「国の借金は減っている」と強弁するよりも、「国債発行を続けても、日銀にマネタイズさせれば(当面は)無問題」「リフレ≒マネタイゼーション」と正直に言った方がよさそうです。*3
今回の選挙は特に推したい政党がなかった。オレの政治的立場を一言で言うと、リフレ派・リベラル・リバタリアン。つまり、ジョン・ローでジョン・ロックで、ジョン・ロールズ。そんな政党があったら全力で支持する。
— 井上 智洋 (@tomo_monga) 2014, 12月 14
インタビュー:アベノミクス極めて順調、構造改革断行を=浜田参与 | Reuters
マネタイゼーションをやってデフレを克服しなければ、ならない時もあるが、最も困るのはインフレ進行による大衆課税。それが起き始めれば止めるべきだが、起こる前に止めろ、という意見には反対だ。