オール・イン:社長逮捕 FX詐欺容疑、10月中国で出頭
毎日新聞 2014年12月25日 00時02分(最終更新 12月25日 02時41分)
札幌市に本社があった投資関連会社「オール・イン」による外国為替証拠金取引(FX)を巡る詐欺事件で、北海道警などは24日、住所不詳、同社社長、森克彦容疑者(47)を詐欺容疑で逮捕した。森容疑者は「何のことを言っているのか、さっぱりわからない」と容疑を否認しているという。
道警によると、同社は2007年9月〜09年7月、全国約2万7000人から出資金など約337億円を集めたとされる。森容疑者は約25億円を得て、うち約21億円を知人などへの借金の返済に充てたとみられ、道警は経営実態を追及する。
容疑は07年11月、大阪市で開いた事業説明会で、大阪府箕面(みのお)市のしんきゅう師の男性(当時34歳)に「FXの自動売買ソフトを開発した」と勧誘し、07年12月〜08年4月に入会の登録事務手数料やソフトの月額利用料などの名目で11回にわたり現金約23万円をだまし取ったとしている。道警はソフトは実在しなかったとみている。
道警などが中国に渡航中とみて国際手配していたところ、森容疑者が、強制退去処分を受けて24日に上海から帰国し、羽田空港で逮捕した。森容疑者は10年11月、中国に出国し、今年10月、現地の公安当局に「帰りたい」と出頭した。出頭時の所持金は千数百円だったという。
この事件を巡り、道警は9月、同社元専務の男性(42)ら3人を詐欺容疑で逮捕、送検したが、札幌地検は10月、容疑不十分で3人を不起訴処分としていた。【酒井祥宏、三股智子】