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【大リーグ】

イチロー、「我慢」を説く イチロー杯で子どもたちにあいさつ

2014年12月24日 紙面から

 ヤンキースからFAになったイチロー外野手(41)が23日、出身地の愛知県豊山町で行われた「イチロー杯争奪学童軟式野球大会」(中日新聞社共催)の表彰式に出席した。毎年恒例となっているあいさつの今回のテーマは「我慢」。今季はヤ軍で控えに甘んじ、不完全燃焼。我慢しながら未来に突き進む大切さを子どもたちに伝え、自身の来季の巻き返しを約束するような口ぶりだった。

 イチローの顔がちょっとこわばった。進行役の女性から「ヤンキースのイチロー選手」と紹介された時だ。マイクの前に立つと「厳密に言うと、もうヤンキースではないんですけど」。苦笑を交えた開口一番が、会場の笑いも誘った。

 イチロー杯はオリックスが日本一になった1996年にスタート。年末恒例の表彰式を大会長が「無所属」で迎えるのは19回目にして初めてだ。例年、あいさつは自身のその年の出来事を踏まえるが、今回も「前所属」での経験を元に子どもたちに語りかけた。

 「今年の僕がみんなに何を伝えられるか。思い浮かんだのが『我慢』という言葉。シーズンを振り返って真っ先に頭に浮かびました。大人になると、自分の思いだけでは進んでくれないことがたくさん出てくる。我慢して自分の気持ちを抑えて、未来に向かう。これしか方法がないと言ってもいい」

 故障なく準備が万全でも、出場機会が限られたメジャー14年目の今季。それでも打率2割8分4厘の数字を残し、21年連続100安打もマーク。我慢しながらやれることはやった。そんな自負も見え隠れした。

 大リーグには我慢のきかない自己主張型の選手が多いことも伝え、「自分の思いをグッと内に秘めて『やるときはすごいんだ』という方が日本人らしいというか、僕はかっこいいんじゃないかと思う」と話したイチロー。ピート・ローズの持つ4256安打の「世界最高記録」に日米通算であと134安打。メジャー3000安打にあと156安打。節目の20回目となる1年後の表彰式では、大成果を題材にあいさつし、未来のプロ野球選手たちに極上のメッセージを届ける。 (古居宣寿)

 

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