国内乗用車8社が24日まとめた11月の国内生産実績(速報値)は、合計で前年同月比13.1%減の69万5527台となり、5カ月連続で前年実績を下回った。前年同月に消費増税前の駆け込み購入が始まったこともあり、反動で国内販売の苦戦が続いた。マイナス幅は10月(7.1%減)から拡大し、4月の増税後で初めて2けた減を記録した。
国内生産は、ホンダや日産自動車、トヨタ自動車など6社がマイナスとなった。ホンダの減少率は35.9%と8社中で最大。昨年9月にハイブリッド車(HV)を投入した小型車「フィット」の新型車効果の一巡に加え、同車の相次ぐリコール(無償修理・回収)で新車販売計画が遅れた影響も出た。マツダ(7261)は1月からメキシコ工場が稼働したほか、日産自は北米向けの多目的スポーツ車(SUV)「ムラーノ」の生産を日本から現地に移管したのに伴い、ともに2割超の減少率を記録した。
一方、富士重工業とスズキはプラスを確保した。富士重は新型SUV「レガシィ」の生産本格化などが支えとなり、微増ながら11月として最高の生産台数を記録。スズキは新型軽自動車「ハスラー」を中心に国内販売が堅調に推移した。
海外生産はダイハツ工業や三菱自動車など、4社が前年割れとなった。8社合計では1.1%減の145万8967台となり、10カ月ぶりに前年実績を下回った。トヨタをはじめ、中国やインドネシア、タイで生産が低迷するメーカーが目立った。中国の生産が16.3%減った日産自は「小型商用車の市場減速に加え、小型乗用車の競争激化が影響した」(広報担当者)とみている。一方、主力のインドで増産したスズキ、新型車効果などでアジア地域の生産が伸びたホンダ、北米での販売が好調な富士重は、11月として過去最高の海外生産を記録した。
この結果、国内外を合わせた8社合計の世界生産台数は5.3%減の215万4494台となった。
輸出はスズキとダイハツを除く6社が前年実績を下回った。8社合計では12.7%減の33万7658台と、前年割れが始まった昨年12月以降で減少率は最大。各社が生産を現地化する流れが続き、円安でも輸出増には結びついていない。
【11月の生産・輸出・販売実績】
国内生産 海外生産 輸出 国内販売
トヨタ 258814 473011 150058 118988
(▲3.0) (▲6.7) (▲0.9) (▲8.5)
日産自 62806 371396 40313 46081
(▲21.1) (▲2.8) (▲22.4) (▲14.0)
ホンダ 62044 309153 2205 51472
(▲35.9) (2.6) (▲74.4) (▲30.5)
スズキ 87102 171723 11425 65678
(2.0) (8.9) (16.2) (10.7)
三菱自 46655 50963 29185 8405
(▲19.8) (▲9.3) (▲11.1) (▲25.5)
マツダ 62492 40405 56242 18689
(▲26.6) (40.7) (▲28.0) (▲1.1)
ダイハツ 57691 24313 744 56522
(▲18.6) (▲17.1) (16.1) (▲3.6)
富士重 57923 18003 47486 11578
(0.3) (35.6) (▲10.9) (▲11.8)
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合計 695527 1458967 337658 377413
(▲13.1) (▲1.1) (▲12.7) (▲9.9)
(注)単位:台、カッコ内は前年同月比増減率(%)、▲は減。ダイハツの海外生産はマレーシア子会社プロドゥア社の生産分除く。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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