米Google(グーグル)発のベンチャー企業、Flux(フラックス)は従来の常識を変える斬新な建築設計手法を開発中だ。敷地に建物の“種”となるデータを置き、広さや高さなどを調整しながら設計を進める3D(3次元)モデル作成システムと、建築関係の法規制を都市の3Dモデルと連動させて、クリック1つで建築可能な3D空間を表示するシステムを開発している。いずれも、現在のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデル)を超えた、“ウルトラBIM”ともいえるシステムだ。
「現在の半分のコスト、半分の工期」――。米グーグルは次世代サービスを開発する研究部門「Google X」で、従来の常識を覆す画期的な建設手法を開発。新しい建設手法のプロトタイプを作成した。
このプロトタイプは、米デラウェア州に設立されたバネバー・テクノロジー(Vannevar Technology)に引き継がれた。同社はGoogle Venturesを含む複数の投資会社から出資を受け、サンフランシスコに居を構えるFlux(Flux Factory)というグーグルから独立した企業となって、2015年の事業開始に向けて開発が続けられている。
BIMによる建築設計は、従来の2次元CAD(コンピューターによる設計)に比べてかなり自動化が進んでいるとはいうものの、設計者が1つひとつの建物を設計していくことに変わりはない。しかし、Fluxはある程度、規格化された建物を現場の条件に合わせて驚異的なスピードで設計することを目指している。
■“種”から建物の3Dモデルをスピード作成
Fluxが開発している設計技術の1つは、建物の意匠、構造、設備の要素データを含んだ建物の“種(seeds)”のようなものから建物の3Dモデルを作り出す仕組みだ。
この種をパソコン上の敷地に配置するとスタンダードサイズの3Dモデルができる。このモデルを、法規制がクリアできる空間内で位置や高さ、長さなどを調整していく。
匠や構造部材、設備などの詳細部分も種の中に既に組み入れられているので、いちいち入力する必要はない。
また複数の棟からなる建物は、それぞれの棟の位置をずらしたり、個別に引き延ばしたりすることができる。すると、渡り廊下や鉄骨、配管なども自動的に再生され、詳細な3Dモデルができあがる。設備なども自動的に追従する仕組みだ。
種からできたスタンダードの建物を基に、敷地の大きさや高さ規制などの条件に応じて建物を縦横高さ方向に変形させることもできる。
Google、Flux、BIM、ベンチャー、建築、3Dモデリング
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