1. concrete5は、日本の中小企業にとって◯◯◯◯級のウェポンになるかもしれない、という話

concrete5は、日本の中小企業にとって◯◯◯◯級のウェポンになるかもしれない、という話

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どうも、私です。

この記事は、concrete5 Advent Calendar 2014参加記事です。カレンダー記事も、千穐楽の直前ということで、色んな意味でプレッシャーを感じます。

ちなみに前日の記事は、mizuno.fumitoさんのconcrete5のブロックのdb.xmlから、雛形を自動生成するという記事でした。

さて、今回の記事は、最後の段落を除き、主に弊社のクライアントとなる方向けに書いています。ですから、読む時はWebサイトを作りたいかリニューアルしたい会社の担当者や、経営者の気分で読んでみてください。またweb制作を業としている方は、この内容をそのままクライアント提案の参考にしてもらってもOKです。

もくじ

で、〇〇〇〇級のウェポンって何よ?

まあ、まずそこですよね。ただ、掲題の通り、concrete5は日本の中小企業にとって、大きな武器になるんではないか、というのが今回の主題でございます。

そういう意味では、今回のアドベントカレンダーでも、fujigoco2255さんのマーケッター視点で見たconcrete5という記事や、aya.hamada.5492さんの今、ホームページを「作り直したい」お客様に「concrete5」を絶賛おすすめしている3つの理由という記事と視点が似ているかもしれません。

私の方では、これらの記事を踏まえて、実際に弊社がconcrete5をクライアント企業様に納品したあと、実際にどのような運用や効果を得たかを交えてconcrete5の武器たる魅力をご紹介したいと思います。

この記事では、セミナーのフォローアップも兼ねてまして…

さる11月22日の土曜日、大阪で開催された大阪 concrete5 × サーバーセキュリティ勉強会(主催・株式会社ビヨンド様、コンクリートファイブジャパン株式会社様)で事例紹介としてお話させていただいた「concrete5で実践するリードナーチャリング」というプレゼンの補足も兼ねてます。

どこを補足するのかというと…

このプレゼンでは、文字通り「concrete5でリードナーチャリングを実践する」という試みの紹介なのですが、冒頭ではこのブログ記事の目的と同じ「中小企業の役に立つ」というところを軽く紹介しています。できれば、それぞれ具体例を挙げて掘り下げたかったのですが、そこはまあ、時間の都合もありましたので、さらっと触れただけでした。

で、実はさらっと触れた上記スライドのところの

  • メールフォーム
  • セミナー記事
  • メルマガ配信
  • 会員制サイト

というところが、実にコーポレートサイトにとって大きな強みだなあ、と実際に納品・運用してもらってからしみじみ思うところでした。ですので、この記事では、ここをがっつり紹介したいと思います。

メールフォーム、簡単に作れ過ぎワロタ

Web制作を生業としていると、メールフォームってのは結構工数の食う面倒くさい箇所だと思います。「え? そう? オレいつもチャチャっとやってるよ」ってな人は、自分でCGIやPHPをさらっと書けるかカスタマイズ出来る方でしょう。一方、キャンペーンサイトとか作ってる人は縁遠い、って人も多いんじゃないでしょうか。

CMSの場合はプラグインなどで提供されているため、比較的導入の障壁は低いかと思います(知り合いに、メールフォームを使うためだけにWordPressとContact Form7入れた、って人がいました。それはそれでどないやねん…)

で、concrete5の場合は標準でメールフォーム機能を持っています。ブロック追加画面で「フォーム」と出てくるのがソレです。

フォームブロックの良いところ① DBに入力内容が保存される

フォームブロックはもともと外部からconcrete5のDBにデータを入力するためにつくられたっぽくて(だから名前も「フォーム」)、問い合わせ入力内容が、一旦すべてDBに保存されます。そして、設定のオプション項目で、入力された内容を任意のメールアドレスに飛ばすようにすることができます。

「新着フォームのメール通知を受け取りますか?」の項目を設定しないと、メールは届かない。要注意!

「新着フォームのメール通知を受け取りますか?」の項目を設定しないと、メールは届かない。要注意!

これはどういうことかというと、

  1. メール送信の不具合に気づかず、大事なメールを受け損ねるリスクが減る
  2. 複数のメールアドレスにメールが到達するようにしなくても、複数の社員が問い合わせメールを確認することができる

という2つのメリットを享受できます。

WordPressでもTrust FormやContact Form 7とContact Form 7 DB、Jetpackのお問い合わせ機能で同じことが出来るかと思いますが、標準でインストールされているのがイイですね。わざわざアドオン探してきて入れる手間が省けるのは良いです。

フォームブロックの良いところ② 直感的に入力フィールドを作っていける。

フォームブロック 作成画面3 フォームブロック 作成画面1 フォームブロック 作成画面2

メールフォーム作成で頭を悩ませるのは、入力項目の数やフィールドの型をどうするか、というところ。ただでさえ要件設計に頭を悩ますのに、それをformタグで実装していくのは、結構骨の折れる仕事です。(スタティックなサイトの場合ね)

concrete5の場合は、入力項目をマウスでクリックしながら作っていけるので、非常に楽です。というか、メールフォームを作るのに、HTMLもCGIやPHPの知識も必要ありません。だから、クライアント企業の担当社員さんが、簡単に作ることが出来るんです。必要なメールフォームを、必要な時に。これ、とても重要なことなので、後述しますけど。

WordPressでも、TrustFormやJetpackのお問い合わせはWYSIWYGで作れますが、Contact Form 7は独自タグを細かく作っていく必要があるため、メールフォームを気軽にポイポイ作っていくのには向いてないんですよねー。正直私自身も、CF7でメールフォーム量産しろ、と言われたら「No Thankyou」という感じです…

とはいえ、クライアントワークでメールフォーム作るには確認画面必須だよネ…

はい、これ。日本独自のガラパゴスな要件「メールフォームの入力項目確認画面を付けてください」わかります、わかります。ですよねー でも、concrete5のフォームブロックにその機能はありません。アメリカ製のワールドワイドなCMSなので、そこまで芸は細かくないのです。そこで、オススメのアドオンがありますので、ご紹介しましょう。

Formidableマジ神。神すぎて失神しそう(メデューサを目視したら石になる的な)

スクリーンショット 2014-12-24 20.46.06

Formidableというアドオンがあります。メールフォームのアドオンです。残念ながら有償アドオンですが、お金を払うだけの価値はあります。むしろ金額以上に優秀なので、マストバイです。Formidableには、メールフォームに必要な機能と言われて思い浮かぶ要素が、だいたいほとんど揃っています。従って機能もかなり多岐に渡りますので、個人的に気に入ってる機能を中心にご紹介します。

Formidable先生は、確認画面が出せる

はい。今さっき確認画面の話をしたところからのFormidableを挙げてますので、そりゃ出来ますよね。開発は海外の方ですが、この機能しっかりつけてくれています。

Formidable 確認画面を出す設定のスクリーンショット

Formidableの設定画面。Enable Reviewにチェックを入れれば、確認画面を出すことができる。

Formidable先生は、メール送信後の画面遷移をどうするか決められる

「メール本文を表示する」か「お問い合わせありがとうございました」的なページに飛ばすかを決められます。お問い合わせにコンバージョンポイントを置いている方は、後者ですね。concrete5内のページを選択します。「ナビから除く」「ページリストから除く」の属性にチェックを入れたページを適当な場所に作っておいて、そこに飛ばすと良いでしょう。

Formidable 遷移後の画面を設定するScreenshot

After Submissionのプルダウンを押すと、特定のページを選択するメニューが出てくる。

あるいは、メール送信をしてくれた人限定のコンテンツ(PDFとかZipとか)をダウンロードさせるページを作って、そこに飛ばすようにしても面白いですね。よくランディングページで見かけたりしませんか? 「お問い合わせ頂いた方限定、無料PDF資料がDLできます!」みたいなの。あれ、concrete5とFormidableで簡単につくれます。しかもノープログラミングで。

Formidable先生は、飛ばすメール内容のパターンをたくさん作ることが出来る

ちょっと日本語が不自由な感じですが、要はこういうことです。お問い合わせをするサイト閲覧者がいます。メールフォームに入力をしました。その時点でサイト運営者にメールが送られます。これが通常のメールフォームで最低限の必要要件だと思います。

ですが、普段メールフォームから送信する側の立場で思い返してみると【◯◯社:お問い合わせありがとうございました】みたいなメールがすぐ返ってくることありませんか? 後ほど担当者から個別にご連絡します、みたいな。あれ、出来ます。

【複数メール配信の図解】

Formidableには、1つの入力に対して、飛ばす宛先を複数設定することができます。複数設定すること自体は、標準機能のフォームブロックでも出来るのですが、その複数の宛先に対して、どのテンプレートで返すか、が設定できます。

Formidable メールテンプレートと送信先設定の画面

それぞれの項目をクリックすると、それぞれのテンプレートをWYSIWYGエディタで編集できる。

問い合わせをしてくれた人には「お問い合わせありがとうございました」という題名や書き出しから始まるテンプレートを作ります。一方、社内の担当者向けには「メールフォームからのお問い合わせがありました」という書き出しで送信することができます。

ね? 芸が細かいでしょ? でも、近年はITやWebの浸透もありますし、クライアント企業様によっては非IT系企業でも「客とわしらに送るメールの内容が一緒とかやめてくれよ〜」みたいなことも言われたりします。「はいはい、なるほど、おっしゃる通りですね。では、そうさせていただきます」といって、PHPとにらめっこする必要はありません。Formidable先生が上手くやってくれます。

もしPHPをがんばってカスタマイズして納めた後、どうなるでしょうか。「頑張ってPHPカスタマイズしてくれてありがとうな。でもメールの文面、変えたいねん。変えてくれる?」「あ、はい、PHPの変数のトコ書き換えてくれたらいいですから…」「うーんと、FTP? っていうの? 入らなあかんやろ? あとうちの子、HTMLはわかるけど、PHPわからへんいうてるから触らすの怖いやん? せやから、キミやってや」「… はい、かしこまりました。2〜3日頂いても宜しいでしょうか?」「それは遅いわ〜 明日からキャンペーン始まるから、今日の夜中に変わるようにして!」「ぐnn」

Formidable先生ならノープログラミングですね。管理画面から書き換えられますから、担当の人がPHPわかってなくても、さくっと変更できます。夜中から変更するようにしたいなら、Formidableブロックを2パターン用意しておいて、上級権限モードでキャンペーン前のフォームとキャンペーン後のフォームを両方入れておくといいでしょう。それぞれ、任意のタイミングで表示終了と表示開始設定しておけばOK。

Formidable先生は、飛ばすメールの中に、入力情報を代入することが出来る

先の「お問い合わせありがとうございましたメール」ですが、たまに冒頭で「しかたこうき様 この度はお問い合わせありがとうございました」みたいな書き出しで始まってるの見かけませんか?

メールの送信テンプレートを作ることができても、テンプレートはあくまでテンプレート。決まった定型文を入力者全員に対して送ることになります。しかし、せっかく個人情報を入力してもらっているんだし、 せめて名前ぐらいは冒頭に書きたいじゃないですか。

出来ます。そう、Formidable先生はやってくれるんです!! もちろん、名前だけに限りません。入力されたフォーム項目単位で、テンプレートの本文に挿入できます。(ただ、今のところ名前以外で応用できそうなテクを思い浮かばないのですが…)

こういう、ちょっとした気の利いたところが、本当の O・MO・TE・NA・SHEE だと思うんですよね。

Formidable先生は、1つのメールフォームを複数箇所に設定できる

入力項目に変更がないのであれば、メールフォームを1つ設定してconcrete5サイト内の複数のページに埋め込むことができます。これは何がすごいのかと言いますと、

  • 複数箇所からの問い合わせ内容を1つのDBに格納できる
  • どのページからの問い合わせ内容であったかの情報も保存している

の2つが挙げられます。例えば事務用品販売のB2B企業を想定しましょう「コピー機」の商品ページ群と「事務机」商品ページ群と「グループウェア」商品ページ群のすべてにメールフォームを設定するとします。メールの送信先は「info@example.jp」のひとつ。しかし、担当部所はそれぞれ「第1営業部」「第2営業部」「IT営業部」と分かれていたとしたらどうでしょうか。

Formidableは、どのページに配置されたフォームから入力されたかを記録していますので、ページ単位でDBの中を串刺しにして見ることができます。逆に、串刺しにしなければ、第2営業部の人がコピー機の問い合わせ状況を見ることもできますし、状況によってはコピー機とグループウェアを抱き合わせて提案するために、複数の担当者がひとつのDBを見ればいいわけですよね。さらに、型番で個別の製品ページをつくっておき、コンテンツの最後(いわゆるCTA/Call To Actionの位置)に配置するようにしておけば、どの型番についての問い合わせかどうかも判別することができます。

Fromidable 送信元ページの絞込

Result(問合せのすべて一覧)を検索する時に、さまざまな条件で串刺しにできる。On Pageを選択するとconcrete5のサイトマップが開き、そのページから送信された問い合わせ内容だけが表示される仕組み。

このあたり、concrete5は元から大人数でのサイト運用を前提としているため、非Web担当者もマーケティング情報(資産)にリアルタイムで追いつくことが出来るんですね〜

Formidable先生は、入力項目に対して、メールの送信先を変えられる

先ほどの企業例で言うと、info@example.jpにだけ送られていたのでは、リアルタイムに各担当者が情報をキャッチできません。とはいえ、自分の担当している商材とは違う問い合わせがじゃんじゃか飛んでくるのも考えものです。

Formidableでは、入力項目に応じて、送信先のメールアドレスを分岐させることができます。(同報送信もできます)【お問い合わせ商品:□コピー機 □事務机 □グループウェア】としておけば、チェックの入った担当部署にのみメールを送る、ということもできます。

Formidable Recipient Selectorの設定画面

Formidableで設定した、特定の項目と、その項目がチェックされたときに送りたい送信先メールアドレスをひもづける。モザイクの左側が項目名で、右側がメールアドレス。

ちなみに、弊社事例では、担当部所+役員へは全部の問い合わせメールを送って欲しい、という要望もありました。もちろん、全ての問い合わせは特定のメールアドレスに送ることも同時にできますので、さくっと役員の方のアドレスを追加しただけです。

ビ・バ・ノープログラミング!

セミナー告知記事こそconcrete5でサクサク作ってもらいたい!

さて、ひとしきりメールフォームのゴイスーなところを紹介したところで、次の武器。それがセミナー告知記事…

弊社はB2B企業さんの案件が多く、その中でも、セミナー営業に力を入れている会社さんが多いです。よくCMSの話題では「お知らせ記事を社内で更新できる」とか「とはいえ、お知らせ記事の更新もそれほど多くない」みたいな話を聞きますが、弊社のお客さまはどちらかというと「お知らせというざっくりした括り以外に、セミナー告知用のカテゴリーを作って欲しい、そしてバンバン更新したい」という要望が多いです。

で、このセミナー告知記事こそ、concrete5の直感的な操作方法が便利なんですよね〜

スタティックでセミナー告知記事を作ろうとすると大変!

あるクライアント企業様では、それまで静的サイトで運用されていました。また、その運用フローは、社内からWebサイトの修正や更新箇所を一旦「依頼書」という形で紙に書き出し、Web部門に渡すというものでした。

Web担当の方は、過去に開催したセミナー記事のHTMLとメールフォームのCGIをコピペしてきて、開催概要を打ち替える作業をしたり、新規の項目(質問項目とか、ゲストが増えた場合とか)を追加したりします。過去の内容をコピペして修正するだけだと、とても簡単なように思えますが、例えば…

  • 懇親会の有無。懇親会があるなら、無料か有料か
  • 懇親会の会場。その場でケータリングか、会場は別となるのか
  • 東京会場と大阪会場に分かれている。しかし次回は大阪のみ。さらにその次々回は東京大阪名古屋で開催…
  • 名古屋開催のみ、ゲストの方が変わります…
  • 参加費用は、来場者のステータスによって変わります(会員は5000円、非会員は6000円、会員の同伴者は4000円、とか)

などなど… となってくると、入力フォームの使用もだいぶ複雑になりますね。これではコピペレベルではなく、新規にHTMLを組んだりフォームのカスタマイズをするのと何ら変わらなくなってきます。

で、これがたまにある話ならいいのですが、セミナー営業をメインとしている会社では、毎週や毎日のように、日本の色んなところでセミナーを行うこともあるわけです。それが、(たいていの場合)たった一人しか社内にいないWeb担当者にやらせようとなると、スタティックでは… (((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル…)

一般の社員でもメールフォームが作れるから、一般の社員でもセミナー告知記事を書くことができる

で、当然ですがconcrete5に「セミナー告知記事作成」という機能が最初からついているわけではありません。しかし、concrete5に用意された標準機能やアドオンを使えば、簡単に一般の社員の方が告知記事を量産できる仕組みも作れるわけです。

確かにお知らせ記事を社内で更新できるのは良いように思えるのですが、意外と「お知らせ、って何を書けば…」となりがち。しかし、セミナー告知記事ぐらい決まったフォーマットやテンプレートの形になっていれば、あとは予定された情報を入力するだけですので、簡単に更新しやすくなります。(で、そのフォーマットやテンプレートを定義して構築してあげるのが、我々の仕事といえます。ま、これはconcrete5に限らずCMS全般に言えることですが…)

concrete5ですと、まず「セミナー記事」みたいなページテンプレートを作っておくとよいですね。そして、特定のページ下に作成されるよう、コンポーザーを設定しておきます。

或いは、開催日時、開催場所、ゲストスピーカー、講演内容といったセミナーに関する項目を「属性」という形でページにもたせておいても良いかもしれません(ケースバイケースですが)。属性にしておくと、コンポーザーでの入力がやりやすいと思います(エリアの中にDesigner Contentでもいいかも)。

結構好評でした、GoogleMapブロック

concrete5には標準で「GoogleMapブロック」というのがあります。まあ、いわずもがなです。GoogleMapブロックはコンポーザーでは無理なので、一旦下書き保存してから編集モードで入れてもらってるのですが、セミナー会場というのは、

  • 社屋で行う
  • 貸会場を借りる

などのパターンがあり、自社の施設を使うのであれば、予め作成しておいた地図画像を毎回貼り付ければ良いのでしょうが、貸会場の場合はそうも行きません。そこで、GoogleMapブロックはかなり好評な機能でした。会場の所在地をコピペで入力するだけで、するっと配置されるので、デモをしたときは、社員の方の「オォ〜」というどよめきが沸き起こりました…

GoogleMapブロックは確かに便利なのですが、小規模な商店の地図として使うには、一度入れたらそのままなんですよね。移転するわけでもない、新規店舗が増えるわけでもない… というようなクライアント様では、一回使って終わりな機能でした。ところが、色んな場所でセミナーを始めイベントを行う企業にとっては、大変手軽に地図を入力できるわけで、先ほどのような驚きをもって好評なワケです。

ちなみにその企業さん、それまでは、Web担の人や総務の人が、イラレやWordで地図画像を描いていたそうです。お疲れ様でした…

セミナー申込もFormidable先生で!

先ほどFormidableの説明をさんざんしたので、ここで申し上げる間でもないでしょう。Formidableを使えば

  • DBに蓄積されるので、社内の誰もが申込状況をリアルタイムに把握できる
    →顧客対応は営業部だが、会場手配は総務部、みたいな複数人のチームで運営する場合などにメリット
  • DBの内容はExcel形式でエクスポート
    →最終的な受付リストを紙で出力するのもカンタン
  • 担当社員が自由に項目を作成できる
    →詳しい顧客属性を予め知ることが出来る(入力者の企業規模とか。従業員数は何名ですか? という質問とか)事前アンケート等

などなど、色々出来ることはありますね。concrete5とFormidableを組み合わせるだけでも、Webマーケティングの可能性は夢が広がりんぐ! です。

承認フローで、決裁権者が記事内容をリジェクト(却下)できる

我々Web制作者は、公開後も簡単な作業で修正ができることもあるため、出した情報の間違いや失敗は、シレっと直すこともあるかと思うのですが、企業は規模が大きくなるのつれ、体面というものが求められるもの。ある程度以上の企業では、告知記事を出すにしても、間違いがないか、社の方針とズレがないかなどのチェックをしたい、という要望が出てきます。

concrete5には、標準で「承認フロー」という機能があります。弊社で納めた案件では、告知記事は営業担当者が作成、もしくは編集・修正ができるが、その内容の公開自体は出来ないようにしたことがあります。では誰が公開するのかというと、総務担当者が最終チェックを行い、その担当者が承認ボタンを押すことで公開されるという仕組みです。(修正も同じ)

つまり、この仕組みを導入すれば、社のガバナンスまでもCMSである程度コントロールできることになります。社員の勝手な更新や修正も防ぐことができるんですねー。ま、そこまでドロドロした話でなくとも、うっかりミスなどで情報が間違っていた、というようなことも防げるようになります。

こういう監査体制を取ることが出来る企業さんでは、ぜひとも承認フロー、オススメいたします。

ちなみに、concrete5が標準で持っているフローは1段階のみです。例えば、課長決裁→部長決裁→事業部長決裁→役員決裁みたいなフローが必要な場合は、別途「多段階ワークフロー」機能がありますが、これは有償です。詳しくは、コンクリートファイブジャパン株式会社様へお問い合わせください。

終わったセミナー告知記事をどうするか、それも柔軟にできる

年明けて松の内も過ぎたのに、トップページに「年末年始の営業時間について」とかでているお知らせ記事、ありませんか? ああいうのをみっともない、と思う人もいるかもしれません。セミナー告知記事もそういう側面があると思います(個人的には、ページの公開日付、セミナー開催日時がしっかり記載されていれば、過去の記事も重要なコンテンツと考えますが…)

結構コーポレート案件で言われるのが「期限の終わった記事を、トップや一覧から外してくれ」というもの。スタティックであれば、複数のHTMLファイルを書き換える必要がありますね。

ここで上級権限モード先生の登場です!

concrete5には、先程もちらっと述べましたが、上級権限モードという機能があり、これを使えば公開開始から公開取り下げの期限を自由に設定することができます。例えば、10/15開催のセミナーがあったとして、申込期限を10/14の15時で締め切るとします。であれば、ページの公開権限を「10/14の15時」に設定すれば、セミナー告知記事自体が、非ログインユーザーから見えないように設定することができます(concrete5の用語では、ゲスト、という権限になります)。

concrete5 上級権限モードのスクリーンショット例

弊社年末年始の営業についての記事に設定した権限の設定。公開開始は12/1、公開終了は、1/5に設定してある。期限が来たら、この記事は自動的に見えなくなる設定だ。

もっとも、非表示しているだけですから、ページが削除されるわけではなく、しっかり残っています。再公開することもできますし、ページをコピーして、新しいセミナー告知記事のひな形にすることもできます。

上級権限モード先生は、ブロック単位で設定できる!

上級権限モードは、ページ単位ではなく、concrete5の様々な単位で設定することができます。あまりに様々すぎるので、今回のケースでは、ブロックの権限についてポイントを絞ります。ブロックとは、concrete5でページのコンテンツを形作る単位の1つです。ページテンプレートの中で定義された、エリアの中に置くことができます。(さっきのFormidableやGoogleMapも、ブロックという単位で用意されています)

先ほどの「ページの公開期限を権限指定する」場合だと、10/14の15時になると、ページが一切見れなくなってしまいます。しかし、セミナー開始は10/15ですから、当日までに「会場どこやっけ?」「開始時刻っていつやったかな?」「ていうか、誰が登壇すんの?」というような目的で、来場者がページを見に来るかもしれません。

目的としては「締切後の申込を弾きたい」わけですから、ページごと見えなくするのではなく、フォームを向こうにするほうがスマートですし、先述のような要求も満たすことができます。

従って、この場合はフォームブロックに対して公開期限設定を行い、その期限の後には「お申込み期限は終了いたしました。」というような文言を書いた記事ブロックを、締め切り時刻以降に表示させるようにしておけば良いでしょう。

ちなみに、Formidableは、上級権限モードを使わなくても、フォーム自身の利用可能期間を設定でき、終了したら出すメッセージの機能も備えています。

Formidable 期限設定のスクリーンショット

Enable Expireにチェックを入れると、公開期間を設定できる。期間外の時に表示するメッセージもここで設定できる。

過去記事をどう扱うか、柔軟にコントロール

今ドキのSEO的に言えば、過去の情報よりかは未来の情報のほうがより人のためになるコンテンツと言えますから、過去の記事は、しばらくしたら上級権限モードで非表示にしてしまうほうがいいかもしれません。

しかし、セミナーを実施した、どこの誰をそれを呼んで、どこの会場でやった、というのも、企業としては重要なコンテンツ資産(過去の蓄積)ですし、置いておきたいものですね。

ですから、トップページやセミナー(イベント)一覧ページからは除外するけど、アーカイブページには置いておく、というのも1つかもしれません。これは、上級権限モードではなく、ページリストブロックや、Page List+アドオンで実現することができます。

あと、ある特定の時刻以降は、noindex nofollwを出す、みたいなことをしても面白いかもしれません。(これは、若干プログラミングが必要ですが)

え? まだ有料のメルマガ配信スタンドで疲弊してるの?

実はメルマガについては弊社事例としては未導入なのですが、来年はぜひ取り組みたいソリューションの1つです。

私個人、そして弊社としてはメルマガ配信については全く仕事として触れたことがなかったのですが、ふと気になって、配信サービスのことを調べたことがあります。この辺りの事情をご存知ない方は、有料メルマガ配信スタンド比較ガイドなどをご覧いただくと、費用感とか機能を把握していただけるかと思います。

ところで「concrete5でメルマガ配信ってどーやんのかな?」と色々英語で調べてみたら、ありました。すごいアドオンが! その名もMailing List。名前がややこしいです。いわゆる日本でいうところのメーリングリストではありません。純然たるメルマガ(あるいはニュースレター)配信のためのアドオンです。

Mailing List先生、スペックがパねえッス!

concrete5アドオン Mailing Listの購入画面

まず、MailingList先生の紹介ページをご覧ください。英語ですので、日本語にしたものを、下記に転記しますね。

This system consists of three main parts:

このシステムは、3つのメインパートで構成されています

  • A new Mailing List section within the dashboard
    Mailing Listセクション:管理画面に新しくMailing Listというセクションが作られます。
  • A Mailing List Subscriptions block that allows your users to subscribe to mailing list groups
    メルマガ購読ブロック:ユーザーが、購読を申し込むためのブロックです。
  • A Manage Subscriptions page, where users can cancel subscriptions, or optionally verify their email addresses when subscribing.
    購読者向けの管理ページ:購読者が購読をキャンセルしたり、メールアドレスの認証を行ったりできます。

Package Features:

パッケージの機能(訳注:Mailing Listアドオンのこと)

  • Send Rich-Text / HTML emails directly from your website’s dashboard, and have a plain text version auto-generated.
    HTMLメール送信可能。WYSIWYGエディタで管理画面から作成。プレーンテキストバージョンは、自動で生成します。
  • Automatically include unsubscribe text & links with each email.
    配信解除のためのリンクと文章を、自動で挿入します(訳注:多分メール本文の最後にあるようなやつ「配信解除はこちら」)
  • Works with both regsitered and unregistered users!  You can optionally require that only registered users may subscribe.
    あなたが運用しているconcrete5のサイトにユーザー登録していない人にも送信できます。(オプションでユーザー限定で送ることも可)(訳注:concrete5には会員制サイトの機能があります。そのユーザー登録のことを指しています)
  • When sending to thousands of recipients, you can slow the send rate of mailing so your server doesn’t get bogged down.
    数千人規模といった大量の購読者がいる場合、配信ペースを落とし、サーバーへの負荷を軽減することができます
  • If the send process is interrupted for any reason, easily resume sending where it stopped.
    何らかの理由で送信プロセスが中断した場合、中断したところから、簡単に復帰させることができます(訳注:多分、送信エラーでも重複して送信することはないみたい)
  • Enter your own header and footer HTML, to customize the look of your emails.
    オリジナルのヘッダーやフッターで、メール本文を自由にカスタマイズできます
  • Export recipient lists in Excel or CSV format.
    購読者リストを、ExcelかCSV形式でダウンロードできます。
  • *New* If you already have a database of mailing list subscriber emails, you can easily import them.
    既に購読者のリストをデータベース形式で持っている場合、簡単にインポートできます←New!(訳注:多分、メルアドのリストのことを言ってるんだと思われ)
  • *New* Attach files to your mailings
    メルマガにファイル添付できます←New!
  • *New* Collect and include user attributes, like first and last name, in your mailings!
    ユーザー属性をメール本文に代入できます。例えば名前とか←New!
  • *New* Browse, subscribe, and unsubscribe users from the dashboard
    購読者の検索、配信開始、配信停止を管理画面から操作できます←New!
  • *New* Save as your mailings as drafts, or use prior mailings as templates for new mailings
    メルマガ記事の下書き保存ができます。また、過去の記事を複製して書き換えたものを配信することもできます。
  • *New* Monitor mailing views, click-thrus, and unsubscriptions
    開封率やクリックスルー率、購読停止などの情報を確認することができます←New!
  • *New* View details on user unsubscriptions.
    購読停止の詳細を確認できます←(訳注:よくわかんないけど、購読を停止した時刻や停止を申請した箇所とかがわかるんじゃないだろうか。)
  • *New* Includes English, French, and Dutch translations
    管理画面の言語は、英語、フランス語、オランダ語に対応←New!
  • *New* Customizable new subscription auto-responder welcome message
    新規購読者に対して、サンクスメールを送ることができます←New!

 

めっちゃくちゃ優秀じゃないですかー! これが$55(記事執筆時)ですよ、奥さん! すごい時代です。「え? 有償アドオンですか?」えっとですね、そう思われる方はもう一度先ほどの比較サイトをご覧ください。

実はここまでの機能を実装しているというのは、大体初期費用に数千円、毎月1000円から3000円程度のコストがかかります。しかし、concrete5なら… アドオンの$55と、サーバーの維持費だけですね。長い目で見ると、こっちのほうがおトクですよね…

なお、Mailing Listアドオンについては、1日のアドベントカレンダーを書いた、コンクリートファイブジャパン株式会社のKatz Uenoさん、19日の記事を書かれたmiz563さんが、詳細な使用レポートを書いてくださっています。ぜひ参考にしてください!

 

ところで、Webマーケティング的には、このMailing Listの機能がアツい!

開封率・クリックスルー率

メルマガやるなら、この機能は外せないと思うんですね。だからこそメルマガ配信スタンドが有料として成り立つ部分もあるかとは思うのですが。そして、自前で開発するとなると、なかなかやっかいな部分でもあると思います。

また、配信したメールの文面ごとに開封率・クリックスルー率を見ることができるので、どの内容が反応良かったか、などパターンテストをすることもできます。PDCAが求められるWebマーケには必須の機能ですよね。

ユーザーグループごとに、配信するシナリオを変更できる

シナリオとは、メルマガ用語で、メール本文の文面のことを指します。しかし、この文面を、ターゲットとなる属性に合わせて変更するのが、協議の意味でのシナリオです。

例えば、同じ働く30代向けの記事を書くとしても、男性と女性で切り口を分けたほうが良いです。男性サラリーマンの購読者には「今日も暑いですね!  就業後は早く返って冷たいビールで乾杯したいなんて人も多いのでは? 今日は自宅で楽しめるビールサーバーを特集します」というような感じ。

しかし、働く女性に対しては「今日も暑いですね! 就業後は冷たい飲み物で、家飲み女子会はどうですか? 今日は自宅に置けるビールサーバーのご紹介をメインに、おしゃれなビアカクテルのレシピも教えちゃいます♪

というような文面のほうが良いに決まってますよね。同じビールサーバーの紹介記事でも、相手の属性に合わせて文面や切り口をカスタマイズする。これがメルマガ用語で言うところの「シナリオ」です。

ところで、上記Mailing List紹介には書かれていないのですが、ユーザーグループごとに違う文面を送る、ということも可能です。上記では「concrete5のユーザー登録なしで使える」ということですが、この機能を使うには、concrete5にユーザー登録をしてもらう必要があります。そして、このconcrete5へのユーザー登録をしてもらう時に、自由な属性を入力させることができるのです。

例えば先程の例であれば少なくとも「性別」「年齢」は必要。そして、concrete5の標準機能である「ユーザーグループ」を「20代男性」「20代女性」「30代男性」「30代女性」というように細かく作っていき、属性に応じてユーザーグループの設定を振り分けます。

このようにしておけば、属性ごとに配信内容を変えることができるわけです。もっとも、年齢や性別はよく例に挙げられる例に過ぎませんので、この仕組は運用者のやりたいように自由に設計すればいいでしょう。例えば、見込み客のお客さん、既存のお客さんという属性を作って、ニュースレターの内容を分けることも可能です。

  • 見込み客向けレター:新規向けセミナー告知記事や、導入事例の紹介
  • 既存顧客向けレター:既存向け製品活用セミナーや、活用ビデオコンテンツなど

なお、属性は登録するユーザーに入力させるだけでなく、管理者側(サイト運用者)から個別のユーザーのもつ属性を編集することもできます。また、属性をユーザー(お客さん)に見せなくすることもできます。ですから「セミナー参加:11/4 新規」とかいう属性のキーと値を作って、管理画面から参照や付与することができます。一種のリードナーチャリング的にも属性は有効に使えますね。

なおかつ、Webエンジニア的には、このMailing Listの機能がアツい!

購読ユーザーのインポートが可能

これは地味に重要です。有料メルマガ配信スタンドからの移行や、既に蓄積された顧客のデータベースがある場合は、これを資産として活かしたいところ。それを簡単にインポートできるのは便利です。

ただし、concrete5のユーザーとして登録させるには、別のアドオンKino’s import usersを使用する必要があります。

配信解除機能が標準でついている

当たり前な機能といえば当たり前なんですが、これを実装しようと思うと… 楽でイイですね。

大量のメール配信を小分けにできる

これも当たり前といえば当たり前なんですが、これを実(ry ただ、小分けにするといってもどれぐらい小分けにするかは、各サーバーのスペックやサーバー会社の規定もあると思いますので、事前に問合せたほうが良いと思います。

外部のメールサーバーから配信できる

これはこのアドオンの機能ではなく、concrete5の機能なのですが、concrete5のサイトから飛ぶメールは、PHPのmail()関数が使われています。従って、サーバーにインストールされているsendmailを使うということです。

しかし、大量のメール配信をWebサーバーでやろうとするとWebの領域にも負荷がかかりますし、レンタルサーバーの場合は、同居している他のユーザーにも迷惑。あるいは、そもそもsendmailが入っていないサーバーっていうのも(たまに)あります。

concrete5ではそういった状況を想定し、メール送信をPHPでやるか、外部のSMTPサーバーを使うか選ぶ事ができます(管理画面→システムと設定→SMTP メール送信方法)なんて賢い子なのかしら!

例えば、外部のサーバーを使いたい場合は、Gmailのサーバーを使うようなこともできます。もし「無料のメールサーバーとか怖い」ということであれば、メールサーバー専用のプランを別途契約するのはどうでしょう? 今回のconcrete5アドベントカレンダー2014・14日の記事を担当されたさくらインターネットさんには、メールサーバー専用プランがあるみたいですよ。

さあ、cocnrete5でリードナーチャろう!

最後は会員制サイトについて。実は冒頭で紹介した、私の登壇した事例紹介の話も会員制サイトです。会員制サイトと言うと、みなさん何を想像されるでしょうか? Facebook? 食べログ? Flickr? それともサイボウズLiveのようなグループウェア? どれも正解ですし、やろうと思えばconcrete5でやれなくもないです(ただし、ガッチガチのギッチギチにカスタマイズが要りますが…)

まあ、そんな大御所レベルのものでなくとも、時々「ああ、このページにパスワードかけられたらいいのにな」とか「既存顧客限定にこのファイルをダウンロードしてもらいたいな」というようなことがあると思います。

そういう時にconcrete5が標準で持っている「会員制サイト」の機能が強力なんですよね。上述の勉強会にお越しにならなかった方のためにも、SlideShareの補足として、会員制サイトとリードナーチャリングの補足をここでしておきたいと思います。

リードナーチャリングとは?

リード=見込み客 ナーチャリング=育てる という意味のマーケティング用語です。

B2B商材や、B2Cの高額商材では「商談」というものがあります。例えば

  • 価格が高いので、相見積を取る
  • 高額な場合、先行事例を研究して、安心できるものを買いたい
  • 要件が複雑でオプションもたくさんあるので、まとめあげるのに時間がかかる

などの理由で、問い合わせからクロージング(契約)に至るまで、ある程度の期間が必要な商材があります(というか、B2Bはだいたいそうですよね)基本的には、営業担当者が直接メール・電話・面談で進めるかと思いますが、これをある程度Web上で済ませてしまおう、というのが最近の傾向です。

冷やかしの客を落としたい

ご存知の通り、Webから問合せのあった顧客の全てと契約に至るわけではありません。当然向こうも価格を知りたい、詳細を知りたい、なんなら安くできないか、などの思惑をもって問合せをしてくる場合もあります。むしろWebが浸透したので、気軽に問合せがしやすくなっている現状がそうさせているフシもあるかもしれません。

問合せは増えても、契約へのコンバージョン率が下がれば、むしろWebにフォームを用意して問合せを募ること自体が本末転倒と言えるでしょう。また、それに対応する営業担当のヒューマンリソースも有限です。

では、ある程度そういう冷やかしの客をふるいにかけるには、どうすればよいか。色々ありますが、弊社としてオススメして(なおかつ実績あるのが)リードナーチャリングを会員制サイトで行う、というやり方です。

concrete5で会員制サイトを作ると実現できるこんなメリット

会員限定のコンテンツを見せることができる

当然のことではありますが、ページやPDFファイルなどを会員限定に見せることができます。例えば、価格だけ気になるお客さんに対しては「価格表はこちら(※ログイン後にご覧いただけます)」としておき、まだユーザー登録していない人へは、登録を促せば良いです。価格表も作るのが難しければ、概算表で「50,000〜」みたいに最低金額を書いたリストにしておけばよいでしょう。

その情報を見て折り合いが合わなければ、その将来顧客は問合せすること無く離脱するでしょう。逆に「えっ? 50,000からで出来るの? もっとすると思てたわ。もっと詳しく聞きたい(ガタッ」というような人はそこからさらに問合せしてくるわけで、この場合はより「成約への確度が高いお客さん」と言えます。

また「資料を送ってほしい」という問合せも多いのではないでしょうか。紙の資料が欲しいというニーズもあると思いますが、近年はITスキルの浸透もあり、PDFで欲しいという人も多いようです。であれば、紙資料のPDF版をconcrete5のファイルマネージャーに登録しておき、会員サイト内でダウンロードするようにしておけば、印刷コストや発送コスト、さらに配送にかかる手間もカットすることができます。さらに、資料に新しい情報を追加して最新版を作った場合は、ファイルマネージャーから新しいバージョンを上書きすることもできます。過去のバージョンは、サーバー内に保存されているので、いつでも過去のものに戻せます。

誰が何回ログインしているかを見ることができる

concrete5は、ユーザーのログイン回数をログに取っています。これにより、ログイン回数が頻繁な人順に並べ替えることができます。ログイン回数の頻繁さは「契約の検討を積極的に行っている」という仮説に結びつきますから、確度の高さから、個別に対応すべき将来顧客のリストを作ることができるわけです(あくまで1つの尺度ですが)

ちなみに、管理者側のユーザー(運用者)もログイン回数に含められていますので、あくまで将来顧客のお客さんだけのグループを作る必要があります。新規にユーザー登録したユーザーを任意のユーザーグループに入れるアドオン、Registrant Groupを使って、お客さんだけのグループを作っておきましょう。

誰がどのコンテンツを見ているかわかる

先程の例で事務機器のメーカーを出しましたが「コピー機」「事務机」「グループウェア」のうちで、コピー機のページだけ見ている人を確認することもできます。(要PageStatisticsViewerアドオン)これまではGoogleAnalyticsなどでどのページがよく見られているか、というトラッキングは可能でした。GAでは、どのページの後にどのページが見られている、などの追跡もできます。しかし、それを見ているのはどこの誰か、というのは知りようがありませんでした。(当然ですが…)

確度の高そうなお客さんに、逆問合せ(営業メール)を送ることができる

しかし、会員制サイトであれば、そのトラッキングとユーザーIDが紐付いているため、容易に解析が可能です。さらに、会員登録の場合、メールアドレス入力を必須項目にしておけば、こちらからそのメールアドレスに対して営業担当者からアプローチをかけることもできるのです。

例えば先ほどの例では、コピー機のページだけ見ている人に対して、コピー機の担当部署である第1営業部の担当者から、その人のメールアドレスに対して逆問合せを送ることができます。なお、そのメールアドレスが有効でない(宛先不明等)場合が不安な時は、ユーザー登録時に、メールアドレス認証(仮登録メール)を送ることもできますので、ご安心を。

concrete5は顧客コミュニケーションサイトにもなる

これらは会員制サイトのごく初歩的な機能であり、マーケティング特化したメリットだけに過ぎません。しかし、表向きは一般的なコーポレートサイト、しかしログインをすれば、顧客と企業がコミュニケーションを取ることができる、一種のグループウェアというようなことも可能になります。

グループウェアというと、プロジェクトのためのシステムと思われるかもしれませんが、いやいやしかし、既存顧客限定に、新規情報を優先的に流したりとか、フォーラムブロックを使って、顧客と担当社員が質問回答を行ったり… 以前問合せがあった引き合いでは、「商品の新規開発を顧客と行いたい」というのもあります。ええ、できますとも、concrete5ならね!

と、こんなあたりが、concrete5がWebマーケに強いCMSの武器たるゆえんでしょうか。1年ほど実案件で使ってきましたが、使えば使うほど、すぐにでも試したい(でもそういうお客さんがいないから試せない;_;)アイデアがたくさん湧いてきます。

ところで、◯◯◯◯級って何やったん?

えーとですね、そこはエンプラ級です。エンプラ。

エンタープライズとは

IT業界でしか使われない用語なのですが、主に大企業のことを指します。大企業向けですから「堅牢性が高い(=セキュリティ破るのが大変難しいとか)」「冗長性が高い(=バックアップ複数用意して落ちにくいとか)」「大人数で使うことができる(=数千人とか数万人とか)」そういう要素が求められるシステム使われる用語です。(もっとも、これといって「エンタープライズとは」の確かな定義って、誰も定めてないのですが…)

で、実はconcrete5は元々エンタープライズなんですよね。大企業向けのCMS。開発当初はオープンソースではなく、100万円以上のライセンス料がかかるというスンゴイやつでした。それが2008年、オープンソースになったものだから、当時は大変話題になったようです。

ちなみに、堅牢性や冗長性で言えばconcrete5は開発当初から秒間1万アクセスに耐えられることを要件として開発されています。大人数で使うという視点では、concrete5で運用されているconcrete5.orgは、20万を超えるアカウントが登録されています。

で、なんでウェポンなん?

実はこの記事の土台となるアイデアは、10月にある方とお話していて生まれたものです。それは、18日のアドベントカレンダーを書かれている浜松のtomoyaさん。彼が私のオフィスに来てくれた時に「concrete5を使ってこんなことがしたい、あんなことがしたい、こんなことが出来るよね」という話で盛り上がりました。その時のtomoyaさんがふと言ったのは「これはもう、ウェポンだね」とポロっと。そう、concrete5は中小企業にとって、ウェポンである、と。

それを聞いてパッと思い浮かんだのは、空母です。ウェポンっていっても、槍とか拳銃とか、そういうレベルじゃない。そしてふと「ウェポンなら空母ですね。それも、エンプラ級の」と言ったのが私。そしてtomoyaさんが「あーっ! だから、エンタープライズかぁ〜!

空母エンタープライズ

USS CVN-65 空母エンタープライズ

USS CVN-65 空母エンタープライズ

エンタープライズという名前の軍艦は歴史上たくさんありますが、有名なのは、1960年代から2010年代にわたって使用された「CVN-65 空母エンタープライズ」でしょう。世界初の原子力空母として有名ですが、圧倒的な海軍力を持つアメリカの象徴的な船としても語られます。

空母といえば、飛行機を飛ばすことのできる船、というイメージをお持ちの方が多いかもしれません。それは間違いないのですが、実際のところはその巨大な艦容と航空機運用能力をもって、実に様々な作戦に用いられます。

敵の航空機を撃退するための制空戦闘機、沿岸から遠く離れた海上より、地上の敵戦力を叩いたり味方を援護するための戦闘攻撃機、対潜水艦戦闘用の対潜哨戒機、人員や貨物を輸送する艦上輸送機や汎用ヘリ。また、その圧倒的な排水量から、あえて艦載機を搭載せず、輸送任務に転用することもあるとか。災害時には、その小型原子炉を使って、被災地に電源供給することも…

とにかく、エンプラ級の空母となると、やれることの間口がとてつもなく幅広いんですよね

ちなみに、エンタープライズという英語の意味としては、事業、とか冒険、とか結構色んな意味合いがあります。IT業界のエンタープライズは前者の意味でしょうし、空母エンタープライズは後者からとられてるんでしょうね、きっと。

でも、エンタープライズCMSとして開発されたconcrete5には、空母エンタープライズの持つ能力の幅広さや懐の広さを連想してしまいます。そう、だからconcrete5はエンプラ級だと私は言いたかったのです。

日本の中小企業がエンプラ級のウェポンを手にするという意味

cvn-65_unmoz

そもそもの話に戻りますが、エンタープライズ向けとして開発されたconcrete5は、今もその要件を十分に満たせる実力を持っています。一方、オープンソースであるconcrete5は、世界中のだれでも自由に無料で利用できるようになりました。従って、大企業でなくとも、中小企業はもちろん、個人だろうが任意団体だろうが、自由にダウンロードして実装できるわけです。

でも、まだまだconcrete5は知名度が低い。そして、ここまでWebマーケティングに寄り添える機能があることが知られていない。それが残念なので、今回はだいぶ掘り下げて考えてみました。

この記事で書いた内容は、この1年で弊社の案件と自分で実際に手を動かしてみて気づいたことが多いです。ここで紹介しているアドオンは有償が多いですが、どれも数十ドルで手に入るので、試しに使ってみるには問題ない価格です。まして、Webマーケティングに力を入れて行こうという企業であれば、こんな額、端金でしょう。そして、concrete5本体は、ライセンス料のかからないオープンソースなわけです。

まずは試してください。インストールは一般的なCMSとそれほど難易度はかわりません。なんなら簡単インストールが用意されているサーバーなんかもあります。ローカルにインストール(MAMP/XAMPP)するのもいいでしょう。concrete5のいいところは、かなりのことを管理画面のGUIで操作できます。色々触っているうちに「こんな機能があるのか〜」「◯◯をしたいんだけど、あれ? 管理画面でできるのね」と気づくことがいっぱいあると思います。

その上で、あなたがWebサイトでやりたいこと、考えてみてください。concrete5ではどうするのか、調べてみてください。残念ながら、まだまだ英語の情報ばかりですので、英語でググってもらうほうが早いと思います。(もしくは弊社日本語でご相談ください←ステマ)

今日ここで上げたメールフォーム、セミナー記事、メルマガ配信、リードナーチャリング。どれも、今までの業務(とりわけマーケティングの)を効率化するためのものです。だいたいの企業は、このご時世人手不足だと思います。「先月一人辞めたけど、新しい人材募集はしない」とか「Web担当を新しく作ったが、専任で充てる予算はない」とか。どんな企業様でも、こういうお悩みは伺います。そんな辛い状況の中で、例えば「メールフォームスクリプトの不具合で問合せメールを受けられていなかった」「冷やかしの客の対応で1日が終わった」「セミナー告知記事を量産しないといけないので徹夜した」みたいなことをさせてていいのでしょうか。

(ITのほうの)エンタープライズには、大量の情報をさばく必要のある要件をもとに設計されています。ですから、本来業務効率を改善するには、こういったものを導入する必要があるのです。あるデータベースをさばくにはExcelでは限界で、Accessを使う、みたいな話に近いかもしれません。しかし、エンプラのシステムはいかんせん価格が高い。扱うのも一苦労。中々、中小企業には使いたくとも使えない状況が多いと思います。

しかし。何度も言いますが、concrete5はオープンソースです。無料です。WebサイトのCMSですから、Webサイトを作るのが、もっとも得意です。しかし、用意されている標準機能やアドオンを組み合わせると、これまでは大企業や資本力のある企業でしか実施できなかったWebシステムが比較的安価に作ることができます。だから、中小企業こそ、concrete5を導入してほしい。大企業が持つのと同じ武器で、戦うことができる。そう、お金のない国でもエンプラ級の空母が手に入るんです!(※軍拡(・A・)イクナイ!!)

Web制作者のみなさんへ

今回はじめての試みだというconcrete5のアドベントカレンダー、実に様々な切り口の記事が数珠つなぎになっていて、とても面白く読みました。技術ネタあり、コミュニティネタあり、回想ネタあり、そして冒頭でも紹介したマーケティングネタあり、と。バラエティに富んでいて、楽しませてもらいました。

ただ、やはりこの中ではマーケティングネタ以外は、クライアント企業様がconcrete5を導入した時に、どのように業務が「ガラりと」変わるのか、それをクライアント企業に想像させるのは難しいのではないでしょうか。

制作者サイドからすれば「Webサイトを作るのに適しているCMS(WPと比較して)」とか「WPほどカスタマイズをする必要がない、PHP触る部分が少なくて済む」とか、まだまだWeb上では自分たちに都合のいい話しか、見つけることが出来ないんですよね。

そんなことをしていると、結局concrete5を使っていても最終的に「concrete5? ふーんすごいね、でも他のところが安い金額出してきてるから、そっちにするわ」でオシマイになります。しかし、concrete5ならではの機能と、その機能を組み合わせて実現出来る世界が、例えば他のソリューションやフルスクラッチと比較して割安なのだとしたら… 圧倒的に、concrete5で提案するほうが、引き合いが強いと思いますよ。

これからconcrete5を事業に組み込みたいWeb制作者のみなさんへ

上記のことを受けて、これだけはひとつはっきり言えます。concrete5をWebサイトだけのCMSと思わないほうがいい。これです。でも、とても大事なことです。サイトマップ書いて、WF書いて、カンプ作って、コーディングして納めてお終いというWebサイトのCMSとしては、むしろもったいないぐらい(それが向いてない、というわけではありません)。そしてそんなビジネスモデルの時代は終わりました。また、何でもいいからCMSにして、お知らせ記事はお客さんたちで更新してもらう。それ以外は別途見積りで… そういう時代も終わりつつあると思います。これからは、顧客のベネフィットに沿った案件提案が求められます。それはWebを通じた顧客の新規獲得だけではないです。Webに関連するありとあらゆる業務の改善が、みなさんの案件に直結してきます。その時に、cocnrete5はみなさんにとっても、強力なウェポンとなるはずです。

弊社をご検討中の方も含めたみなさんへ

弊社は、concrete5をエンプラ級のウェポンと考えています。concrete5はWebサイトだけのCMSではない、とも考えています。弊社がconcrete5で収めるものは、企業が内部の社員みなさんでWebマーケティングを実践するためのもの。そのシステムを納入すると考えて制作いたします。

この考えにご賛同頂けるクライアント企業様は是非弊社お問い合わせください。また、この考えにご賛同いただける同業者のみなさん、ぜひconcrete5のコミュニティに飛び込んでみてください。みんな、暖かく迎えてくれますよ! そして一緒にconcrete5を盛り立てていきましょう!

さーて、明日のアドベントカレンダーさんは?

我らがコンクリートファイブジャパン株式会社菱川さんです!