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ここに注目! 「女性閣僚ダブル辞任! どうなる安倍政権」2014年10月21日 (火)
城本 勝 解説委員
安倍内閣の二人の女性閣僚が、政治とカネの問題で辞任しました。安倍政権はいったいどうなるのでしょうか。城本解説委員です。
Q 安倍政権、大変なことになっていますね。
A 発足以来、アベノミクスに支えられて2年近く比較的安定的に進んできた安倍政権でしたが、内閣改造直後、しかも看板政策、「女性活躍」の象徴的存在の女性閣僚二人の辞任で、一気に視界不良の乱気流に突っ込みました。
Q 一日に二人の閣僚が辞めるというのはあまり聞いたことがありません。
A 私も閣僚の辞任劇を随分取材してきましたが、不祥事で一日に二人辞任というのは極めて異例です。第1次安倍内閣の時も、政治とカネの問題などで閣僚が次々に辞任。政権が弱体化する要因になりました。この時、安倍総理の決断が遅れてずるずると問題を長引かせたことが事態の悪化につながったという反省もあり、今回は、野党側から厳しい批判が出ていた小渕、松島の両氏を一度に辞めさせる決断をしたのでしょう。内閣としてけじめを明確にして早く態勢を立て直したいという狙いです。
Q 早めに辞めさせた方が、傷口が広がらないということですか?
A そう簡単ではありません。他にも政治資金の問題を指摘されている閣僚がいます。野党側は、安倍総理の任命責任も厳しく追及する方針です。女性活躍や地方創生に関連する今後の国会審議にも影響が出るのは避けられません。
Q 安倍総理大臣の責任も問われるわけですね。
A 政権だけの問題ではありません。
後援会のバスツアーといい、祭りで「うちわ」を配ったことといい、中選挙区時代に「有権者へのサービス合戦」と批判された問題です。小選挙区にして政党助成金を導入したのも、そうした悪弊を無くすためだったはずです。「いまだにそんなことをやっているのか」と思われイメージが悪くなると心配する自民党議員もいますが、政治への信頼を損ねた責任も大きいと思います。
消費税率再引き上げや原発再稼働など難しい問題が山積している中で、国民の信頼を大きく失ってしまった、このことが安倍政権にとっては深刻なダメージになると思います。