八戸・高2女子死亡:「いじめあったが直接的な関係ない」

毎日新聞 2014年12月23日 20時43分(最終更新 12月23日 20時50分)

 ◇青森県教委の第三者機関が報告書

 青森県立八戸北高(八戸市)の2年生の女子生徒が今年7月に自殺したとされる問題を巡り、県教委の第三者機関「県いじめ防止対策審議会」(会長=内海隆・青森公立大教授)は23日、「自殺はいじめにより直接的に引き起こされたものではない」と結論付ける報告書をまとめ、中村充教育長に提出した。生徒がいじめを受けていたことは認定したが、悪質性は薄いと判断。自殺については「重度の摂食障害と抑うつや友人関係、学業成績などの幾重にも重なった複合的因子により惹起(じゃっき)されたもの」とした。

 審議会は、生徒の両親が、いじめによる自殺だと学校に伝えたことで、7月末に設置された。生徒のブログや2年生からの聞き取り調査などを進めた結果▽無料通信アプリ「LINE」(ライン)で悪口を言われた▽生徒がラインを抜けて「良かった」という趣旨のやり取りがあった▽体育の授業で生徒にボールが渡ると歓声がやんだ−−など7件をいじめと認めた。

 一方で「顕著な悪質性はなく、集団生活で不可避的に生じる人間関係の衝突の範囲」とし、両親が「いじめが原因」と主張する摂食障害については「中学時から素地があったと考えられる」として、いじめとの直接の因果関係を否定した。

 審議会委員の関谷道夫・県臨床心理士会会長は「2年生になってからの生徒のブログでは摂食障害が視野のほとんどを占めていた。『いじめ自殺』の構図ではないと考えている」と説明した。【宮城裕也】

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