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【日本の議論】
「韓流の街・新大久保」寒すぎる年の瀬…「李明博の竹島上陸が契機」で東京コリアンタウンの売り上げ「半減」
確かに、ブーム当時のごった返す店内と比べると、かなり落ち着いた印象で、客の出入りの割にレジが暇そうだった。同店のチョン・チャンウ店長(36)は、「韓流ブームは2年前まで。もうバブルが消えて、これが平常だと思っている」と割り切る。
とはいえ、店の売り上げは最盛期の半分以上に減った。さらに日韓関係の悪化や、一帯であった「ヘイトスピーチ」のデモが影を落とした時期もあったといい、「政治の問題が営業に影響するのは苦しい。それだけに今でも来店してくれる人には本当に心から感謝している」と切実な思いをにじませる。
店を出て、一帯で最もにぎわう路地、通称「イケメン通り」へ。大型化粧品店では、多くの女性客が体をよじらせながらすれ違うほどの込み具合だったが、飲食店やカフェは昼時にもかかわらずがらんとしていた。
通り沿いにあるサムギョプサル専門店の男性店長(28)に聞くと、「客が減り、営業時間より早めに閉店してしまうことも多い。周りの店も、12月の予約が昨年より3分の1減ったと聞く」と説明。「観光客の減少は売り上げに影響する。これでは年末の雰囲気が出ない」と嘆いた。
さらに静かだったのは、イケメン通りと同じく大久保通りと南の職安通りをつなぐ別の数本の路地。飲食店や雑貨店があり、以前はこちらも観光客がいたはずだが、犬の散歩をしている近隣住民らしい女性しかいない路地もあった。飲食店の前に立った店員の「ランチいかがですか」と呼ぶ声がやけに響いていた。