”タートルズ流”資金管理&リスク管理術
■リスク管理の基本の指標「ATR」
投資用資金を把握したら、次に知っておきたいのが「ATR」(アベレージ・トゥルー・レンジ)だ。
「海外では一般的に使われているテクニカル分析のひとつなのですが、日本では残念ながらあまり知られていません。『自分が投資しようと思っている市場が一日にどのくらい動くのか』を知っておかないとリスク管理はできません。その指標となるのが、ATRなんです」
ちょっと気の利いたチャートならATRが表示できるはず。ATRを取引の参考にする人もいるようだけど、今回は取引そのものではなくてリスク管理のために使うから、チャートに表示させなくてもOK。それより用意して欲しいのは電卓やエクセルだ。
■エクセルを使って日々のATRを計算する
「今日のATRがいくらなのかは、すぐに計算できます。計算に使う数字は前日の終値と、今日の高値・安値だけです」
ATRの計算って、意外と簡単。まずは今日のTR(トゥルー・レンジ)を求める。TRは次の3つの数字のうち、最大のものだ。
(1)当日高値-前日終値
(2)前日終値-当日安値
(3)当日高値-当日安値
この3つの数字のなかで最大のものが「今日のTR」。当日を含め過去20日分のTRを平均化するとATRとなる。エクセルに計算式を入力しておくと、日々の四本値を入れるだけで計算できて便利かも。
このエクセルだと、①のセルは「=MAX(C2-E3,E3-D2,C2-D2)」と入力してある。過去20日分のTRを平均化したのがATRだから、②は「=AVERAGE(F2:F21)」と入力すればいい。複雑な計算じゃないから、電卓で計算してFX用のノートに日々メモしていってもいいかも。
■ATRってどんな意味がある?
「ATRは一日に動く幅の目安となります。上のエクセルを見ると、最近の米ドル/円のATRは0.9から1円程度となっていますから、『1日に最大で90銭から1円程度は動く可能性があるな』と考えられるわけです」
ATRは平均値なので、それ以上に動くこともあるが、目安にはなる。
自分の投資用資金と、このATRがわかれば、取引量はもう決められる。具体的な取引量の決め方は、次回聞いていこう。
>>>2回目は「ユニットを使えばリスク管理はめちゃくちゃ簡単になる!」