再生エネルギー:「買い取り」電力5社再開へ
毎日新聞 2014年12月22日 19時59分
◇「九州電力、太陽光を1月中旬に」で対応方針出そろう
再生可能エネルギーの買い取りを停止していた電力大手5社の再開に向けた対応方針が出そろった。九州電力が22日、太陽光で作った電気の新規買い取りを来年1月中旬に再開すると発表。北海道、東北も同時期に再開する。四国、沖縄電力は18日に再開した。
再生エネの発電量が送電網の能力を上回った場合、買い取り量を柔軟に制限できるルールを経済産業省が来年1月中旬に導入するのを受け、再開を決めた。
現行の制限ルールは、500キロワット以上の太陽光と風力が対象で、発動できるのは年間30日以内。新ルールは、制限の対象をすべての太陽光と風力に拡大。経産省はさらに、5社と北陸、中国電力の計7社を22日、買い取り制限期間の上限をなくすことができる電力会社に指定した。7社は、経産省が算定した太陽光の買い取り可能量を超えると、無期限で買い取り量を抑制できる。電力を売れないリスクが高まるため、従来より新規参入のペースが鈍る可能性がある。
大分県内で太陽光発電所の施工・保守を手掛ける「大分ビルダー」の古宮純一社長は、買い取り制限期間の上限がなくなった後、太陽光の事業計画を中止する顧客が急増することを懸念。「太陽光事業から撤退せざるを得なくなるかもしれない」と話す。経産省は「新規参入を検討する太陽光事業者がリスクを判断できるように、電力会社は、どの程度の出力抑制を実施するのかの見通しを丁寧に説明する必要がある」としている。【中井正裕、寺田剛】