もんじゅ:機器点検漏れ、新たに6500個

毎日新聞 2014年12月22日 21時33分

 大量の機器点検漏れで事実上の運転禁止命令を受けている高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)について、日本原子力研究開発機構は22日、新たに未点検や点検期限を過ぎた機器約6500個が見つかったと発表した。原子力機構はこの日、新たな点検漏れの報告と共に、命令解除に必要な機器の保全計画の見直しを盛り込んだ報告書と、保安規定の変更認可申請を原子力規制委員会に提出した。

 規制委は今後、命令を解除するかどうかを検討する。原子力機構側は来年3月の命令解除を目指しているが、見通しは不透明だ。

 原子力機構は、今回の保全計画の見直し作業に伴い、国の保安検査で不備を指摘された点などを含め約5万点の機器を点検し直した。その結果、点検が不十分だったり、安全性を高めるため点検期間の間隔を短くしたのに守られていなかったりした機器などが約6500個見つかった。

 このうち約1900個は既に点検を終えたが、原子炉施設への影響がないとされた約4600個は未着手という。原子力機構は「高い安全基準で機器を見直した結果、点検が十分でないものが見つかった」と説明している。

 もんじゅを巡っては、2012年11月に9000個以上の点検漏れが発覚し、その後約1万4000個に増えた。これを受けて規制委は13年5月、もんじゅの運転準備禁止を命令し、保全計画の見直しや品質保証体制の再構築などを求めた。

 原子力機構はいったん報告書と保安規定の変更認可申請を規制委に提出したが、その後の国の保安検査でも点検漏れなどが相次いだため、今年3月に申請を取り下げていた。【近藤諭】

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