すき家流究極のOJT?@『POSSE』25号
『POSSE』25号をお送りいただきました。今号からまた表紙の雰囲気ががらりと変わってますね。
http://www.npoposse.jp/magazine/no25.html
特集は「ブラック企業はなぜ野放しなのか」です。
「ブラックバイト調査」集計結果(速報値)発表の記者会見 大内裕和×上西充子×今野晴貴
「労基法はなぜ守られないか」 森崎巌(元労働基準監督官)×渡辺輝人(弁護士)×現役監督官
「過労死訴訟が明らかにした、ワタミの労働実態と労基署の限界」 須田光照(全国一般東京東部労働組合書記長)×坂倉昇平(本誌編集長)
「広がる「固定残業代」の違法な運用―ハローワーク求人票調査から見えてきたその実態」 川村遼平(NPO法人POSSE事務局長)
「違法企業に対して求められる社会的な取り組み―すき家の実態から見える今後の課題」 山田真吾(首都圏青年ユニオン事務局長)×坂倉昇平(本誌編集長)×当事者
「ブラック企業時代の「マタハラ」を考える」 杉浦浩美(立教大学社会福祉研究所特任研究員)×竹信三恵子(和光大学教授)×小酒部さやか(マタハラNet代表)×鈴木絢子(弁護士)×今野晴貴(ブラック企業対策プロジェクト共同代表)
「たかの友梨 録音された従業員への発言」 誌編集部
「「たかの友梨ビューティクリニック」争議の経緯とその展開」 青木耕太郎(エステ・ユニオン執行委員)
「15分でわかる労基法違反の横行 労基法と労基署」
「労基法はなぜ守られないか」では、渡辺さんが
渡辺:絶対的な労働時間規制のバーターとして、残業代による規制を捨て、WEを導入するという議論が現在なされています。行政における取り締まりとしては両方とも必要であり、片方のみでは成立しないのではないですか。
という誰かさんの議論を意識した質問をされていますね。
さて、今号の特集で一番面白かった(というのは語弊がありますが)のは、山田・坂倉・すき家アルバイトAさんの鼎談に出てくる、すき家流究極のOJTでした。
・・・その後、実際に店舗に入りましたが、商品の作り方については全く教わっていない状態で、入ってからも、時々優しい先輩が教えてくれる程度で基本的にはあまり教えてもらえません。そのような状況にもかかわらず、5回目くらいの勤務で深夜帯の「ワンオペ」をやることになりました。その日に出勤したらマネージャーがいて、「今日ワンオペね」といきなりいわれたんです。それで、いつ何をしたら良いかよくわからない状態のままワンオペになって・・・・・・・。商品の盛りつけ方がわからず、仕方がないのでメニューを客席から取って、メニューの写真を見ながら盛りつけをしました。後で知り合った大学1年生のアルバイトは、2日目でワンオペになったらしく、電話でマネージャーに聞きながら盛りつけをしたと言ってましたね。
一番ピンチだったのは、初日に「牛丼ライト」を注文されたときです。作り方がわからなくて、どうしようかと焦りました。・・・どうしようもなくて、インターネットで「すき家 牛丼ライト 作り方」というようなキーワードで検索してみたところ、「ヤフー知恵袋」で同じような質問をしているような人を見つけました。・・・
世界広しといえども、現場の労働者に何も教えず、ヤフー知恵袋で調べさせるほどにまでOJTをとことんつきつめた企業はすき家くらいではないでしょうか。
仕事の技は先輩から盗めということわざはありますが、ヤフー知恵袋で調べて対応しろというのは、まことに究極のOJTといえましょうか。
その他の記事についてはまた改めて。
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