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集団的自衛権に地理的制約なし 安保法制で政府方針

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集団的自衛権に地理的制約なし 安保法制で政府方針

 政府は21日、来年4月の統一地方選後に国会提出を目指す安全保障関連法案に関し、集団的自衛権を行使できる範囲について「日本の周辺地域」のような地理的制約を行わない方針を固めた。安倍晋三首相は中東・ホルムズ海峡の機雷封鎖に対する掃海活動に集団的自衛権を適用する意向を示しており、安保関連法案も地理的制約を取らない形で策定していく。

 安保関連法案では、7月に閣議決定された武力行使の3要件を踏襲。ホルムズ海峡での機雷封鎖が「わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」と認められる場合には集団的自衛権の行使を認め、自衛隊が掃海活動を行えることになる。周辺海域が「戦闘現場」になっている場合は、新しい武力行使の3要件に照らしても集団的自衛権は行使できない。

 また、集団的自衛権によるホルムズ海峡での掃海活動について、政府関係者は「論理的にはそういうことがありうる」とするものの、首相は「経済的パニックが起きる危険性」など特殊なケースを想定しており、慎重に判断する考えだ。掃海活動の海域が「戦闘現場」に当たらなくても、停戦合意がなければ武力行使に当たることから、実際の掃海活動は停戦発効後の国際協力活動として行われる可能性が高いとみられる。

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