翻訳:ボルトとナット——デザイン・スケルトン/マーク・ローズウォーター2012年6月26日 翻訳
http://drk2718.diarynote.jp/201204142342243280/
↑の続き。実はメタゲームの奴より先に訳し始めていたのだけど、向こうを先に訳し終えてしまっていた。そして今回訳し終わってから「そういえば」と思ってぐぐってみたら先行訳が見つかるという。先にぐぐっておくのだった。
(名前考え中)-- Nuts & Bolts: 第二回 Design Skeleton 翻訳記事(前半) クリーチャーの部分
http://d.hatena.ne.jp/hirobi_ai/20110401/1301675198
幸か不幸か、この方は前半しか訳されていない。だから最低限今回の翻訳も後半部分は役に立つだろう。しかしもうひとつ、当然といえば当然ながら。
(名前考え中)-- Nuts&Bolts::Card Codesの意訳(TCG設計の地味だけれど大事な事)
http://d.hatena.ne.jp/hirobi_ai/20110324/1300988418
前回の記事も訳されていた。コメント欄で「先行訳を見た気がしてならない」とまでコメントをいただいたのに当時は見つけられなかった。お詫びの意味もこめてここで貼っておく。
そんなところで、本文に入ろう。
原文:Nuts & Bolts: Design Skeleton (*0)
http://www.wizards.com/magic/magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/mm/78
2010-02-15 Mark Rosewater
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(*0) タイトル
前回と同じ問題を抱えている。つまり、このシリーズの公式で訳されている分では design skeleton は「デザインの骨格」と訳されているのだ。
ところで、今回はその公式で訳されている分を読む前にこれを訳した。その作業中に design skeleton の訳も当然色々考えた。それこそ「デザイン骨格」とか「デザイン骨組」とか。でも、どうしても skeleton にぴったりはまる気がしなかった。ここで言う skeleton は「拡張性のある組み立て棚の枠組み部分」が一番しっくり来るイメージで、それを敢えて日本語一語にするなら「スケルトン」かなーと思う。英語の訳に片仮名言葉をあてるのはある種努力の放棄だし、これが適切かどうかはわからない。異論がある人はコメント欄に書いて欲しい。
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1年ちょっと前に、わたしは「ボルトとナット」シリーズの最初のコラムを書いた(読んだことのない人のために書いておくと、カード・コードの話だ)。そのコラムを書こうと思ったのは、デザインという作業の中ではたくさんの道具や概念や作業手順が用いられていて、それらのひとつひとつについて知ることがデザインそのものの理解に役立つのではないかと考えたからだ。コラムの最後では皆さんに対してこの手のものをもっと読んでみたいかというアンケートをとってみた。回答はごく大雑把にまとめると「たまにだったら読みたい」というところだった。というわけで、2010 年分の「ボルトとナット」をお届けしよう。今回のお題は「デザイン・スケルトン」だ。
クローゼットの中のデザイン・スケルトン
まずはこの質問に答えるところから今日のコラムを始めよう:「デザイン・スケルトンってなんなんだ?」 私が思いつく一番近い概念は「青写真」だ。大工が来て家を建て始める前に、建築家はその家の中になにがあって欲しいのかを正確に図面に示さなければならない。デザイン・スケルトンは青写真の一段階手前の絵図で、デザイナーがそのセットの中にはどんなカードがあって欲しいのかを具体化するための道具だ。今回のコラムでは、架空の小型セットのためのデザイン・スケルトンを実際にひとつ組み上げてみて、どんな風にそれが使われるのかをお見せしたいと思う。セットの名前は“正義”とでもしようか。“真実 Truth”“正義 Justice”“アメリカ式 American way”からなるブロックの2番目のセットだ(付記——今わたしが適当に考えただけで、本物のブロックではない。)。そして、単純化のために、コモンの分だけのデザイン・スケルトンを作ることにしよう。実際のデザインでは、アンコモンの分、レアの分、神話レアの分、がそれぞれ作られることになる。
デザイン・スケルトンに不可欠なのはカード・コードという概念なので、前回の「ボルトとナット」をお読みでない方はこの先へ進む前に是非読むことをおすすめしたい。
手始めに、正義のコモンのカード・コードを全部並べるところから始めてみよう。正義にはコモンにサイクルの土地があって、アーティファクトがやはりコモンに5枚あると仮定する。すると、カード・コードはこんな風になる:
CW01 -
CW02 -
CW03 -
CW04 -
CW05 -
CW06 -
CW07 -
CW08 -
CW09 -
CW10 -
CU01 -
CU02 -
CU03 -
CU04 -
CU05 -
CU06 -
CU07 -
CU08 -
CU09 -
CU10 -
CB01 -
CB02 -
CB03 -
CB04 -
CB05 -
CB06 -
CB07 -
CB08 -
CB09 -
CB10 -
CR01 -
CR02 -
CR03 -
CR04 -
CR05 -
CR06 -
CR07 -
CR08 -
CR09 -
CR10 -
CG01 -
CG02 -
CG03 -
CG04 -
CG05 -
CG06 -
CG07 -
CG08 -
CG09 -
CG10 -
CA01 -
CA02 -
CA03 -
CA04 -
CA05 -
CL01 -
CL02 -
CL03 -
CL04 -
CL05 -
最初にやらなければならないことは、クリーチャーが何枚入っている必要があるか決めることだ。そのためには、セットの構造に関するルールを知っておかなければならない。
#1——セットのおおむね 50% がクリーチャー
このパーセンテージ自体は上下しうる。研究開発部の最新リミテッド哲学は「デッキを組むとき、最後の数枚を無理矢理埋める方が、強いとわかっているカードを数枚抜くよりも楽しい」だ。そして、「マジックとは発見のゲームである」という基本哲学をリミテッドに持ち込むと、プレイヤーにはなるべくそれまで使ったことのないようなカードをデッキに入れてみてもらいたい、ということになる。ともあれこのルールに従うと、コモン 60 枚のうち、クリーチャーはわずか 30 枚ということになる。
#2——各色のクリーチャーにはそれぞれ標準的な能力が割り当てられている
一般的に、それぞれの色のクリーチャーの大半が持つ特徴は以下の通りとなる:
白——長い間、緑が最もクリーチャーを多く持つ色ということになっていたが、1年かそこら前から私たちはそれをちょっと変えてみようとしているところだ。緑がコモンの中でクリーチャー数でもクリーチャーサイズでも最大だというのはばかげた話だと気付いたからだ。白は“軍隊の色”なのだから、クリーチャーの数では白が最も多く、重量級のクリーチャーは緑の受け持ちのまま、というのが理に適っていると今は考えている。白は数をたのみに攻め、緑はでかさをたのみに攻めるというわけだ。
緑——緑はナンバー1ではなくなってしまったが、依然として“クリーチャーの色”であることに変わりはない。したがって2番目におさまる。
黒——黒はクリーチャーとスペルの枚数が同じくらいの色ということになっている。ここでも真ん中に来る。
赤——赤と青の2色はスペルの色で、5色の中では1、2を争う呪文の多さになる。とはいえ赤は青よりはクリーチャーの多い色だ。というわけで4番目。
青——5色のうちどれかがクリーチャーの一番少ない色になる。だとしたら、一番呪文の強い色しかないだろう?
アーティファクト——ブロックのテーマによっては多少は増えることもある(アーティファクトがテーマのブロックでは、しばしばナンバーワンにすらなる)が、大抵の場合コモンのアーティファクト・クリーチャーは多くて2体というところだ。
各色の割り当てを決めるために、ちょっと算数の時間だ。クリーチャーは 30 スロットを占めることになっていて、色ごとの数は上で述べた順になってほしい。1色平均6枚ずつだ。黒がちょうど真ん中の色だから、黒のクリーチャーは6枚としよう。緑はそれより多くて赤はそれより少ないわけだから、緑が7で赤は5。さらに上下に白と青を持ってこようと思うと、白は8枚で青は4枚ということになる。ここでアーティファクト・クリーチャーを入れるかどうかを決めなければならない。1体は入れたいところだが、そのためにはどこかの色から1スロット奪ってこなければならない。ここでは白から奪うことにするが、しかし白を最大勢力にとどめるためにトークンを生成するインスタント/ソーサリーを白に入れることにする。これが 50% ラインを保ちながら白を“軍隊の色”にする私流のやりかただ。
さて、スケルトンがどうなったか、ちょっと見てみよう(研究開発部ではクリーチャーには若い数字を振ることになっていることに注意):
CW01 - クリーチャー
CW02 - クリーチャー
CW03 - クリーチャー
CW04 - クリーチャー
CW05 - クリーチャー
CW06 - クリーチャー
CW07 - クリーチャー
CW08 - インスタント/ソーサリー - トークン生成
CW09 -
CW10 -
CU01 - クリーチャー
CU02 - クリーチャー
CU03 - クリーチャー
CU04 - クリーチャー
CU05 -
CU06 -
CU07 -
CU08 -
CU09 -
CU10 -
CB01 - クリーチャー
CB02 - クリーチャー
CB03 - クリーチャー
CB04 - クリーチャー
CB05 - クリーチャー
CB06 - クリーチャー
CB07 -
CB08 -
CB09 -
CB10 -
CR01 - クリーチャー
CR02 - クリーチャー
CR03 - クリーチャー
CR04 - クリーチャー
CR05 - クリーチャー
CR06 -
CR07 -
CR08 -
CR09 -
CR10 -
CG01 - クリーチャー
CG02 - クリーチャー
CG03 - クリーチャー
CG04 - クリーチャー
CG05 - クリーチャー
CG06 - クリーチャー
CG07 - クリーチャー
CG08 -
CG09 -
CG10 -
CA01 - クリーチャー
CA02 -
CA03 -
CA04 -
CA05 -
CL01 -
CL02 -
CL03 -
CL04 -
CL05 -
「クリーチャーだ」と決めるだけではもちろん不十分で、あとふたつのことを定めなければならない。ひとつは、クリーチャーの持つ“常磐木”キーワード能力を割り当てること。もうひとつはリード・デザイナーがそれぞれのクリーチャーの大きさはどれぐらいかの感覚を持つこと。スケルトン用には、私たちは3つのサイズを使っている。小と中と大だ。小は 0/1 からだいたい 2/3 ぐらいまで、中は 3/3 から 4/5 まで、大は 5/5 かそれよりでかい。それぞれの色について見てみよう:
白
キーワード——白はコモンでは以下のキーワードを持つ。飛行、先制攻撃、警戒、そして時に瞬速、プロテクション、絆魂。
サイズ——白のクリーチャーの殆どは小さい。少し前から、リミテッドのために中型クリーチャーを入れるようにしてるけど、それでも白は小さいクリーチャーが多数派だ。
青
キーワード——青は飛行と被覆の色だ。時々は島渡りや瞬速を持つ。
サイズ——青のクリーチャーはおおむね小さく、中が1体、それと大が1体居ることもある。大は大抵ウミヘビ系のクリーチャーだ。
黒
キーワード——黒は以下の能力をコモンで持つ。飛行、接死、威嚇。時には速攻、絆魂、再生、沼渡りを持つこともある。
サイズ——黒のクリーチャーは小さいか中ぐらいで、決して大きいことはない(まあ、ブロックのへんてこなテーマ次第では入ることもあるが)。
赤
キーワード——赤のコモンの能力は速攻、先制攻撃、トランプル。威嚇や山渡りも時々見られる。“火吹き(*1)”はキーワード能力ではないが、大抵のセットには入っている。
サイズ——黒とおなじく、小から中の間。赤にも大きいクリーチャーが入ったことはあるが、長いスパンで歴史を見れば小型クリーチャーが大半を占める。
緑
キーワード——コモンの緑に与えられている能力はトランプル、接死、再生あたりだ。時には瞬速、森渡り、到達、被覆、警戒なんかも持つことがある。
サイズ——緑には小さいクリーチャーと中型のクリーチャーがいるほかに、必ず1体は大きなクリーチャーが入る(時には2体)。
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(*1) 火吹き
firebreathing。《炎のブレス/Firebreathing》の起動型能力「R: エンチャントされているクリーチャーは +1/+0 の修整を受ける」に由来する、赤のクリーチャーがしばしば持つパワーのみのパンプアップ能力の総称……なんだけど、あんまり一般的な言葉じゃないかも。起動コストや上がるパワー、起動回数の制限など、定番の能力ながら細かいバリアントが多い。
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ここまでの情報すべてをふまえた上で、それをひとつにまとめてみよう。注意しておきたいのは、私はどのサイズのクリーチャーにどの能力をつけるかについては全く仮に決めているだけだということだ。デザインはまだ固まっておらず、私は好きにいじることができる。もしたとえば、警戒を中型から小型に移そうと思えばすぐにでもできる。さて、スケルトンはどうなっただろうか?
CW01 - クリーチャー,小型
CW02 - クリーチャー,小型,飛行
CW03 - クリーチャー,小型,先制攻撃
CW04 - クリーチャー,小型
CW05 - クリーチャー,小型
CW06 - クリーチャー,中型,警戒
CW07 - クリーチャー,中型,飛行
CW08 - インスタント/ソーサリー - トークン生成
CW09 -
CW10 -
CU01 - クリーチャー,小型
CU02 - クリーチャー,小型,被覆
CU03 - クリーチャー,中型,飛行
CU04 - クリーチャー,大型
CU05 -
CU06 -
CU07 -
CU08 -
CU09 -
CU10 -
CB01 - クリーチャー,小型
CB02 - クリーチャー,小型,飛行
CB03 - クリーチャー,小型,接死
CB04 - クリーチャー,中型,威嚇
CB05 - クリーチャー,中型
CB06 - クリーチャー,中型
CB07 -
CB08 -
CB09 -
CB10 -
CR01 - クリーチャー,小型
CR02 - クリーチャー,小型,先制攻撃
CR03 - クリーチャー,小型
CR04 - クリーチャー,中型,速攻
CR05 - クリーチャー,中型,トランプル
CR06 -
CR07 -
CR08 -
CR09 -
CR10 -
CG01 - クリーチャー,小型
CG02 - クリーチャー,小型,再生
CG03 - クリーチャー,小型,接死
CG04 - クリーチャー,中型,到達
CG05 - クリーチャー,中型
CG06 - クリーチャー,中型
CG07 - クリーチャー,大型,トランプル
CG08 -
CG09 -
CG10 -
CA01 - クリーチャー,中型
CA02 -
CA03 -
CA04 -
CA05 -
CL01 -
CL02 -
CL03 -
CL04 -
CL05 -
クリーチャーはこれで図に起こせた。他のカード・タイプにも目を向けてみよう。
アーティファクト——もちろん、私はコモンに5枚割り振ったばかりだ。いくつかは単純で役に立つカードになるだろう。エスパーのような特殊な例をのぞけば、アーティファクトは色を持たない。
エンチャント——デザインにあたっての一般的なルールとして、コモンに入れるエンチャントはオーラに限るというものがある。ブロックのテーマによってはこのルールが破られることもあるが、何の理由もなくコモンに全体エンチャント(これは廃語だが代わりの用語を私は知らないのでいまでもこの言葉を使っている)が入ることはない。だいたいの色には1枚はオーラが入る。白と緑には2枚以上入ることもある。
インスタント——5色ともにインスタントはあるが、白と青は他の色よりやや多い。
土地——アーティファクトとおなじく、コモンに独立のスロットを割り振ってある。色付きのカードは存在しない。
プレインズウォーカー——これもコモンには入れないことにしている。
ソーサリー——やはり5色ともにソーサリーはあるが、黒と緑にはやや多い。
部族——唯一、必ずしも全部のブロックで使うとは限らないカードタイプ。私のもとには「フレイバー的にあのスペルは部族であるべきです」というようなお便りがたくさん届いているが、私たちはブロックのテーマが部族であるとき以外はそもそも「部族」というカード・タイプを使わない。
さて、じゃあこの情報をスケルトンにかぶせてみよう。
CW01 - クリーチャー,小型
CW02 - クリーチャー,小型,飛行
CW03 - クリーチャー,小型,先制攻撃
CW04 - クリーチャー,小型,瞬速
CW05 - クリーチャー,中型,警戒
CW06 - クリーチャー,中型,飛行
CW07 - ソーサリー - トークン生成,飛行
CW08 - インスタント
CW09 - インスタント
CW10 - エンチャント,オーラ
CU01 - クリーチャー,小型
CU02 - クリーチャー,小型,被覆
CU03 - クリーチャー,中型,飛行
CU04 - クリーチャー,大型
CU05 - インスタント
CU06 - インスタント
CU07 - インスタント
CU08 - ソーサリー
CU09 - ソーサリー
CU10 - エンチャント,オーラ
CB01 - クリーチャー,小型
CB02 - クリーチャー,小型,飛行
CB03 - クリーチャー,小型,接死
CB04 - クリーチャー,中型,威嚇
CB05 - クリーチャー,中型
CB06 - クリーチャー,中型
CB07 - インスタント
CB08 - ソーサリー
CB09 - ソーサリー!
CB10 - エンチャント,オーラ
CR01 - クリーチャー,小型
CR02 - クリーチャー,小型,先制攻撃
CR03 - クリーチャー,小型
CR04 - クリーチャー,中型,速攻
CR05 - クリーチャー,中型,トランプル
CR06 - インスタント
CR07 - インスタント
CR08 - インスタント
CR09 - ソーサリー
CR10 - エンチャント,オーラ
CG01 - クリーチャー,小型
CG02 - クリーチャー,小型,再生
CG03 - クリーチャー,小型,接死
CG04 - クリーチャー,中型,到達
CG05 - クリーチャー,中型
CG06 - クリーチャー,中型
CG07 - クリーチャー,大型,トランプル
CG08 - インスタント
CG09 - ソーサリー
CG10 - エンチャント,オーラ
CA01 - クリーチャー,中型
CA02 - サクって起動
CA03 - タップ能力
CA04 - 装備品
CA05 - 装備品
CL01 - 白マナを生成する
CL02 - 青マナを生成する
CL03 - 黒マナを生成する
CL04 - 赤マナを生成する
CL05 - 緑マナを生成する
私がいくつか新しい要素を足してスケルトンをいじっていることに注目してほしい。一番分かりやすいのは白だ。私は白のスロットが少々窮屈になっていることに気付いていたので、いくつかの変更を加えた。まずクリーチャーを1枚削った。アーティファクトと土地にスペースを割いた結果 10 スロットになっているのに、クリーチャーを8枚入れるのは無理がある。白にはお家芸としてコンバット・トリックを持たせたいから、インスタントのためのスロットが欲しい。というわけでトークン生成スペルはソーサリーにした。さらにクリーチャーの1体に瞬速を持たせることにした。インスタントが2枚あっても、なお白らしい不意打ちには不足しているからだ。
以上の一連の作業が、まさにスケルトンの役に立つところを表している。スケルトンは、デザイナーの発想を制限することなく、なにを割り振らなければならないかを教えてくれる。なにかが上手くいっていないときには、デザイナーはスケルトンを組み立て直すことで、何が必要なのかを知ることができる。
もうひとつ、私がどのようなアーティファクトを入れるか決めたことと、土地がそれぞれの色のマナを生み出すサイクルであると決めたことには注目して欲しい。
次に、このセットのテーマを織り込まなければならない。“真実”“正義”“アメリカ式”は墓地をテーマにしたブロックだとしようか。真実では「捻墓」という墓地利用のメカニズムが登場した(あらためて断っておくが、この記事のために私がでっちあげたメカニズムだ)。このメカニズムはパーマネントにも呪文にも影響する能力だ。さらに捻墓はどのタイプの呪文にもつけることができるため、様々な効果と組み合わせることができる。セットのメカニズムを織り込んでいく過程では、同時に私が「基本的効果」と呼んでいるものも織り込んでいかなければならない。手早く見ていこう。大抵のセットでそれぞれの色のコモンに入ってる能力は以下の通りだ。
白——白は必ずなにかしらのライフゲイン、エンチャント除去、クリーチャー除去(《平和な心》系のものを含む)、そしてコンバットトリック(パワー/タフネスがちょっと上がってなにか能力がつくのがよくあるパターン)が入っている。チーム強化(あなたのコントロールするすべてのクリーチャーはターン終了時まで +1/+1)やダメージの軽減、移し替えもありがちな能力だ。
青——青には打ち消し呪文(しばしば2枚入っていて、1枚は強く、1枚は弱い)、“バウンス”(対象のナンタラをそのオーナーの手札に戻す)、カードを引く、クリーチャーを操るエンチャント(一番よくあるのはタップしたままにさせてしまう効果)、あたりは必ず入っている。それ以外にドロー操作、縮小(対象のクリーチャーはターン終了時まで -N/-0 の修整を受ける)、ぐるぐる(対象のナンタラをタップもしくはアンタップする)、などが時々入っている。
黒——黒には必ずクリーチャー除去が複数(大抵「対象のナンタラではないクリーチャーを破壊する」と「対象のクリーチャー1体はターン終了時まで -N/-N の修整を受ける」)と、手札破壊、墓地のクリーチャーの再利用(対象の、墓地にあるクリーチャー・カード1枚をあなたの手札に戻す)、が入っていて、しばしばパワー強化(対象のクリーチャーはターン終了時まで +N/+0 の修整を受ける)、ライフと引き換えにカードを引く、ダメージかライフロスをクリーチャーかプレイヤーに与え、往々にしてその結果ライフを得る、などが入る。
赤——赤には常に直接ダメージ(それもいくつもの呪文が入っている。プレイヤーに入るもの、クリーチャーに入るもの、どっちにも入るもの、いろいろだ)、パワー強化、パニック効果(対象のクリーチャーはブロックに参加できない)、があり、時には速攻を与える能力や土地破壊が入っている。
緑——緑はパワー/タフネス強化、土地サーチ、アーティファクト/エンチャント除去あたりがいつも入っている。しばしばマナ生成、ライフゲイン、濃霧(すべての戦闘ダメージを軽減する)、飛行クリーチャー破壊、などが含まれる。
ついでに書いておくと、コモンに登場しなかったものはどんなものであれアンコモンには登場する可能性があり、すなわちリミテッドでの存在感はあるということでもある。
さて、これまでの内容を念頭に、さらにスケルトンをぶっ叩いてみよう:
CW01 - クリーチャー,小型
CW02 - クリーチャー,小型,飛行,捻墓
CW03 - クリーチャー,小型,先制攻撃
CW04 - クリーチャー,小型,瞬速,戦場に出たとき -- ライフゲイン
CW05 - クリーチャー,中型,警戒
CW06 - クリーチャー,中型,飛行
CW07 - ソーサリー - トークン生成,飛行
CW08 - インスタント,パワー増強
CW09 - インスタント,エンチャント除去
CW10 - エンチャント,オーラ,クリーチャー除去
CU01 - クリーチャー,小型,飛行
CU02 - クリーチャー,小型,被覆
CU03 - クリーチャー,中型,飛行
CU04 - クリーチャー,大型
CU05 - インスタント,強い打ち消し呪文,捻墓
CU06 - インスタント,弱い打ち消し呪文
CU07 - インスタント,“バウンス”
CU08 - ソーサリー,カードを引く
CU09 - ソーサリー
CU10 - エンチャント,オーラ,クリーチャー除去
CB01 - クリーチャー,小型
CB02 - クリーチャー,小型,飛行
CB03 - クリーチャー,小型,接死,捻墓
CB04 - クリーチャー,中型,威嚇
CB05 - クリーチャー,中型,戦場に出たとき -- 死者再生
CB06 - クリーチャー,中型
CB07 - インスタント,クリーチャー除去
CB08 - ソーサリー,捨てさせ
CB09 - ソーサリー,クリーチャーからドレイン
CB10 - エンチャント,オーラ,正の効果、捻墓
CR01 - クリーチャー,小型,戦場に出たとき -- プレイヤーに直接ダメージ
CR02 - クリーチャー,小型,先制攻撃
CR03 - クリーチャー,小型
CR04 - クリーチャー,中型,速攻
CR05 - クリーチャー,中型,トランプル
CR06 - インスタント -- クリーチャーに直接ダメージ
CR07 - インスタント -- プレイヤーかクリーチャーに直接ダメージ
CR08 - インスタント -- パワーが上がる
CR09 - ソーサリー -- パニック,捻墓
CR10 - エンチャント,オーラ,正の効果
CG01 - クリーチャー,小型,捻墓,戦場に出たとき -- アーティファクト/エンチャント除去
CG02 - クリーチャー,小型,再生
CG03 - クリーチャー,小型,接死
CG04 - クリーチャー,中型,到達,捻墓
CG05 - クリーチャー,中型
CG06 - クリーチャー,中型
CG07 - クリーチャー,大型,トランプル
CG08 - インスタント,パワーとタフネスが上がる
CG09 - ソーサリー,ライフゲイン
CG10 - エンチャント,オーラ,正の効果
CA01 - クリーチャー,中型
CA02 - サクって起動,マナ関係
CA03 - タップ能力,マナ関係
CA04 - 装備品,パワー/タフネスがあがる
CA05 - 装備品,回避能力
CL01 - 白マナを生成する
CL02 - 青マナを生成する
CL03 - 黒マナを生成する
CL04 - 赤マナを生成する
CL05 - 緑マナを生成する
キーワードを全部はめ込んでみると、どうやら効果を詰め込みすぎているらしいことがわかる。解決する方法のひとつにはクリーチャーのスロットを用いるというものがある。たとえば戦場に出たとき(ETB = enter the battlefield)の誘発型能力を用いれば、ソーサリーをクリーチャーに擬態させることができる。さらにスケルトンを見ていると、捻墓を持つカードは何枚ぐらい必要で、それをどの色に割り振るべきかということに考えが及ぶ。加えて、色によってフレーバー的な差が生じるのではないかと思いつき試してみた。墓地の色である黒と緑には開墓を多めに割り振っている。また、白と緑ではクリーチャーにも割り振っているが、青と赤ではインスタントとソーサリーにのみ割り振っている。
あるスケルトンについてデザイナーがするべき調整の手数は、固有のセットの事情によってさまざまだ。今回のコラムでやってきた程度で充分なこともあり得るし、他にも処理しなければならない問題があるためにさらなる調整が必要かもしれない。このサンプル・スケルトンだけからでも確実に言えることがあるとすれば、一番ありがちなデザイン上の問題は、入れるべき要素が足りないことよりも、むしろ要素を詰め込もうとしすぎてしまうことの方だということだ。
スケルトンには柔軟性があって、いのちがあって、呼吸すらしているドキュメントなのだということは憶えておいてほしい。それを作るのは今この瞬間セットがどうなっているのかをぱっと把握するためだ。カードのデザインが始まれば、最初のアイデアが思うように機能しないことが必ず出てきて、それでスケルトンを再構成することになる。
まとめると、デザイン・スケルトンは、部分部分が常に変化し続けているデザイン中のセット全体の大きな絵を、デザイナーが把握することを可能にしてくれるツールだ。その絵が見えることで、デザイナーはそのセットがどのようなデザイン的な変更を必要としているかを理解できるのだ。(*2)
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(*2) まとめると、〜 理解できるのだ。
原文では以下の通り。
In the end, the design skeleton is a tool that better allows the designers to get a big picture of all the moving parts to their set allowing them to start figuring out what their set is going to need design-wise.
「最後に書くと、デザイン・スケルトンはデザイナーに全ての動いている部分から成る大きな絵を得ることを可能にする工具だ」まではほぼ確定で、to their set 以下のかかり方が不明瞭。一応ここでは to their set は all the moving parts に限定的にかかるように訳してるけど全く自信なし。さらに allowing them 以下のかかり方も不明。ここでは them はデザイナーと解釈して、to get a big picture of 〜 to their set の一文全体が allowing them to start 〜 するのだという風に訳した。まだ訳すの2本目だけど、マローらしからぬ悪文だと思う。
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骨っぽい話
今年もカードデザインの現場の隅っこの辺りを垣間見ていただいたわけだが、お楽しみいただけただろうか。もしこの記事への反応が芳しければ、また来年の「ボルトとナット」でお会いしよう。
来週は多重キッカーの話をしたいと思う。
その日までに、みなさんのスロットがうまく埋まりますように。
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ここまで訳した2回を読んだら、あとの2回は公式で翻訳されている。読んだことがある人も、もし最初の2回を読むのが初めてならあらためて読んでみるといいと思う。いろいろ発見がある筈だ。
基本根本:デザインの骨格を埋めよう
http://mtg-jp.com/reading/translated/001274/
「基本根本」:より高いレアリティ
http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/003089/
訳語は合わせたり合わせなかったりした。たとえばセット名は最初「トゥルース」「ジャスティス」などとしていたが、公式では「正義」となっていたのでそちらにした。また架空のメカニズム gravetwist は「編墓」としていたのだが公式の「捻墓」に合わせている。
例によって誤訳の指摘は歓迎します。自分ならこう訳す、というのでもいいです。コメント欄までお願いします。
↑の続き。実はメタゲームの奴より先に訳し始めていたのだけど、向こうを先に訳し終えてしまっていた。そして今回訳し終わってから「そういえば」と思ってぐぐってみたら先行訳が見つかるという。先にぐぐっておくのだった。
(名前考え中)-- Nuts & Bolts: 第二回 Design Skeleton 翻訳記事(前半) クリーチャーの部分
http://d.hatena.ne.jp/hirobi_ai/20110401/1301675198
幸か不幸か、この方は前半しか訳されていない。だから最低限今回の翻訳も後半部分は役に立つだろう。しかしもうひとつ、当然といえば当然ながら。
(名前考え中)-- Nuts&Bolts::Card Codesの意訳(TCG設計の地味だけれど大事な事)
http://d.hatena.ne.jp/hirobi_ai/20110324/1300988418
前回の記事も訳されていた。コメント欄で「先行訳を見た気がしてならない」とまでコメントをいただいたのに当時は見つけられなかった。お詫びの意味もこめてここで貼っておく。
そんなところで、本文に入ろう。
原文:Nuts & Bolts: Design Skeleton (*0)
http://www.wizards.com/magic/magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/mm/78
2010-02-15 Mark Rosewater
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(*0) タイトル
前回と同じ問題を抱えている。つまり、このシリーズの公式で訳されている分では design skeleton は「デザインの骨格」と訳されているのだ。
ところで、今回はその公式で訳されている分を読む前にこれを訳した。その作業中に design skeleton の訳も当然色々考えた。それこそ「デザイン骨格」とか「デザイン骨組」とか。でも、どうしても skeleton にぴったりはまる気がしなかった。ここで言う skeleton は「拡張性のある組み立て棚の枠組み部分」が一番しっくり来るイメージで、それを敢えて日本語一語にするなら「スケルトン」かなーと思う。英語の訳に片仮名言葉をあてるのはある種努力の放棄だし、これが適切かどうかはわからない。異論がある人はコメント欄に書いて欲しい。
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1年ちょっと前に、わたしは「ボルトとナット」シリーズの最初のコラムを書いた(読んだことのない人のために書いておくと、カード・コードの話だ)。そのコラムを書こうと思ったのは、デザインという作業の中ではたくさんの道具や概念や作業手順が用いられていて、それらのひとつひとつについて知ることがデザインそのものの理解に役立つのではないかと考えたからだ。コラムの最後では皆さんに対してこの手のものをもっと読んでみたいかというアンケートをとってみた。回答はごく大雑把にまとめると「たまにだったら読みたい」というところだった。というわけで、2010 年分の「ボルトとナット」をお届けしよう。今回のお題は「デザイン・スケルトン」だ。
クローゼットの中のデザイン・スケルトン
まずはこの質問に答えるところから今日のコラムを始めよう:「デザイン・スケルトンってなんなんだ?」 私が思いつく一番近い概念は「青写真」だ。大工が来て家を建て始める前に、建築家はその家の中になにがあって欲しいのかを正確に図面に示さなければならない。デザイン・スケルトンは青写真の一段階手前の絵図で、デザイナーがそのセットの中にはどんなカードがあって欲しいのかを具体化するための道具だ。今回のコラムでは、架空の小型セットのためのデザイン・スケルトンを実際にひとつ組み上げてみて、どんな風にそれが使われるのかをお見せしたいと思う。セットの名前は“正義”とでもしようか。“真実 Truth”“正義 Justice”“アメリカ式 American way”からなるブロックの2番目のセットだ(付記——今わたしが適当に考えただけで、本物のブロックではない。)。そして、単純化のために、コモンの分だけのデザイン・スケルトンを作ることにしよう。実際のデザインでは、アンコモンの分、レアの分、神話レアの分、がそれぞれ作られることになる。
デザイン・スケルトンに不可欠なのはカード・コードという概念なので、前回の「ボルトとナット」をお読みでない方はこの先へ進む前に是非読むことをおすすめしたい。
手始めに、正義のコモンのカード・コードを全部並べるところから始めてみよう。正義にはコモンにサイクルの土地があって、アーティファクトがやはりコモンに5枚あると仮定する。すると、カード・コードはこんな風になる:
CW01 -
CW02 -
CW03 -
CW04 -
CW05 -
CW06 -
CW07 -
CW08 -
CW09 -
CW10 -
CU01 -
CU02 -
CU03 -
CU04 -
CU05 -
CU06 -
CU07 -
CU08 -
CU09 -
CU10 -
CB01 -
CB02 -
CB03 -
CB04 -
CB05 -
CB06 -
CB07 -
CB08 -
CB09 -
CB10 -
CR01 -
CR02 -
CR03 -
CR04 -
CR05 -
CR06 -
CR07 -
CR08 -
CR09 -
CR10 -
CG01 -
CG02 -
CG03 -
CG04 -
CG05 -
CG06 -
CG07 -
CG08 -
CG09 -
CG10 -
CA01 -
CA02 -
CA03 -
CA04 -
CA05 -
CL01 -
CL02 -
CL03 -
CL04 -
CL05 -
最初にやらなければならないことは、クリーチャーが何枚入っている必要があるか決めることだ。そのためには、セットの構造に関するルールを知っておかなければならない。
#1——セットのおおむね 50% がクリーチャー
このパーセンテージ自体は上下しうる。研究開発部の最新リミテッド哲学は「デッキを組むとき、最後の数枚を無理矢理埋める方が、強いとわかっているカードを数枚抜くよりも楽しい」だ。そして、「マジックとは発見のゲームである」という基本哲学をリミテッドに持ち込むと、プレイヤーにはなるべくそれまで使ったことのないようなカードをデッキに入れてみてもらいたい、ということになる。ともあれこのルールに従うと、コモン 60 枚のうち、クリーチャーはわずか 30 枚ということになる。
#2——各色のクリーチャーにはそれぞれ標準的な能力が割り当てられている
一般的に、それぞれの色のクリーチャーの大半が持つ特徴は以下の通りとなる:
白——長い間、緑が最もクリーチャーを多く持つ色ということになっていたが、1年かそこら前から私たちはそれをちょっと変えてみようとしているところだ。緑がコモンの中でクリーチャー数でもクリーチャーサイズでも最大だというのはばかげた話だと気付いたからだ。白は“軍隊の色”なのだから、クリーチャーの数では白が最も多く、重量級のクリーチャーは緑の受け持ちのまま、というのが理に適っていると今は考えている。白は数をたのみに攻め、緑はでかさをたのみに攻めるというわけだ。
緑——緑はナンバー1ではなくなってしまったが、依然として“クリーチャーの色”であることに変わりはない。したがって2番目におさまる。
黒——黒はクリーチャーとスペルの枚数が同じくらいの色ということになっている。ここでも真ん中に来る。
赤——赤と青の2色はスペルの色で、5色の中では1、2を争う呪文の多さになる。とはいえ赤は青よりはクリーチャーの多い色だ。というわけで4番目。
青——5色のうちどれかがクリーチャーの一番少ない色になる。だとしたら、一番呪文の強い色しかないだろう?
アーティファクト——ブロックのテーマによっては多少は増えることもある(アーティファクトがテーマのブロックでは、しばしばナンバーワンにすらなる)が、大抵の場合コモンのアーティファクト・クリーチャーは多くて2体というところだ。
各色の割り当てを決めるために、ちょっと算数の時間だ。クリーチャーは 30 スロットを占めることになっていて、色ごとの数は上で述べた順になってほしい。1色平均6枚ずつだ。黒がちょうど真ん中の色だから、黒のクリーチャーは6枚としよう。緑はそれより多くて赤はそれより少ないわけだから、緑が7で赤は5。さらに上下に白と青を持ってこようと思うと、白は8枚で青は4枚ということになる。ここでアーティファクト・クリーチャーを入れるかどうかを決めなければならない。1体は入れたいところだが、そのためにはどこかの色から1スロット奪ってこなければならない。ここでは白から奪うことにするが、しかし白を最大勢力にとどめるためにトークンを生成するインスタント/ソーサリーを白に入れることにする。これが 50% ラインを保ちながら白を“軍隊の色”にする私流のやりかただ。
さて、スケルトンがどうなったか、ちょっと見てみよう(研究開発部ではクリーチャーには若い数字を振ることになっていることに注意):
CW01 - クリーチャー
CW02 - クリーチャー
CW03 - クリーチャー
CW04 - クリーチャー
CW05 - クリーチャー
CW06 - クリーチャー
CW07 - クリーチャー
CW08 - インスタント/ソーサリー - トークン生成
CW09 -
CW10 -
CU01 - クリーチャー
CU02 - クリーチャー
CU03 - クリーチャー
CU04 - クリーチャー
CU05 -
CU06 -
CU07 -
CU08 -
CU09 -
CU10 -
CB01 - クリーチャー
CB02 - クリーチャー
CB03 - クリーチャー
CB04 - クリーチャー
CB05 - クリーチャー
CB06 - クリーチャー
CB07 -
CB08 -
CB09 -
CB10 -
CR01 - クリーチャー
CR02 - クリーチャー
CR03 - クリーチャー
CR04 - クリーチャー
CR05 - クリーチャー
CR06 -
CR07 -
CR08 -
CR09 -
CR10 -
CG01 - クリーチャー
CG02 - クリーチャー
CG03 - クリーチャー
CG04 - クリーチャー
CG05 - クリーチャー
CG06 - クリーチャー
CG07 - クリーチャー
CG08 -
CG09 -
CG10 -
CA01 - クリーチャー
CA02 -
CA03 -
CA04 -
CA05 -
CL01 -
CL02 -
CL03 -
CL04 -
CL05 -
「クリーチャーだ」と決めるだけではもちろん不十分で、あとふたつのことを定めなければならない。ひとつは、クリーチャーの持つ“常磐木”キーワード能力を割り当てること。もうひとつはリード・デザイナーがそれぞれのクリーチャーの大きさはどれぐらいかの感覚を持つこと。スケルトン用には、私たちは3つのサイズを使っている。小と中と大だ。小は 0/1 からだいたい 2/3 ぐらいまで、中は 3/3 から 4/5 まで、大は 5/5 かそれよりでかい。それぞれの色について見てみよう:
白
キーワード——白はコモンでは以下のキーワードを持つ。飛行、先制攻撃、警戒、そして時に瞬速、プロテクション、絆魂。
サイズ——白のクリーチャーの殆どは小さい。少し前から、リミテッドのために中型クリーチャーを入れるようにしてるけど、それでも白は小さいクリーチャーが多数派だ。
青
キーワード——青は飛行と被覆の色だ。時々は島渡りや瞬速を持つ。
サイズ——青のクリーチャーはおおむね小さく、中が1体、それと大が1体居ることもある。大は大抵ウミヘビ系のクリーチャーだ。
黒
キーワード——黒は以下の能力をコモンで持つ。飛行、接死、威嚇。時には速攻、絆魂、再生、沼渡りを持つこともある。
サイズ——黒のクリーチャーは小さいか中ぐらいで、決して大きいことはない(まあ、ブロックのへんてこなテーマ次第では入ることもあるが)。
赤
キーワード——赤のコモンの能力は速攻、先制攻撃、トランプル。威嚇や山渡りも時々見られる。“火吹き(*1)”はキーワード能力ではないが、大抵のセットには入っている。
サイズ——黒とおなじく、小から中の間。赤にも大きいクリーチャーが入ったことはあるが、長いスパンで歴史を見れば小型クリーチャーが大半を占める。
緑
キーワード——コモンの緑に与えられている能力はトランプル、接死、再生あたりだ。時には瞬速、森渡り、到達、被覆、警戒なんかも持つことがある。
サイズ——緑には小さいクリーチャーと中型のクリーチャーがいるほかに、必ず1体は大きなクリーチャーが入る(時には2体)。
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(*1) 火吹き
firebreathing。《炎のブレス/Firebreathing》の起動型能力「R: エンチャントされているクリーチャーは +1/+0 の修整を受ける」に由来する、赤のクリーチャーがしばしば持つパワーのみのパンプアップ能力の総称……なんだけど、あんまり一般的な言葉じゃないかも。起動コストや上がるパワー、起動回数の制限など、定番の能力ながら細かいバリアントが多い。
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ここまでの情報すべてをふまえた上で、それをひとつにまとめてみよう。注意しておきたいのは、私はどのサイズのクリーチャーにどの能力をつけるかについては全く仮に決めているだけだということだ。デザインはまだ固まっておらず、私は好きにいじることができる。もしたとえば、警戒を中型から小型に移そうと思えばすぐにでもできる。さて、スケルトンはどうなっただろうか?
CW01 - クリーチャー,小型
CW02 - クリーチャー,小型,飛行
CW03 - クリーチャー,小型,先制攻撃
CW04 - クリーチャー,小型
CW05 - クリーチャー,小型
CW06 - クリーチャー,中型,警戒
CW07 - クリーチャー,中型,飛行
CW08 - インスタント/ソーサリー - トークン生成
CW09 -
CW10 -
CU01 - クリーチャー,小型
CU02 - クリーチャー,小型,被覆
CU03 - クリーチャー,中型,飛行
CU04 - クリーチャー,大型
CU05 -
CU06 -
CU07 -
CU08 -
CU09 -
CU10 -
CB01 - クリーチャー,小型
CB02 - クリーチャー,小型,飛行
CB03 - クリーチャー,小型,接死
CB04 - クリーチャー,中型,威嚇
CB05 - クリーチャー,中型
CB06 - クリーチャー,中型
CB07 -
CB08 -
CB09 -
CB10 -
CR01 - クリーチャー,小型
CR02 - クリーチャー,小型,先制攻撃
CR03 - クリーチャー,小型
CR04 - クリーチャー,中型,速攻
CR05 - クリーチャー,中型,トランプル
CR06 -
CR07 -
CR08 -
CR09 -
CR10 -
CG01 - クリーチャー,小型
CG02 - クリーチャー,小型,再生
CG03 - クリーチャー,小型,接死
CG04 - クリーチャー,中型,到達
CG05 - クリーチャー,中型
CG06 - クリーチャー,中型
CG07 - クリーチャー,大型,トランプル
CG08 -
CG09 -
CG10 -
CA01 - クリーチャー,中型
CA02 -
CA03 -
CA04 -
CA05 -
CL01 -
CL02 -
CL03 -
CL04 -
CL05 -
クリーチャーはこれで図に起こせた。他のカード・タイプにも目を向けてみよう。
アーティファクト——もちろん、私はコモンに5枚割り振ったばかりだ。いくつかは単純で役に立つカードになるだろう。エスパーのような特殊な例をのぞけば、アーティファクトは色を持たない。
エンチャント——デザインにあたっての一般的なルールとして、コモンに入れるエンチャントはオーラに限るというものがある。ブロックのテーマによってはこのルールが破られることもあるが、何の理由もなくコモンに全体エンチャント(これは廃語だが代わりの用語を私は知らないのでいまでもこの言葉を使っている)が入ることはない。だいたいの色には1枚はオーラが入る。白と緑には2枚以上入ることもある。
インスタント——5色ともにインスタントはあるが、白と青は他の色よりやや多い。
土地——アーティファクトとおなじく、コモンに独立のスロットを割り振ってある。色付きのカードは存在しない。
プレインズウォーカー——これもコモンには入れないことにしている。
ソーサリー——やはり5色ともにソーサリーはあるが、黒と緑にはやや多い。
部族——唯一、必ずしも全部のブロックで使うとは限らないカードタイプ。私のもとには「フレイバー的にあのスペルは部族であるべきです」というようなお便りがたくさん届いているが、私たちはブロックのテーマが部族であるとき以外はそもそも「部族」というカード・タイプを使わない。
さて、じゃあこの情報をスケルトンにかぶせてみよう。
CW01 - クリーチャー,小型
CW02 - クリーチャー,小型,飛行
CW03 - クリーチャー,小型,先制攻撃
CW04 - クリーチャー,小型,瞬速
CW05 - クリーチャー,中型,警戒
CW06 - クリーチャー,中型,飛行
CW07 - ソーサリー - トークン生成,飛行
CW08 - インスタント
CW09 - インスタント
CW10 - エンチャント,オーラ
CU01 - クリーチャー,小型
CU02 - クリーチャー,小型,被覆
CU03 - クリーチャー,中型,飛行
CU04 - クリーチャー,大型
CU05 - インスタント
CU06 - インスタント
CU07 - インスタント
CU08 - ソーサリー
CU09 - ソーサリー
CU10 - エンチャント,オーラ
CB01 - クリーチャー,小型
CB02 - クリーチャー,小型,飛行
CB03 - クリーチャー,小型,接死
CB04 - クリーチャー,中型,威嚇
CB05 - クリーチャー,中型
CB06 - クリーチャー,中型
CB07 - インスタント
CB08 - ソーサリー
CB09 - ソーサリー!
CB10 - エンチャント,オーラ
CR01 - クリーチャー,小型
CR02 - クリーチャー,小型,先制攻撃
CR03 - クリーチャー,小型
CR04 - クリーチャー,中型,速攻
CR05 - クリーチャー,中型,トランプル
CR06 - インスタント
CR07 - インスタント
CR08 - インスタント
CR09 - ソーサリー
CR10 - エンチャント,オーラ
CG01 - クリーチャー,小型
CG02 - クリーチャー,小型,再生
CG03 - クリーチャー,小型,接死
CG04 - クリーチャー,中型,到達
CG05 - クリーチャー,中型
CG06 - クリーチャー,中型
CG07 - クリーチャー,大型,トランプル
CG08 - インスタント
CG09 - ソーサリー
CG10 - エンチャント,オーラ
CA01 - クリーチャー,中型
CA02 - サクって起動
CA03 - タップ能力
CA04 - 装備品
CA05 - 装備品
CL01 - 白マナを生成する
CL02 - 青マナを生成する
CL03 - 黒マナを生成する
CL04 - 赤マナを生成する
CL05 - 緑マナを生成する
私がいくつか新しい要素を足してスケルトンをいじっていることに注目してほしい。一番分かりやすいのは白だ。私は白のスロットが少々窮屈になっていることに気付いていたので、いくつかの変更を加えた。まずクリーチャーを1枚削った。アーティファクトと土地にスペースを割いた結果 10 スロットになっているのに、クリーチャーを8枚入れるのは無理がある。白にはお家芸としてコンバット・トリックを持たせたいから、インスタントのためのスロットが欲しい。というわけでトークン生成スペルはソーサリーにした。さらにクリーチャーの1体に瞬速を持たせることにした。インスタントが2枚あっても、なお白らしい不意打ちには不足しているからだ。
以上の一連の作業が、まさにスケルトンの役に立つところを表している。スケルトンは、デザイナーの発想を制限することなく、なにを割り振らなければならないかを教えてくれる。なにかが上手くいっていないときには、デザイナーはスケルトンを組み立て直すことで、何が必要なのかを知ることができる。
もうひとつ、私がどのようなアーティファクトを入れるか決めたことと、土地がそれぞれの色のマナを生み出すサイクルであると決めたことには注目して欲しい。
次に、このセットのテーマを織り込まなければならない。“真実”“正義”“アメリカ式”は墓地をテーマにしたブロックだとしようか。真実では「捻墓」という墓地利用のメカニズムが登場した(あらためて断っておくが、この記事のために私がでっちあげたメカニズムだ)。このメカニズムはパーマネントにも呪文にも影響する能力だ。さらに捻墓はどのタイプの呪文にもつけることができるため、様々な効果と組み合わせることができる。セットのメカニズムを織り込んでいく過程では、同時に私が「基本的効果」と呼んでいるものも織り込んでいかなければならない。手早く見ていこう。大抵のセットでそれぞれの色のコモンに入ってる能力は以下の通りだ。
白——白は必ずなにかしらのライフゲイン、エンチャント除去、クリーチャー除去(《平和な心》系のものを含む)、そしてコンバットトリック(パワー/タフネスがちょっと上がってなにか能力がつくのがよくあるパターン)が入っている。チーム強化(あなたのコントロールするすべてのクリーチャーはターン終了時まで +1/+1)やダメージの軽減、移し替えもありがちな能力だ。
青——青には打ち消し呪文(しばしば2枚入っていて、1枚は強く、1枚は弱い)、“バウンス”(対象のナンタラをそのオーナーの手札に戻す)、カードを引く、クリーチャーを操るエンチャント(一番よくあるのはタップしたままにさせてしまう効果)、あたりは必ず入っている。それ以外にドロー操作、縮小(対象のクリーチャーはターン終了時まで -N/-0 の修整を受ける)、ぐるぐる(対象のナンタラをタップもしくはアンタップする)、などが時々入っている。
黒——黒には必ずクリーチャー除去が複数(大抵「対象のナンタラではないクリーチャーを破壊する」と「対象のクリーチャー1体はターン終了時まで -N/-N の修整を受ける」)と、手札破壊、墓地のクリーチャーの再利用(対象の、墓地にあるクリーチャー・カード1枚をあなたの手札に戻す)、が入っていて、しばしばパワー強化(対象のクリーチャーはターン終了時まで +N/+0 の修整を受ける)、ライフと引き換えにカードを引く、ダメージかライフロスをクリーチャーかプレイヤーに与え、往々にしてその結果ライフを得る、などが入る。
赤——赤には常に直接ダメージ(それもいくつもの呪文が入っている。プレイヤーに入るもの、クリーチャーに入るもの、どっちにも入るもの、いろいろだ)、パワー強化、パニック効果(対象のクリーチャーはブロックに参加できない)、があり、時には速攻を与える能力や土地破壊が入っている。
緑——緑はパワー/タフネス強化、土地サーチ、アーティファクト/エンチャント除去あたりがいつも入っている。しばしばマナ生成、ライフゲイン、濃霧(すべての戦闘ダメージを軽減する)、飛行クリーチャー破壊、などが含まれる。
ついでに書いておくと、コモンに登場しなかったものはどんなものであれアンコモンには登場する可能性があり、すなわちリミテッドでの存在感はあるということでもある。
さて、これまでの内容を念頭に、さらにスケルトンをぶっ叩いてみよう:
CW01 - クリーチャー,小型
CW02 - クリーチャー,小型,飛行,捻墓
CW03 - クリーチャー,小型,先制攻撃
CW04 - クリーチャー,小型,瞬速,戦場に出たとき -- ライフゲイン
CW05 - クリーチャー,中型,警戒
CW06 - クリーチャー,中型,飛行
CW07 - ソーサリー - トークン生成,飛行
CW08 - インスタント,パワー増強
CW09 - インスタント,エンチャント除去
CW10 - エンチャント,オーラ,クリーチャー除去
CU01 - クリーチャー,小型,飛行
CU02 - クリーチャー,小型,被覆
CU03 - クリーチャー,中型,飛行
CU04 - クリーチャー,大型
CU05 - インスタント,強い打ち消し呪文,捻墓
CU06 - インスタント,弱い打ち消し呪文
CU07 - インスタント,“バウンス”
CU08 - ソーサリー,カードを引く
CU09 - ソーサリー
CU10 - エンチャント,オーラ,クリーチャー除去
CB01 - クリーチャー,小型
CB02 - クリーチャー,小型,飛行
CB03 - クリーチャー,小型,接死,捻墓
CB04 - クリーチャー,中型,威嚇
CB05 - クリーチャー,中型,戦場に出たとき -- 死者再生
CB06 - クリーチャー,中型
CB07 - インスタント,クリーチャー除去
CB08 - ソーサリー,捨てさせ
CB09 - ソーサリー,クリーチャーからドレイン
CB10 - エンチャント,オーラ,正の効果、捻墓
CR01 - クリーチャー,小型,戦場に出たとき -- プレイヤーに直接ダメージ
CR02 - クリーチャー,小型,先制攻撃
CR03 - クリーチャー,小型
CR04 - クリーチャー,中型,速攻
CR05 - クリーチャー,中型,トランプル
CR06 - インスタント -- クリーチャーに直接ダメージ
CR07 - インスタント -- プレイヤーかクリーチャーに直接ダメージ
CR08 - インスタント -- パワーが上がる
CR09 - ソーサリー -- パニック,捻墓
CR10 - エンチャント,オーラ,正の効果
CG01 - クリーチャー,小型,捻墓,戦場に出たとき -- アーティファクト/エンチャント除去
CG02 - クリーチャー,小型,再生
CG03 - クリーチャー,小型,接死
CG04 - クリーチャー,中型,到達,捻墓
CG05 - クリーチャー,中型
CG06 - クリーチャー,中型
CG07 - クリーチャー,大型,トランプル
CG08 - インスタント,パワーとタフネスが上がる
CG09 - ソーサリー,ライフゲイン
CG10 - エンチャント,オーラ,正の効果
CA01 - クリーチャー,中型
CA02 - サクって起動,マナ関係
CA03 - タップ能力,マナ関係
CA04 - 装備品,パワー/タフネスがあがる
CA05 - 装備品,回避能力
CL01 - 白マナを生成する
CL02 - 青マナを生成する
CL03 - 黒マナを生成する
CL04 - 赤マナを生成する
CL05 - 緑マナを生成する
キーワードを全部はめ込んでみると、どうやら効果を詰め込みすぎているらしいことがわかる。解決する方法のひとつにはクリーチャーのスロットを用いるというものがある。たとえば戦場に出たとき(ETB = enter the battlefield)の誘発型能力を用いれば、ソーサリーをクリーチャーに擬態させることができる。さらにスケルトンを見ていると、捻墓を持つカードは何枚ぐらい必要で、それをどの色に割り振るべきかということに考えが及ぶ。加えて、色によってフレーバー的な差が生じるのではないかと思いつき試してみた。墓地の色である黒と緑には開墓を多めに割り振っている。また、白と緑ではクリーチャーにも割り振っているが、青と赤ではインスタントとソーサリーにのみ割り振っている。
あるスケルトンについてデザイナーがするべき調整の手数は、固有のセットの事情によってさまざまだ。今回のコラムでやってきた程度で充分なこともあり得るし、他にも処理しなければならない問題があるためにさらなる調整が必要かもしれない。このサンプル・スケルトンだけからでも確実に言えることがあるとすれば、一番ありがちなデザイン上の問題は、入れるべき要素が足りないことよりも、むしろ要素を詰め込もうとしすぎてしまうことの方だということだ。
スケルトンには柔軟性があって、いのちがあって、呼吸すらしているドキュメントなのだということは憶えておいてほしい。それを作るのは今この瞬間セットがどうなっているのかをぱっと把握するためだ。カードのデザインが始まれば、最初のアイデアが思うように機能しないことが必ず出てきて、それでスケルトンを再構成することになる。
まとめると、デザイン・スケルトンは、部分部分が常に変化し続けているデザイン中のセット全体の大きな絵を、デザイナーが把握することを可能にしてくれるツールだ。その絵が見えることで、デザイナーはそのセットがどのようなデザイン的な変更を必要としているかを理解できるのだ。(*2)
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(*2) まとめると、〜 理解できるのだ。
原文では以下の通り。
In the end, the design skeleton is a tool that better allows the designers to get a big picture of all the moving parts to their set allowing them to start figuring out what their set is going to need design-wise.
「最後に書くと、デザイン・スケルトンはデザイナーに全ての動いている部分から成る大きな絵を得ることを可能にする工具だ」まではほぼ確定で、to their set 以下のかかり方が不明瞭。一応ここでは to their set は all the moving parts に限定的にかかるように訳してるけど全く自信なし。さらに allowing them 以下のかかり方も不明。ここでは them はデザイナーと解釈して、to get a big picture of 〜 to their set の一文全体が allowing them to start 〜 するのだという風に訳した。まだ訳すの2本目だけど、マローらしからぬ悪文だと思う。
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骨っぽい話
今年もカードデザインの現場の隅っこの辺りを垣間見ていただいたわけだが、お楽しみいただけただろうか。もしこの記事への反応が芳しければ、また来年の「ボルトとナット」でお会いしよう。
来週は多重キッカーの話をしたいと思う。
その日までに、みなさんのスロットがうまく埋まりますように。
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ここまで訳した2回を読んだら、あとの2回は公式で翻訳されている。読んだことがある人も、もし最初の2回を読むのが初めてならあらためて読んでみるといいと思う。いろいろ発見がある筈だ。
基本根本:デザインの骨格を埋めよう
http://mtg-jp.com/reading/translated/001274/
「基本根本」:より高いレアリティ
http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/003089/
訳語は合わせたり合わせなかったりした。たとえばセット名は最初「トゥルース」「ジャスティス」などとしていたが、公式では「正義」となっていたのでそちらにした。また架空のメカニズム gravetwist は「編墓」としていたのだが公式の「捻墓」に合わせている。
例によって誤訳の指摘は歓迎します。自分ならこう訳す、というのでもいいです。コメント欄までお願いします。
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