保育園に子供を入園させて、まず違和感を感じたのが、「保育の理念」。

保育の理念の中身どうこうではない。入園説明会で園長先生が当園の保育の理念は…と語り出したこと自体に、だ。

どこがおかしいか？普通じゃん、と思われるかもしれないが、普段サラリーマンとして超実務的な仕事ばっかりしていることもあってか、結構な歳を重ねた大人がなんの下心も無しに理念を語り出す、という状況について、正直どう受け止めていいのかわからなかった。

そして同時に、「理念とかどうでもいいな」と率直に思った。子供を預かってもらえれば、それでいい。

(運営する側にとっては、理念が最も重要だということは言うに及ばすだろう。以下、ユーザーとしての個人的な一意見、価値観を記述する。保育の運営側の関係者で気分を害されたら申し訳ない。趣旨としては、「具体的なサービスに表れてこない理念なんて意味がない」ということである。)

重要なのは、何時から何時まで預かってもらえるか、料金体系はどうなっているか、親の参加を要する行事はどれくらいあるのか。
さらに細かくいえば、ミルク代は園持ちか？おむつは持ち帰りか？シーツに名前を縫い付けたりする必要があるのか？…など。

結局そこでどんな理念で保育をされているかなんて、個人的にはどうでもいい。保育はもっとミクロな問題だ。だってサービス業なんだから。

スタバはコーヒーがうまいから人気があり、説得力がある。
「お客様の自宅と職場の間に‘サードプレイス’を提供する」というすばらしい理念も、コーヒーがまずかったら台無しである。

理念を語ることなんて単なるスパイスであり、シナモンであり、ココアパウダーでしかない。
まずは、ブラックコーヒーの品質を上げることの方が重要である。

保育園業界では、非効率な運営が少なからず見受けられる。
おむつゴミを持ち帰るのみならず、おむつゴミを入れる袋に毎日マジックで全部名前を書くとか、マジか。誰も変に思わないのか。保育園がこの世に誕生してどれくらい経っているか知らないが、いまだに保育園でおむつを一括処理することも検討さえしないという保育園(自治体)が多すぎるのではないか。

理念から物事を考えるだけでは、ユーザー目線のサービスは生まれてこない。利用者からは何が求められていて、何はどうでもいいと思われているのか、見極める姿勢は必要だろう。
全国とは言わないが、少なくともうちの区の保育園が、スタバとは言わないが、ドトールくらいのコーヒーを提供してくれることを期待したい。