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小保方氏退職「魂の限界」STAP細胞再現に失敗

2014年12月20日6時0分  スポーツ報知
  • 4月の会見で涙を見せていた小保方氏
  • 4月の会見で涙を見せていた小保方氏

 理化学研究所は19日、東京都内で会見を行い、小保方晴子氏(31)が21日付で退職することを明らかにした。論文で研究不正が指摘されたSTAP細胞を再現するため、50回近く実験したが、全て失敗。理研側も、来年3月末までの予定だった小保方氏以外の検証実験も打ち切ることを改めて発表した。15日に退職届を提出したという小保方氏は、この日「魂の限界まで取り組み、今はただ疲れ切り、大変困惑しております」などとするコメントを出した。

 検証の結果発表会見開始から1時間後。理研の検証チーム責任者・相沢慎一特任顧問が突然、「小保方氏から退職の申し出がありました」と切り出した。職員が配布した小保方氏のコメントには「検証終了を以て退職願を提出させていただきました」とあった。

 「与えられた環境の中では魂の限界まで取り組み」と振り返った小保方氏だが、検証を本格開始した9月から、11月末までの3か月で、約50回試みた再現実験は全て失敗。4月の会見で「200回作製した」としたSTAP細胞は結局、作れなかった。理研は3月まで予定していた全ての検証実験を打ち切り。小保方氏の論文の方法では、STAP細胞を再現できないことを明言した。

 相沢氏によると、11月30日の実験終了後、小保方氏に涙はなかった。データを整理し、今月15日に神戸市の研究所に自ら退職届を提出した。退職により職員ではなくなるが、理研側は「(中断していた)懲戒手続きを再開して、『○○処分相当』という検討をすることになる」と説明した。「任期制、年俸制なので退職金はない」という。医療ガバナンス論の上昌広・東大特任教授は小保方氏の今後の見通しについて、「日本で研究者として生きていくのは難しい。調査で、不正のプロセスが明らかにされなければ、いっそう、厳しいことになるでしょう」と指摘した。理研による不正の調査は続くが、退職者を追及する権限はなく、真相に迫れるかは、不透明だ。

 1月に細胞作製に成功したとする笑顔の論文発表会見を開き、不正疑惑浮上後、4月の「STAP細胞は、あります」会見を経て、最後に再現失敗、退職届提出となった2014年の小保方氏。関係者によると最近、心身の状態が悪化している。検証実験の終盤期では、心を閉ざしてしまうのか、会話にならないこともあったという。研究施設内で小保方氏を見かけたという男性研究員は「一人でエレベーターに乗っていたが、元気がないように見えた」と話す。代理人弁護団は、本人が困惑しているとし、「ゆっくり心身を休めてもらいたい」とコメントを出した。

 検証実験全体にかかった研究費は約1500万円。そのうち、小保方氏単独の実験分は約550万円だという。相沢氏は「研究者(小保方氏)を犯罪人扱いし、モニターや立会人を置くことは科学のやり方ではなく、あってはならないこと。そういう検証実験をしたことを責任者としておわびします」と謝罪して、会見場を後にした。

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