千葉県警 他県警で発覚後も少なく計上か12月21日 4時44分
千葉県警察本部が交通死亡事故の件数を年間の統計に実際より少なく計上していた疑いのあることがNHKの調査で明らかになりました。
この問題で去年2月に別の県警で同じようなケースが発覚して全国的に再発防止が指示されたあとも、統計に計上されていない疑いのある事故が見つかり、千葉県警は統計の修正に向けて全面的な見直しを始めています。
NHKは去年までの3年間に千葉県内で起きた死亡事故を対象に、警察署の発表資料と年間の統計とを比較し、遺族などへの取材を進めてきました。
その結果、死亡事故と発表したのに統計に記載されていない件数が3年間でおよそ30件に上るとみられることが分かり、このうち遺族などに取材できた少なくとも11件については、「死亡事故として扱われた」という証言が得られています。
交通事故の統計を巡っては、佐賀県警が平成21年から翌年にかけて、人身事故の件数を1000件余り少なく発表していたほか、愛知県警では去年、過去20年間にわたり、自殺や病気と断定できないのに、死亡事故の統計に計上していなかったことが明らかになりました。
愛知県警の問題を受けて警察庁が去年2月、統計の正確さを確保するよう、全国の警察に再発防止を指示していましたが、NHKの調査で、千葉県警では、それ以降も統計に記載のない事故が複数見つかりました。
例えば、単独の死亡事故で遺族を取材したところ、医師が死因について「死亡事故」と記載した書類を病院側から受け取ったと証言したケースなどで、統計に計上されていない疑いが出ています。
千葉県警は「統計に計上しなかった要因や動機、背景を含めて、警察庁の指導を受けながら調査を尽くしたい」と話し、統計の修正に向けて全面的な見直しを始め、年明けにも結果を公表したいとしています。