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【衝撃事件の核心】
禁断の領域「朝鮮総連」に足踏み入れ〝墜ちた〟国税調査官 傘下団体元幹部と飲食、韓国旅行…情報漏洩
特調は料調のいわば税務署版で「ミニ料調」とも呼ばれる。だが、今では「しんどい部署」として、若手職員に敬遠される部署の一つになっている。
昭和60年に国税職員として採用された佐土原被告も、20年近く前には一時、本局の資料調査課に在籍していた。しかし、その後は本局に戻ることなく、複数の税務署を渡り歩いた。「出世も望めず、ふと魔が差したのか」「特調は結果が求められる部署。対象に迫るうちに一線を越えてしまったのか」。関係者らはそれぞれ推測する。
多くの国税職員が出会えば最初に口にするのが、国家公務員法と税法による「二重の守秘義務」だ。佐土原被告もその重要性は十分にわきまえていたはずだが、よりによって反国税団体の関係者と一線を越えてしまった。
あるOBは「国税職員は誘惑が少なくないのも事実。特定団体の担当が長引けば、分別が付かなくなる可能性もある」と問題点を指摘する。
捜査当局は起訴時も佐土原被告の認否すら明らかにしていない。〝堕ちた調査官〟の胸の内はいまだ秘められたままだ。