リーマン・ショック後の08年に実施した4兆元(約76兆円)の景気刺激策を思わせる大規模投資だが、前出の勝又氏は「過剰投資が影の銀行(シャドーバンキング)や不動産バブルを肥大化させ、不良債権もさらに拡大する懸念がある。成長を追わず、改革を進めるとした習近平国家主席の方針は有名無実化されることになる」と危惧する。
ロイターは、英コンサルティング会社による15年の経済予測を紹介している。それによると、中国の信用バブルが崩壊し、不良債権が増大して全面的な金融危機を巻き起こし、成長率は2%に鈍化するというシナリオの確率を「35%」としている。悪夢は現実となるのか。