続々々・アベノミクスでマネーストックは伸びていない?
2014/12/19 20:17:00

[info]メカAG
uncorrelatedがアベノミクスは無理だという理由がわかった。ようするにuncorrelatedは今後半永久的に日銀が国債を買い続け、それによって2%のインフレ率を維持すると考えているわけだ。

それは無理でしょ(笑)。それだったら俺も「アベノミクスは無理」という。実際のアベノミクスはそうではないと思うのだよね。

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いまさらこんなことはuncorrelatedに説明する必要ないと思うけど、デフレの状況ではみんなお金を使わない。銀行に溜め込んでおいた方が得だから。デフレというのはお金の価値が上がっていくのだから、ただ貯めこんでおけば価値が上がる。こんな美味しい話はない。だからますますデフレが進行するわけだ。インフレだと逆に物を買って転売した方が儲かるから、さらにインフレが進む。

市場の自由にさせておくと、この状況から抜けだせず、どちらも行き着くところまで言って破綻するので、中央銀行が金利を操作して介入する。デフレもインフレも行き過ぎはよくない。

逆に考えれば、いまはデフレだから、みんなさらにデフレが進行する方向(お金を使わない方向)に向かっていて、それが金融緩和の「効きが悪い」という結果に現れる。ちょっとぐらい金融緩和しても、全体的にはデフレの状況のままなら、みんなデフレが進む方向に行動するから、流れは変えられない。

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ならば瞬間的にでも最大戦力で(笑)インフレにすれば、流れが変わってみんなインフレの方向になびくだろう。今度はお金をどんどん使って物を転売した方が得な状況になるのだから。そうなれば放っておくだけでインフレはどんどん進行していくはず。そうなればしめたもので、あとは適当なところで金利を上げて歯止めをかければ、安定する。

まあそううまくいくかはともかく、これがアベノミクスだと俺は思ってるけどね。2%の物価上昇率を最後まで日銀の力で達成するなんて、そりゃ無理だよ。ようするにアベノミクスが真にコントロールしようとしてるのは、お金ではなく人々の行動。

「期待に働きかける」というのはそういうことだと思うよ。人間は「どうするのが得か?」を自分で考え、自律的に動いているわけで、「インフレの方向に動いた方が得だ」という状況を作り出し、人々の行動をコントロールできるかがアベノミクス成否の鍵。

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追記2014-12-20

  量的緩和でインフレ目標に到達するためには: ニュースの社会科学的な裏側
  http://www.anlyznews.com/2014/12/blog-post_18.html
  | 既に効果はほとんど無いと言う大量にデータがあるのに、もっと大量に試せば効果が出ると言う主張は、擬似科学の論法のように思える。

まあ見方によってはそう見えるかもしれないが、LNT説の時も行ったけど、結局データから推測できるのは、データを取った範囲のみであって、それ以外の部分を推測するにはモデル化が必要。そしてモデル化というのは人間の「想像」なのだから、正しいか否かは証明できない。

俺が疑似科学と科学は区別困難だというのも、それが理由。まあ、その意味では俺は疑似科学信者かもね。

まあ言いたいことはわかる。要するにリフレに関する俺の主張は「リフレは成功する、でも成功する証拠は出さない。一方、失敗するというならそれを証明しろ」というものだからね。これは疑似科学論者がよく使う論法。

しかしアベノミクスというのは学問というより事業なのだから、「成功する保証がないからやめよう」と考えるか、「失敗するとは限らないからやってみよう」と考えるかは、前エントリでも述べたけど、その人の人生観だよね。論理や学問ではない。

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  | 需給が価格調整されることなどは、ほぼ定説(例外は例外で分析が発展している)。

でもそれだと好景気と不景気やインフレとデフレがいつどうして起きるかは予測できないんじゃないの?

  | クルーグマンのIt's ba+k!論文が、ゼロ金利でない時に有効で、ゼロ金利の時に無効と言うモデルになっている(関連記事:クルッグマン論文を使って、池田信夫を応援する)。計量的には示した通り。

だって政府は金を使ってるわけだよね?赤字を出して。つまり金はばらまかれている。財政赤字じゃない状態で日銀だけが金融緩和しても効果はないかもしれないが、財政赤字なのだから、金は市場に出ていっているはず。問題はそれを国債で回収してしまってるから、市場の金が増えないわけで、回収をやめれば、つまり日銀が買い取れば、市場の金は増えるはず。

  | 根拠は本文の計量分析の結果がそれなのだが、直観的には福井総裁の頃にマネタリーベースを大幅に減らしてもマネーストックに大きな変化はなく、黒田総裁になってマネタリーベースを大幅に増やしてもマネーストックに大きな変化はなかった事が挙げられる。

その「大きな」とか「小さな」というのがね~。データに基づいて語るのが好きなようなのに、なんで最後の最後で、そういう主観的な話になってしまうのか。なんに対して大きくないのか。2%インフレに届かないだろうという話ならすでに書いた。量的緩和だけで2%まで持っていけるとは俺も思ってない。

  | 消費非効率は、タバコ税率を上げる前にタバコを買い込みすぎて、不味くなったタバコを吸い続けるはめになった人を想像して欲しい。

買いだめしたのがなくなれば健全な状態に戻るんじゃない?

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リーマンショック以降(もしくは3.11以降)のM2の増加については、アベノミクスによるものか否かはともかく、増加している(二次曲線的に)というのはuncorrelatedも認めてるわけだよね、ならこのままいけば時期はともかく、そして金融緩和したからか否かはともかく、デフレ脱却するという点では予想は一致してると考えていいの?んでアベノミクスが特に重大な弊害がないなら、続けてもいいわけだし。都合良い方向に動いている時にわざわざ状況を変える必要はない。

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追記2014-12-20

  | uncorrelated 「買いだめしたのがなくなれば健全な状態に戻るんじゃない?」は、毎年インフレならば、毎年買いダメするので・・・

ん?よくわからん。買いだめが毎年ならそれは健全な消費行動なんじゃ?それとも買いだめが無限に増えていくということ?そんなことが起きるのかしらないが、無限に需要が生まれるならいいんじゃ?

  | uncorrelated 買いダメが多くなると、味も落ちるし、保存する場所もとるので、消費者の効用が低下している事になります。

ん~よくわからんが、それは経済活動にとってマイナスなの?それとも「人生の幸せ度」みたいなものの話?俺的にはGDPをいかに増加させるかの話をしてるのであって、食品の味の話はいまはしてないのだが。食べ物がまずくてもGDPさえ増えればOK。

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