記事詳細
東京駅開業100年限定版Suicaデザインは女性車掌 高校で日本画、異色の経歴 制作3カ月、細部まで描き込み
“デザイナー魂”を刺激された鈴木さんは、自らカメラを手に駅舎の写真をとり、東京駅の複数のパンフレットも収集。改札業務中に見上げた駅舎ドームの天井の美しさも目に焼き付け、勤務後や休日の大半をデザイン作成にささげた。デッサン漬けだった学生時代に戻ったように絵筆を手に取り組み、3カ月後にできあがった作品は、駅舎の窓などが細部まで描き込まれ、温かみのある雰囲気を醸し出していた。
「東京駅は年配の方の利用が多く、上品な色合いになるように気を使った」。出来栄えについても「これまでの中で一番のお気に入り」と話す。
今年8月から綾瀬運輸区に異動し、現在はJR常磐線の車掌を務めている。緊張続きの毎日だが、休日に絵筆を握ると落ち着くという。「どんなデザインでも描きたい。苦にならないので…」。鈴木さんの創作意欲が尽きることはない。(花房壮)