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【河村直哉の国論】
GHQ宣伝「南京虐殺2万人」、NYT紙また慰安婦…アメリカの反日世論に屈すべからず 敗戦国史観、日本人自身が克服を
この前の当欄で、「歴史修正主義」を振り回すニューヨーク・タイムズ(NYT)紙の反日的論調について触れた。脱稿後、同紙がまたぞろやっているので、この際、書いておく。
■朝日元記者に肩入れ
まず「日本の右派勢力の新聞攻撃」などとする記事でNYT(電子版)は、平成3(1991)年に慰安婦に関する初期の報道をした朝日元記者を登場させた。
スタンスは元記者および朝日寄りである。「(右派は)歴史を否定する方法として脅しを使っている」「私たちをいじめて黙らせたいのだ」とする元記者の発言を紹介。記事では、「(元記者は)日本の政治的右派の標的になっている」「(朝日批判の)動きは歴史修正主義者に自分たちの歴史の作りかえを促すことになった」などとした。
元記者をめぐっては、朝日を退職してから勤務する大学に脅迫文が届いたり、家族の情報がインターネット上にさらされるなどしている。以前、別のところで書いたが、言論を戦わせる以上の過激な行為に筆者は反対する。しかし朝日新聞批判の動きを、NYTのように右派の標的だの、歴史修正主義だのとひとからげに否定的にとらえることにも異を唱える。
当欄で何度も書いているように、慰安婦問題でこの間、起こっていることは、戦後日本の左傾の修正の一つなのだ。この左傾は終戦後、連合国軍総司令部(GHQ)が方向を定め、戦後の日本人が拡大再生産してきたものなのである。そのように過剰に自らの来歴をおとしめる歴史観はおかしいと、多くの日本人が思い始めているのだ。
■勝者の歴史の押しつけ
歴史(ヒストリー)はある意味では、「彼の・物語(ヒズ・ストーリー)」、王の物語である。勝者の側から見た物語の要素を持つ。
昭和20(1945)年の敗戦からしばらくの間、日本を占領していたのはだれか。いうまでもなくアメリカである。そしてそのごく初期に、占領者の側からの歴史の押しつけがなされた。
昭和20年12月8日、GHQは日本の新聞にいわゆる「太平洋戦争史」の連載を始めさせた。日米開戦の端緒となった同16(1941)年の、真珠湾攻撃の日である。アメリカの報復的な意図を読まないほうが不自然だろう。