【動画】統合失調症の経験を語るハウス加賀谷さんと、相方の松本キックさん=武田耕太撮影

 「か・が・や、で~す」。そんな決めぜりふで人気を博したハウス加賀谷さん(40)と、松本キックさん(45)のコンビ「松本ハウス」は1999年12月末、テレビの表舞台から突然姿を消した。

 中学時代から抱えていた、加賀谷さんの統合失調症が悪化していた。精神科病院に入院して治療に専念するため、コンビとしての活動休止を決めた。

 統合失調症は100人に1人弱がかかるとされ、決して珍しい病気ではない。妄想や幻覚などの症状が出る。医師の指示を守らず、薬をのんだりのまなかったりを繰り返す。それも症状の悪化の原因だった。

 2009年、10年の空白期間を経て復活。コンビとして活動を再開した。昨年、その経過を著書「統合失調症がやってきた」(イースト・プレス)にまとめた。

 自らの体験を話す仕事も増えた。社会のなかで精神障害への偏見はまだ完全にはなくならない。2人は時に笑いをまじえながら話す。「統合失調症がもっとふつうのことになってほしい、と思っています」(武田耕太)