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 東京電力福島第一原発4号機に残っていた核燃料の最後の4体が20日、燃料プールから取り出された。4号機は事故時は停止中だったものの建屋が爆発し、プールの燃料が溶けて放射性物質が大量放出するおそれが指摘された。これで4号機については大きなリスクはなくなった形になる。

 20日、搬出作業を東電が報道陣に公開した。この日は最後に残った未使用燃料4体を入れた容器をプールから引き上げた。外側を除染したうえで近日中に6号機に運ぶ。これで4号機からの燃料運び出しは予定通り全て年内に完了する。

 4号機のプールには使用済み1331体、未使用204体の計1535体の燃料があった。新たに屋根やクレーンを設け昨年11月に取り出しを本格的に開始。リスクの大きい使用済み燃料は今年11月に終えた。

 小野明・福島第一原発所長は「3年間という短い時間でここまで進められた意義は大きい」と振り返った。当面4号機の作業はなく、1~3号機の作業や汚染水対策に力が注がれる。(小坪遊、熊井洋美)