【ワシントン=川合智之】オバマ米大統領は19日、北朝鮮を題材にした映画の公開準備を進めていたソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)がサイバー攻撃を受けたことについて、攻撃に関与した北朝鮮に「相応の対応を取る」と警告した。米政府が北朝鮮をテロ支援国家に再指定することを検討していると米メディアは伝えた。SPEが映画公開を中止したことについては「間違いだ」と批判した。
オバマ氏は年内最後の記者会見で、被害を受けたソニーに「同情する」と述べた。そのうえで「米国では独裁者が検閲できるような社会を認めない」と指摘し、「表現の自由」の観点からSPEの対応に疑問を向けた。
SPEは北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の暗殺計画を題材にしたコメディー映画「ザ・インタビュー」を25日から公開する予定だったが、上映する映画館にハッカーがテロ予告したため公開を中止していた。
オバマ氏は北朝鮮政府に対して「幅広い対応を検討している」と述べ、対抗措置をとる考えを明らかにした。19日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は政府当局者の話として「北朝鮮をテロ支援国家に再び指定する選択肢を検討している」と報じた。
米連邦捜査局(FBI)は19日の声明で「北朝鮮政府が一連の行為に責任があると結論づける十分な証拠がある」と述べ、SPEへのサイバー攻撃について北朝鮮による犯行と断定した。具体的には、ウイルスの設計図(コード)や暗号技術などで、過去に北朝鮮が同種の攻撃に使用した技術が使われていた。
またウイルスは昨年3月に北朝鮮が韓国の金融機関や放送局を襲ったサイバー攻撃で使われたものと類似していた。ウイルスに登録されていたインターネット上の住所にあたる「IPアドレス」も、北朝鮮の施設との関連が確認されたという。
ケリー米国務長官は19日の声明で「独裁政権による表現の自由の抑圧だ」と北朝鮮を批判した。ジョンソン国土安全保障長官も同日「すべての経営者がセキュリティー対策を見直す機会だ」との声明を出した。
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