日本の離島が狙われる
日本の離島が危ない。人口減少による過疎化や高齢化、産業の衰退…。近年では中国やロシアによる軍事的脅威にさらされ、韓国をはじめとする周辺国の土地買収など外資流入も目立つ。国境の島は今、どんな状況に置かれているのか。iRONNA編集部が長崎県・対馬より報告する。
101票
対馬
178票
沖縄
9票
小笠原諸島
対馬の危機を救えるか
人口減による過疎化が深刻化する対馬にとって、韓国人旅行客による観光収入は島の産業にも欠かせない。
現在、韓国・釜山と対馬を結ぶ主要海上交通であるフェリーを運営しているのは、日本の「JR九州高速船」と、韓国の「未来高速」と「大亜高速海運」の3社。島を観光する旅行客の大半が韓国のツアーを利用し、韓国人が経営するホテルに泊まる。海上自衛隊対馬防備隊本部に隣接した場所に建てられたことで物議を醸した韓国資本のホテル「対馬リゾート」や、大亜高速海運が経営する「対馬大亜ホテル」など、韓国人が経営する自国旅行者向けのホテルは近年勢いを増す。韓国人旅行客が利用する免税店も韓国資本で運営され、地元の日本企業が十分に恩恵を受けているとは言い難いという。
ただ、そんな対馬の住人にとって、怒りをあらわにする出来事もある。韓国人による二度にわたる仏像盗難事件だ。2012年10月、海神神社の「銅造如来立像」(国指定重要文化財)と観音寺の「観世音菩薩坐像」(県指定有形文化財)の2体が、韓国人窃盗団による盗難被害に遭った。それだけではない。今年11月には梅林寺の「誕生仏」と経典「大般若経」(ともに市指定有形文化財)が韓国人僧侶を含む5人の窃盗グループにより盗まれる事件も起きた。梅林寺の事件は、出国前に地元警察が5人の身柄を拘束し、韓国への持ち込みを未然に防ぐことができたが、12年に盗まれた文化財については、窃盗グループが韓国に持ち帰り、韓国の浮石寺が日本に返さないよう自国の裁判所に訴訟まで起こし、いまだ戻ってきていない。
韓国への不満が日に日に大きくなりつつある対馬だが、漁業が主要産業の対馬にとって韓国は貴重な輸出相手国でもある。日本では食す習慣がないが、韓国で人気の高い「ヌタウナギ」は対馬海峡での漁獲量が多く、その多くが韓国に輸出されている。対馬の水産物を取り扱う水産会社「ダイケー」の山田啓蔵社長によると、3年前の福島第一原発事故の影響で韓国側の規制が厳しくなり、「一旦緩和されたが、最近また規制が厳しくなって、きょうも検査が通らなかった」と表情を曇らせた。
対馬は韓国とどう向き合うべきなのか。韓国との関係に危機感を募らせる対馬市議の作元義文氏は「特定国境離島保全振興法の早期制定を望んでいる」とした上で「自分たちの力だけではなんとかするのは正直難しい。ここ10年で6千~7千人の人口が減っており、今後も減少は続くだろう。いつか韓国の領土になってしまうのではないか。そんな危機感を持つ島民は年々増えている」と話す。
難しいかじ取りを迫られる国境の離島。だが、これは決して対岸の火事ではない。対馬の危機はわが国全体の問題であることを改めて認識させられた気がした。(iRONNA編集部 川畑希望)
離島を守るにはこれしかない!
-
特定国境離島保全振興法の制定を急げ!
長崎県の離島、対馬は韓国人旅行者の増加により韓国資本による土地の買収や窃盗団の流入など数々の悩みを抱えている。日本海洋研究の第一人者、山田吉彦は国境離島の人々の生活を経済的、精神的に安定させるため、国として国境を守る「特定国境離島保全振興法」の早期制定が必要だと語る。
外資の規制はなぜ難しいのか
-
インターネットで売られる日本の離島
いまや日本の離島がネットオークションで売られる時代になった。国土の無防備は至るところに転がっている。絶望的なわが国の能天気ぶりに刮目せよ。東京農大客員教授、平野秀樹が外資による日本の国土買収や日本の土地制度に警笛を鳴らす。
ユーザー投稿
-
問われるべきは「信念外交」の成果
Mich Maruyama(新潟県) 安倍首相は主に消費増税延期の判断、そしてアベノミクスについて国民の信を問いたいとして衆院を解散したが、安倍内閣によって劇的に変化した外交政策も有権者の評価の対象とされるべきだろう。
-
太政官指令「竹島外一島」の解釈手順
茶阿弥(九州在住) 韓国との間の竹島領有権論争で語られる争点の一つに「太政官指令」がある。この指令は現在、韓国と日本の研究者により、明治10年の時点で日本政府が竹島を「日本の領土ではない」と判断したものと解釈されている。
「特定国境離島保全振興法」とは
島内のインフラ整備で国庫負担を増額し、中小企業への振興策を通じて住民の流出を防ぐ。中国による海洋進出の動きもにらみ、自衛隊や海上保安庁といった機関を常設するよう促す努力義務も盛り込んでいる。
“侵食”する韓国
中国の脅威
-
「超限戦」目に見えない戦争はもう始まっている
近年、中国の脅威が話題に上るようになってきたが、それは戦後一貫として存在していたことに我々日本人が気付かなかっただけのことだ―。元海上保安官の一色正春がいまも起きている「目に見えない戦争」を語る。
コメントを入力
返信を入力