STAP細胞:小保方さん21日付退職 研究費どうなる?
毎日新聞 2014年12月19日 21時49分(最終更新 12月19日 22時26分)
STAP細胞研究の中心だった小保方晴子研究員(31)は21日付で理化学研究所を退職する。STAP論文の疑義について、外部有識者による調査委員会が疑義を調査している中での「主役」の退場は、真相解明はもちろん、処分の実効性にも影響を与えそうだ。
実験打ち切りを発表した19日理研の記者会見に小保方氏の姿はなかった。坪井裕・理研理事は、退職願を受理した理由について「心労が重なっており、これ以上の負担は考慮すべきだと判断した」と述べた。
論文調査への影響について、坪井理事は「調査委員長に受理していいか問い合わせ、支障はないと返事があった」と説明した。しかし、今後の聞き取り調査で小保方氏本人の協力を得られるかどうかについては、「全面的に調査委に委ねており、今後、聞き取りの予定があるかは把握していない」と明言を避けた。
調査の結果、新たな研究不正が確定すれば、理研の懲戒委員会が小保方氏らの処分の検討を始める。ただし、小保方氏の退職後の決定になるため、「どんな処分に相当するか」が本人に伝えられるだけだ。
小保方氏は、理研発生・再生科学総合研究センター(当時)で研究ユニットリーダーとして小規模の研究室を主宰し、その間にSTAP研究に費やした運営費交付金の総額は約3500万円だった。主要な実験は、それ以前に客員研究員として在籍した若山照彦チームリーダー(当時)の研究室で実施したが、当時の研究費の総額は不明。小保方氏の雇用は1年ごとの任期制で年俸制のため、退職金はないという。
理研の規定では、研究不正があった場合、研究費の全部か一部の返還を請求することになっている。理研広報室によると、退職者に対しても請求は可能という。
論文への疑義が出てから小保方氏が記者会見したのは4月9日の1回だけ。その後の様子について、代理人弁護士は「入退院を繰り返すなど精神的に不安定になっている」と動揺の大きさを再三説明していた。【須田桃子】